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ドライバーのギア効果とは?バルジとロールのメカニズムを知って掴まるボールを打とう

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ゴルフは今や「科学を取り入れたスポーツ」として進化しています。

少し前にプロ野球のオールスターで地上波初お披露目になった「トラックマン」は、ボールの初速や弾道角度・スピン量などを調べることのできる優れた機械ですが、もともと軍事用に作られた後、いち早くゴルフ界で使用されています。

 

また、少し前に取り上げた「M-Tracer For Golf」というスマホアプリと連動したスイング改善ガジェットは、自分のスイングをデータとして取り出すことができ、数値的アプローチで改善すべき項目が分かります。

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このように、現代ゴルフでは理想的なスイングまたは打球を手に入れるために、なんとなく人真似をするやり方からしっかりとした根拠を基に練習をしていくスタイルへシフトしてきています。

 

とはいえ、根拠となる数値やデータを見るより以前に、もっと重要なことがあります。

それは「理論を理解すること」です。

 

今回は主にドライバーに関する理論である「ギア効果」を主題として展開していき、またそれに付随される「バルジとロールのメカニズム」を画像つきで解説していきます。

ギア効果の理論が分かれば、「なぜ今のティーショットは曲がってしまったのか」「飛距離を伸ばすために取り組むこと」などが見えてきます。

 

ドライバーの表面はなぜ丸みがあるの?

 

どなたでも一度は疑問に思ったであろう「ドライバーの表面の丸み」

真っすぐ飛ばしたいのになぜフェースが丸いのか?これじゃ曲がって当然なんじゃないか?

と考えてしまいがちです。

 

実はドライバーだけではなく、ウッドクラブやユーティリティクラブの大半にはこの「丸み加工」が施されているのです。

なぜそんなことをするのでしょうか?

 

この丸みがギア効果(Gear effect)を生み出しているわけですが、アイアンには丸みがありませんよね。

過去にパターフェースにその「丸み」をつけた変則物があることはありましたが、すぐに人気がなくなり消えていきました(練習用としてはまだあります)。

 

この丸みには真っすぐ飛ばすための大切な秘密があります。

 

ボールの弾道を決める5大要因

 

ギア効果の説明をする前に、まずは「ボールが飛ぶための要因」を考えてみましょう。

細かい要素を抜きにしてみると、主に以下5つの要因によって弾道が決定します。

  1. スイング軌道
  2. ヘッドスピード
  3. フェースの向き
  4. 打ち出し角度
  5. 風の向きや強さ

この5大要因にプラスして、さらにフェースのどこに当たったのかが重大なポイントになります。

そして、フェースのセンター付近に当たらなかったときに生じるのがギア効果です。

 

バルジ・ロールと慣性モーメント

 

それではギア効果に関するゴルフ用語から学びましょう。

前述したように、ドライバーはフェース部分が盛り上がって曲面になっています。

 

ドライバーを真上から見たときに膨らんで見える部分、つまり左右の丸みのことをバルジ(Buldge)といいます。

横から見た時に膨らんで見える部分、つまり上下の丸みのことをロール(Roll)と呼びます。

 

ついでに基本となる「慣性モーメント(Moment of inertia)」も覚えましょう。

物の回転運動のエネルギーに係わる概念で、物が回転を始める、止めるのに必要な力の量を示す値です。

こちらも後からちょこっと顔を出します。

 

このあと詳細を解説してきますが、簡単にいえばバルジとロールは「自動弾道修正装置」です。

 

ドライバー表面の丸みは、真っすぐ打てなくするためのものではなくプレーヤーのミスを和らげるためのものなのです。

 

バルジの役目は方向性アップ

 

ずっと以前、クラブメーカーがギア効果を説明するために作った、フェースが全く平らなドライバーで試打したことがあります。

これぞ広角打法と言えば良いのか、ミスしている意識はなくても左右まんべんなく散っていくので驚いた経験があります。

 

バルジが果たす一番の役目は「芯を外れた時、ギア効果によって軌道を修正」してくれることにあります。

 

ドライバーで当たり損ねた場合に得られるギア効果を、水平に上から見た場合は以下のようになります。

 

バルジがあるとトゥ側がややオープンフェースになっているため、図のように芯より先でヒットした時はフックが軽減されます。

逆にヒール寄りで当たったボールは瞬間のフェースがクローズになり、スライスを低減させる効果があります。

 

ギア効果という名前の通り、クラブヘッド・ボールがギアの噛み合わせによって反対方向に力が働いている様子を、図から見ることができると思います。

バルジはフックやスライスを中和させ、オートマティックにミスショットの方向性を補正してくれています。

 

 

前述のように平らでバルジのないドライバーは広角打法になり、適度なバルジがあればターゲット方向に集まりやすくなるという訳です。

 

バックスピンの原理とロールの役割

 

今度は縦方向の科学です。

 

ドライバーにかぎってはボールをできるだけ遠くまで飛ばしたいという願いがあります。

 

ボール初速やミート率が同じとした場合、飛距離に関係するのは縦のスピンです。

飛球線に向かって回転していくことをトップスピン・逆回転をバックスピンといいますが、当たり前のようにトップスピンでは飛距離は出ません。

となるとバックスピンをかける必要があるのですが、普通にヒットすれば必然とバックスピンがかかります。

問題なのが「どのくらいのバックスピン量が適正なのか」です。

 

距離を稼ぐためにはこのバックスピン量を限りなく2,000回転に近づける必要があります。

2,000回転はプロ野球のピッチャーが投げるストレートボールクラスです。

この回転が多いほど、野球では「伸びのあるボール」といわれ、メジャーリーグに挑戦している上原浩治投手は2400rpmをこえる回転数を誇ります。

 

