ゴルフルール・マナー

ゴルフルールが100年に一度の大改定!変更の目的は「時短・競技人口増」

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「ゴルフのルールって、意外と難しいのよね~!?」

「もう少しスピーディにプレーできたら、ゴルフはもっと楽しくなるんだけれど」

 

たまにそんな声を聞くことがあります。

全くおっしゃる通りで、ゴルフのルールは複雑かつ良く意味が分からないものや、無くてもいいんじゃないのという条項が混在しています。

 

それよりも、もっとたくさんの方に楽しく健康的に、生涯ゴルフを続けてもらいたいと願うのは世界中のゴルフファン共通の思いです。

そんな”ファンのコール”がスコットランドまで届いたのかもしれません。

 

あの頑固で融通の利かない(?)、イギリスのセントアンドリュースを本拠地とするロイヤル・アンド・エンシェント・クラブ(R&A)と全米ゴルフ協会(USGA)がついに動きました。

数百年の歴史を考えれば、今回のルール改定(案)は山が動いたに等しいものです。

 

初心者の皆様にとっても朗報となる次期2019年のルール改定を早速取材して整理しましたので、ぜひ参考にしてみてください。

 

ゴルフルールのサプライズ!これほどの大改定は記憶にない!

 

今回の改定に関しゴルフ関係者の耳目を集中させていることには裏があります。

ひとつには、R&Aが大幅な現行ルールの内容変更するのが、4年に一度(オリンピックイヤー)と大体決まっていました。

 

それが今回は1年前倒しにして、2019年1月1日に実施するといい始めたのです。

その1点だけ見ても、過去の慣例を覆すという”緊急性”をインスパイアさせるパンチ力があるからです。

 

もうひとつ、その改定内容が相当ドラスティックになるということです。

「ゴルフの聖地・R&A」異例ともいえる世界中のゴルファーの意見聴取まで実施しました。

なんと通常の改定年より2年も前の2017年3月1日に「提案」として発表したうえで、同年8月31日までの6カ月間にインターネットなどを通じて世界のプロからアマまでのフィードバックを受け入れたのです。

 

R&Aはこんな柔らか頭ではなかっただけに、世界中に散らばっている数億のファンはビックリ!

その時点で”今回に関してはハンパな改定で終わりませんよ”ということを印象付けました。

 

いずれにせよ、これでかなりファン層は拡大される可能性があります。

 

今回の大改定の狙いを端的に表すと、徹底した『スピードアップとゴルフファン層の底辺拡大』です。

その点を念頭にこの記事をお読みいただくとすべてがスッと理解しやすくなります。

今回は新ルール(案)に関して大解剖、要点を抜粋しわかりやすくご紹介しましょう。

 

パッティンググリーン関係の変更点

 

最初はパッティンググリーンに関するものから抜粋します。

 

①ピンに関する改定

ピンを抜かないでパッティングできます。

現行ルールではグリーン上で打ったボールがピンに当たると2ペナルティでしたが、たとえ当たって入っても罰がなくなります。

これはプレー時間の短縮になります。

 

②ボールが動いた時の対応

これまでは(プレーヤーが原因で動いた場合を除き)あるがままにプレー、つまり止まったところから無罰でのプレーでしたが、改定後はグリーン上でボールが動いたときは、理由にかかわらず元の位置から無罰でプレーと変更になります。

 

③グリーン上のダメージ修復について

これまではグリーン上のスパイクマークなどは従来修正不可能という規則でした。

今度の改正でグリーン上のダメージはすべて修復可能になります。

 

④パッティングラインについて

予想されるパッティングラインに触れることは禁止でしたが、上記「グリーン上のダメージ修復の変更」により、これもなくなります。

 

ドロップの方法に関する変更点

 

ドロップの方法も大きく変わります。

 

これまでよくある例では、肩の高さからバンカー内にドロップすると砂にめり込んでしまい、半目玉状態になり本人的には理不尽な感じでしたがこれで避けられます。

 

①「肩の高さから落とす」の文言が消える

落とすときの高さは問われなくなります。

落とすボールが地面に触れなければOKということになるため、今後はバンカーであろうとどこでも救済を受けるときのドロップは地面スレスレで許されるため、「落とす」というより「そっと置く」やり方になるでしょう。

 

②ドロップエリアの基準が明確に

救済を受けてドロップする場合、現在は2クラブレングス以内などとクラブを使った長さが基準になっていますがこれもなくなります。

新ルールでは20インチ(≒50cm)以内とか、80インチ(≒2m)という「エリア」になります。

 

③ドロップ回数制限の変更

ドロップの回数が2回に制限されなくなります。

何回か行ってエリア内に止まらないときはプレースします。

 

ウォーターハザードに関する変更点

 

今回の変更で一番驚いたのは「ハザード」というゴルフ用語が消えてなくなりそうだという点でした。

したがって「ウォーターハザード」はペナルティ・エリアと変更になりそうです。

 

そのエリアはこれまでと指定が変わり、現行で赤線が引いてある木の密集エリアや砂漠(ウエストエリア)、水のない場所、プレーするのが困難な範囲を 「レッド・ペナルティ・エリア」と呼ぶようです。

