ゴルフルール・マナー

ゴルフコースに出没する動物たち~鳥がボールをくわえて持ってっちゃったら…?

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ゴルフが好きでたまらない初心者の女性が、こんなことを呟いていましたよ。

「ゴルフって、ちょっとした小旅行気分だね~」と。

 

朝家を出て夕刻帰る日帰り旅行、行く先では都会にはない自然が満喫でき、目に優しい緑の中で小鳥の声も聞こえてきます。

大自然がありゆっくり流れる雲の下では、人間などわれ関せずの動物たちが暮らしています。

 

考えてみればそもそも動物たちの住処を、人間が借用しているのですから当たり前ですよね。

そんなわけで、今回はゴルフコースと動物たちの「絡み」を取材しました。

日本国内のコースも動物との関りがありますが、世界となるとこれまたいろいろあります。ゴルフルールと動物たち、話はどんな内容に発展するのでしょう。

後半には動物に絡むルールのお話もあります。

 

トラが!ワニが!様々な動物が闊歩するゴルフコース

さて、はじめにご登場いただくのは日本国内のゴルフコースに現れた「トラ」の話です。

「ゴルフコースだからタイガーがいるのは当たり前!」などとスピース、いや間違えた”ジョーダン”をいっている場合ではありませんよ。

 

1979年(昭和54年8月)、千葉県君津市で前代未聞の事件が勃発しました。

事件の主役になったトラは、当地の名刹(めいさつ)神野寺の住職が飼っていたトラ12頭のうちの3頭でした。

オリの鍵をかけ忘れたある夜、彼らは外出許可(?)もないのにお出かけ、1頭はすぐ発見されましたがオスメスの2頭は行方不明になりました。

トラは民家の飼い犬を食い殺したりしたため、住民は襲撃を怖れて恐怖の毎日が始まりました。

 

ゴルフコースに出没するトラ

写真は合成です

 

出奔2日後、メスは射殺されましたがオスは約1か月間、ゴルフコースの中や周辺の山林に潜みました。

最終的には1,000人規模で動員された消防団、猟友会員のなかの相葉武己さん(86)が足跡をたどって山中を捜索し、茂みの向こうに隠れたトラを射殺しました。

この間、鹿野山カントリークラブは1ケ月のクローズ、仮に営業してもコース内の池に水を飲みに来るトラの姿など見た日には、ゴルフどころではなかったでしょうから当然です。

その事件後、寺に残ったトラやクマはすべて北海道の動物園に移譲されました。

 

余談ですが、群馬県富岡市の21センチュリークラブ・富岡は、群馬サファリパークに隣接しています。

9番ホールからは、お隣の敷地にいるライオンの姿が見えるという話です。

ゴルフの救済ルールがないと、もし打ち込んだら中に入ってあるがまま打たねばなりませんね!

 

チャージング・ブルがギャラリーを迎えるコース

 

写真の巨大で荒々しいあばれ牛がゴルフコースに置かれているのは、フロリダ州のアイルワース・ゴールド&カントリークラブです。

重さは約3.2トン、高さ3.4mで長さは4.9mあります。

 

動物のモニュメントに詳しい方なら、マンハッタンのウォール街近くにあるよく似た巨像がパッと浮かぶかもしれませんね。

金融用語でいう「ブル(牛)」は”上昇相場の象徴”で、牛が突き上げるように攻撃する姿から連想されています。

ちなみに下げ相場である「ベア(熊)」は、立ち上がって腕を振り下ろす姿から命名されています。

 

製作者のディ・モディカはこのブルを5つ創作しましたが、ひとつがこちらのコースに設置されました。

コース名を聞いて、すぐにタイガー基金が主催するワールド・チャレンジを思い出した方は相当のゴルフマニアです。

松山英樹がチョー得意とする大会で、2014年以降はオートバイメーカーのヒーロー・モトコープの冠がついています。

 

このブルは生きている動物ではありませんが、ギャラリーを迎えるユニークな存在としてご紹介しました。

 

恐ろしいアリゲーターとプロゴルファーの反応

前述のヒーローワールドチャレンジでも活躍中の松山英樹プロはスゴイ!

何がすごいかというと、世界中から集まったトラやライオンなどの猛獣たちを相手に、世界ランク5位(2018年1月現在)にドーンと座っているわけですからね。

世界最高峰のPGAはまさに野獣の住処(すみか)です。

 

それにもまして恐ろしいのは、コースにいるナマナマしい生きたハザードでしょうか。アメリカのコース内の池には、ワニがウヨウヨごく普通に暮らしています。

ワニには獰猛なアリゲーターと比較的温和なクロコダイルと二種類います。

巨大なアリゲーターに出会ったときの反応は2種類にわかれます。

 

写真はプロゴルファーのスマイリー・カウフマン、ワニを発見してビックリする彼は普通の常識人です。

囲みの中の写真は、若手プロで26歳のコディ・グリーブルです。

2017年のアーノルド・パーマー・インビテーショナルで、湖畔でオーランドの燦燦と輝く太陽のもとで寛(くつろ)ぐワニに遭遇した時でした。

彼は町で仲の良い友達にあった時のように、ワニのお尻(尻尾)を軽く叩いたのでギャラリーはビックリ!