ボールが飛ぶときに後方回転するということは、ボールの上側は戻る方向に空気が早く流れ(アクセル現象)、揚力(上に上がろうとする力)が働きます。

下側では逆にボールの回転の動きのため流れにブレーキがかかって空気層の流速が落ちます。

ボートを漕ぐとき、片側のオールを水に入れ一方を漕ぎ続ける動作に似ていますね。

 

そしてこのバックスピン量が多すぎると、上へ吹き上がる力が一層強くなり、結果として最適な飛距離を得ることができなくなってしまいます。

 

ロールの役割は飛距離に直結

ロールもバルジ同様にギア効果が働きます。

ドライバーのフェース下側に当たると低弾道になりやすいハズですが、ギア効果により相殺または低減され、フェース上側に当たれば反対の効果を得ることができます。

 

飛距離を最大限に伸ばすには、これまで解説してきたギア効果を生かしてバックスピンは抑えつつ、揚力とボールが進行方向に進もうとする力をバランスよく引き出さす必要があります。

そのようなことから最近の研究では、(ドライバーでは)打ち出し角10~14度、バックスピン2,200~2,400rpmがベストだということがわかっています。

 

低い打ち出し角でスピン量不足だと軌道の頂点がすぐ来てしまいドロップしてしまいます。

逆に打ち出し角が高過ぎてスピン量過剰のボールは吹き上がるばかりで、頂点から真っ逆さまに落下しランも出ず距離は出ません。

 

そんなことに気づいた近年のドライバーは、左右のギア効果だけでなく先ほど出てきた「ロール(上下の丸み)」の研究が尽くされ、縦のギア効果を上手く利用してスピン量を抑え、高弾道ボールが打てるデザインとなってきています。

 

ロール効果で距離が安定する

より遠くへ飛ばすためには高弾道・低スピンの実現が不可欠ですが、そのためにクラブフェースのスイートスポットを真ん中よりほんの少し上に設定するという考え方があります。

仮にスイートスポットより少し低いところに当たったようなミスヒットも、ロールのギア効果が発揮される限りある程度の高さが確保できるというメリットがあります。

 

そのため重心が深く、シャローフェースの低重心とセットにしたデザインが最新の人気クラブです。

 

このタイプはクラブヘッドの縦方向の慣性モーメントを抑えてバックスピンを減らすギア効果が表れます。

同時に、フェース面積を上部から中心に近いところまで広げる意図もあります。

 

慣性モーメントの基礎知識

先ほどチラッと出てきた物の回転運動のエネルギーである「慣性モーメント」はクラブにどのような働きをもたらしてくれているのでしょうか。

 

以前センターシャフトのパターは初心者向きなのか?という記事を書きましたが、パター以外のクラブはセンターシャフトにすることはルール上違反となります。

つまりドライバーやウッドなどは、シャフトはフェースの付け根に入ります。

したがって、そのホーゼル(ヘッドとシャフトのつなぎのソケット)からボールが当たった位置までの数センチの慣性モーメントは必ず生じます。

つまりシャフトを軸に回転する力が増す=ボールへの衝突エネルギーが増すということです。

 

近年のドライバーのヘッドは大型化の一途を辿っています。

大きくなるということは若干操作性が悪くなるというデメリットもありますが、その分慣性モーメントが大きくなるので、クラブヘッドが大きいほどうまく打てば飛ぶということがあります。

 

飛ぶという点ではヘッドの重心が遠いほどモーメントが大きくなる、重心深度が大きいほど(特にユーティリティ)慣性モーメントが増えるという点で一致しています。

慣性モーメントを大きくすることで様々な安心要素が増え「やさしいクラブ」となるのですね。

このように慣性モーメントとバルジとロールが助け合ってゴルファーの負担を減らしているわけです。

 

芯より少し上が飛ぶ構造のドライバー

以上のように、昔なら高弾道にすると押しなべてスピン量が増えて吹き上がるばかり、その点の改良が近年の飛距離アップにつながってゴルフ界を変貌させています。

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飛距離はミート率(スマッシュファクター)に影響されているものでありますが、初心者の方や100切りが近づいてきた人にとって、どうしたら飛距離が伸びるのかがスコアアップの一つのカギとなってきます。

 

最近のクラブは「最適なスピン量を確保できるのは芯から少し上」という構造になってきています。

研究の結果で数値的には芯から1/2インチ(1.25cm)が最大飛距離だったというものもあります。

 

最近のドライバーは似たような傾向を持っています。

もし飛距離で悩んでいるのなら、少しティーを高くするなどして試し打ちしてみるのが良いですね。

 

ギア効果とバルジ・ロールのまとめ

 

最後に飛ばしのコツが出ましたが、多くの初心者がアッパーブローでドライバーを振り抜くことができていないという点を解説しておきます。

 

ゴルフでは使うクラブが最大14本ありますが、ティアップしてアッパーブローに打つという特殊な打ち方はがなかなか身につかず、最初のうちは仕方ないことです。

ボールをスイングアークの最下点で捉えるといったイメージが最初のうちは強いので、アイアンと同じようなインパクトを迎えてしまい、飛距離をロスしてしまいます。

 

しかし、今回述べたようにギア効果とか慣性モーメントを理解すれば、ドライバーをダウンブローで打っていてはスピン量ばかりが増えて飛ばないことに気づいたと思います。

このようなワンポイントアドバイスを理解して、低重心で重心深度が深いクラブに変え、さらにヘッドとシャフトのマッチングを図って飛躍的に距離が伸びた方はたくさんいます。

そういう意味でも100切りの壁に直面した方は、今回のギア効果のドリルを何度も読み返して自分のものにしてください。

そうすると、ドライバーはなぜティーアップしてボールを浮かすのか?の答えが見えてきます。



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