レッド・ペナルティ・エリアに入ったボールは、アンプレヤブルより有利な、ボールが赤線を横切った所からホールに近づかない 80インチ以内にボールをドロップ(前述)してプレーが続行可能となります。

 

これぞ今回の改定の目玉で、ルールは分かり易くなるばかりかスピードアップになること間違いありません。

 

また、ゴルフ場は必要に応じて「イエロー・ペナルティ・エリア」を設けられます。

ここに入ったボールは、ボールが黄色線を横切った所の後方線上の20インチ以内にボールをドロップできます。

 

バンカーに関する変更点

 

先ほどご紹介した通り、バンカーは”ハザード”の仲間ではなくなる可能性大です。

さらにいくつかの変更点があります。

 

①ルースインペディメントについて

いままで禁止されてきたバンカー内の小石やルースインペディメントを取り除くことが出来るようになります(バンカー内での ソール禁止は変更なし)。

 

②バンカー外へのドロップが可能に

バンカー内のアンプレヤブルの救済は、現行ルールではバンカー内にしかドロップできませんでした。

改定後は2打のペナルティを払えばバンカー外のドロップが許されるようになりました。

後方への後退距離は無制限です。

 

プレーファーストに関する変更点

 

都民ファーストではなく、こちらはスピードプレーに関する変更点です。

 

①レディゴルフの推進

レディは淑女ではなく、”用意できた”という意味のレディです

プレーヤーはすべてスピードプレーに徹しなければならないとして、打順は今までの「遠球先打」の原則を緩め、用意ができた人から状況判断のもとで先に打つことができます。

これなどは改定を待たず、アマチュアが今すぐにでも対応すべきものです。

 

また、自分の打順でボールの近くに行ってから、ショットするまでの時間を最大40秒と決めています。

でもスロープレーの罰則規定は置いていません。

 

②紛失球の捜索時間

ボールの捜索時間は5分となっていましたが、改定後は探し始めてから3分以内になります。

見つからないボールは潔く諦めよということで、スピードアップになるでしょう。

 

その他のルール変更点

 

その他の変更点についても記載しておきます。

アマチュアプレーヤーで大会などには出ない方には直接関係ない条項も出てきますが、こういった内容を知っておくことでゴルフツアーのTV中継をより深く楽しむことができるでしょう。

 

①故意ではないボールの移動

ラフや林の中などでボールを探しているときに「明らかに故意に動かしたケース」以外は罰がつかなくなります。

これに関しては2017年1月のダスティン・ジョンソン事件以来、現行でも無罰になっています。

 

②キャディのアライメント補助禁止

皆さんテレビのゴルフ中継で、イヤというほど目にしている光景があります。

プレーヤーのアライメント(プレーのラインの方向)確認のため、キャディさんが後ろに立って手助けをする行為がありますが、これこそおよそプロらしくないし無駄な時間がかかるので禁止になります。

 

③サイモンメモも禁止か?

現段階では2017年8月末で締め切った世界中のゴルファーからの反応次第ということになりますが、こちらも時間短縮のために禁止される可能性が高くなってきました。

サイモンメモとはプロや上級者がプレー中につかうメモのようなヤードエージブックのことで田中秀道プロのキャディをしていたサイモン・クラークが考案しました。

 

コース攻略の情報を再確認をするために使われますが、使用禁止になるかどうかいまは五分五分の状況です。

 

④マキシム・スコアの推奨

こちらはルールで縛るわけではありませんが、ストローク・プレー競技においてはマキシマム・スコア(ギブアップ)を使うべしというものです。

マキシムとはパー4で「8以上(ネットダブルパー)」などもひとつの例です。

その打数に達したホールはそこでプレー終了となります。

 

ルール大改定のまとめ

 

今回記事にした内容以外にも細かいところまでいくつか出てきそうですが、現時点で一般のゴルファーに関しての変更点はこの記事に要約されています。

 

ゴルフにはどうも首をひねりたくなるようなルールや、知らずに違反をしてしまいそうなルールがたくさんあります。

例えば次回の改定では、距離測定器の使用は大幅に緩和されそうだとか、ボールのマークはキャディが許可なしにやったりリプレースしたりできるなどなど続々と出てきます。

 

よくわからないルールを解消し、初心者に対してもシンプルに分かり易くすること、あるいは簡素化によるプレー時間短縮を図ればゴルフがより身近なスポーツになります。

言葉だけでは語り切れないほど奥深いゴルフ、今回の大改定はファンの人口増加につながることが大いに期待されます。

 

追記事項)

まだ決定事項ではありませんが、更に具体的にルール改正が明文化されました。

その中には「えっ?」と驚くような変更もあり、ゴルフの本来あるべき姿を揺るがすような事態に向かっているような気がしてなりません。

詳しくはこちらをお読みください。

ゴルフ2019年ルール大改定で大混乱に?バンカーは2打罰で救済?ポイントと問題点を徹底解説

2019年1月1日に改定されるゴルフルールの全容が明らかにされつつあります。まだ決定事項ではないでしょうが、その中には変更して当然というものから「え?それはマズいんじゃないの?」という変更点まであります。「改定後はゴルフコースからバンカーが消えてなくなる?」「グリーンではキャディの足に当たってカップインしてもOK?」プレー時間短縮と競技人口増を掲げた今回の改正案、どうやら雲行きは不安なようです。

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