 

あとで記者には「怖くはないね、彼を運動させようと思った」だって!

冗談交じりでしょうが肝が据わっています。

 

 

カラスがボールを持ち去ってしまった!

みなさんに、ぜひ一度はプレーしていただきたいゴルフ場というのはたくさんあります。

その中のひとつ、九州の雲仙ゴルフ場の話題です。

長崎県雲仙市、普賢岳に寄り添うように位置し、美しい橘湾を見下ろす風光明媚な場所にあり、景観が素晴らしいのも当然、日本で最初の国立公園に指定されたエリアです。

 

実はこのコース、日本でパブリックコースとしては最古です。

日本で初めてのゴルフ場は六甲山頂にある「神戸ゴルフ倶楽部=1903年5月開場」ですが、こちらの雲仙ゴルフ場は日本で2番目に古い1913年にオープンしています。

標高は神戸より100m低い750m、全長距離は3,200ヤードでパー「39」、神戸に似て100年前の全く重機を入れない、すべて手作りのフェアウェイは、言葉にならないないほど歴史の重さを感じます。

雲仙ゴルフ場の詳細はこちら

 

雲仙ゴルフ場で有名なヒール(悪役)とは?

 

じつはこの雲仙ゴルフ場は9ホールしかありません。

な~んだ!と思われるかもしれませんが、これが実に面白いんですね。ティーグラウンドが各ホール2カ所あって、それぞれ使い分けてアウト・インの18ホールになります。

 

以前1度プレーさせていただいたことがあります。朝早い時間でした。

スタートして2打目地点で、いきなり「バン!バン!」という爆発音が静かなコース中に鳴り響きました。

我々のすぐ後方で、キャディさんが(競技用の)ピストルを炸裂させたのでした。

 

何のマエセツもなかったので、われわれ4人は飛び上がるほど驚きました。ワケを聞けば、カラスが我々のボールを咥えていきそうだったからとのこと。

確かに一日中そうでした。

どのホールも8~10羽のカラスが打ったボールにサッと集まってきます。カラスが名物なんだとか。

カラスが客の荷物を盗むことはあっても、あれほどボール泥棒された経験はありません。

 

ルール上、カラスが持ち去ったボールは無罰でプレースできます。

それにしてもカラスは初体験でしたから、われわれは「きっとキャディマスターが飼っているカラスじゃないか?それを集めてハウスの売店で売ってるんだろう(笑」などと軽口をたたいたものです。

 

その他の動物おもしろルール

その他にも動物にまつわるゴルフのルールは存在します。

自然の中でプレーするゴルフですからね、せっかくだから覚えておきましょう。

 

モグラの穴にホールインワンしたら?

 

ホールインワンじゃなくてもモグラじゃなくても、天然の穴に入れば適用されるルールです。

穴掘り動物や爬虫類・鳥類の足跡については定義上救済措置は受けられないものの、モグラ塚やその穴が障害となる場合「異常なグラウンド状態」の救済措置を受けることができます。

ニアレストポイントの条件・決め方とドロップルールについて簡単に解説

  誰がこんなところに池をつくったのぉ~~! 笑いながらこんなことを叫ぶ人がいました。 まったくですね、バンカーも同じです。大きな木の根本や打てそうもない藪の中など、ゴルフコースには罠がいっぱい仕掛け ...

 

グリーンオンしたボールを狸がカップインしちゃったら?

 

これ、すごく得した気分になりますが、実際にはすごく損した気持ちになるかもしれません。

というのもルール上「局外者がボールを動かしてしまった場合、元ある位置にリプレースする」ということを規定されているからです。

漁夫の利でラッキー!⇒ルールで元ある位置にリプレース…

でも結局は損も得もないんですけどね。

 

ゴルフコースとユニークな動物の話のまとめ

始めにゴルフの一日はちょっとした小旅行のようだという下りがありました。

ゴルフコースに行けば、普段都会では見かけない動物たちに出会えて心が和みます。

 

神奈川県の「鎌倉パブリックゴルフ場 」、富山県の「大山カメリアカントリークラブ 」などでは、コース内に野生のリスが姿を現します。

日本各地のコースにはさすがにワニはいませんが、クマやキツネ、タヌキやハクビシンはよく見かけます。

 

そのほかカモは晩秋から日本に滞在して水辺で遊んでいますし、リス、イタチ、フクロウやカモシカなどの野生の姿を目撃できるでしょう。

人間に慣れているシカなどはフェアウェイ中央から動こうとしないので、思いもよらぬ「シカ越えショット」を強いられる場面に出会うこともあるかもしれません。

 

こんな小さな喜びや感動があるのもゴルフの楽しさです。

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