みなさまは「エージシュート」をご存知ですか?
一般的には18ホールをプレーヤーの年齢以下のスコアで回ると、見事エージシュート達成!ということになります。
でもエージシュートって、60代以上の年齢でないとなかなか難しいんじゃない?
こんな疑問を持ちもっとお気楽に遊べないかと、柔らか頭でシャレ好みのゴルファーの間で最近流行しているのが「エージシュートゲーム」です。
気のおけない仲間が集まると、盛んにこのゲームに没頭しているんだと聞いては詳しく知りたくなりますよね。
今回は30代~50代の方たちの間でもゴルフの楽しみ方の幅がぐっと広がる「エージシュートゲーム」のやり方と、日本や世界でのエージシューター記録についてのお話です。
若い世代でも楽しめるエージシュートゲーム
オリンピックに登場するスポーツの中で、アマチュアが高齢でも楽しめるのはテニス、馬術、ゴルフなどでしょうか。
しかし、ゴルフだけはハンデやコースの距離を変えると年齢差が消えて、だれでも同等に競い合えるという特徴があります。
生涯楽しめるからこそ生まれた言葉であるエージシュート、ある意味ゴルフの魅力の詰まった言葉です。
実は正規のエージシュートの定義は、公認性があるようなないようなところがあります。
そもそもエージシュートはそんな厳格なものではないからです。
それだけにゴルフは規則ばかりに縛られていたらちっとも楽しくないよ~、と考える方がいても不思議ではありません。
なので若い方々も童心に帰ってゴルフをトコトン楽しむ、さらにオリジナルなアイディアで遊ぶなんて自然の成り行きです。
エージシュートゲームの遊び方
エージシュートゲームは一種のベット(ニギリ)です。
賭けに関する解釈は、日本と英国などで大きな違いがあります。
日本の法律では『現金を賭けた場合はすべて賭博罪』に該当します。
しかし賭博罪例外規定には「即時娯楽のため消費するようなもの」、つまり1回分の食事代とか、タバコとか、少額の支払いにあてる現金などが許されています。
そこで発案されたのが「エージシュートゲーム」
18ホールあるうち、年代に応じて幾つかのホールをユニットとします。
- 50代なら2分割で1~9、10~18番など
- 30~40代なら3分割で1~6、7~12、13~18番など
たとえば
55歳の方がOUTで53を出したら見事エージシュート!
38歳の方が1~6番で35を出してもエージシュート!
といった感じです。
コンペで前半ホールよりも後半が良ければ「大波賞」なんてのもあったりしますが、スコアがボロボロでもどこかでキラリと光るプレーができれば賞品がゲットできるチャンスがあり、最後までハラハラしてプレーができます。
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エージシュートのルールってあるの?
ちょっと真面目にというと変ですが、豆知識としてエージシュートの一般的概念をご紹介しましょう。
プロの試合ではともかく、基本的にアマの公認記録といっても、だれがどんな規定をもって認知したり記録に対する権威を持たせるかはあいまいです。
①公認するのはコースの総距離が6,000ヤード以上(女性は5200ヤード以上)でないとダメとかいわれますが、現実的にはかなりテキトーです。
②年齢も満年齢だという方が多いのですが、お隣の韓国では通常が数え年ですからそれもOKです。
③18ホールあってもパーの数がいくつ以上とかなどあまり関係なく、距離を満たしていれば良しとしています。
「日本エージシュート協会」という一般社団法人はあるものの、エージシュートの記録の定義や公認条件などを明示していません。
過去のエージシュートの記録は?
過去、どんな人がいつ達成したかの記録は興味深いものです。
そんな世界の資料から眺めてみましょう。
1916年に創立されたPGAツアーでは、1979年に当時67歳のサム・スニードが「67」でその快挙を初達成しています。
彼はその2日後の試合でも「66」をたたき出し、3日で2回のエージシュートを果たしました。
別の数字ですが、スニードの打ち立てた”PGAツアー通算82勝”を超えた人はいまだに現れていません。
アーノルド・パーマーのエージシュートも有名で、71歳だった2001年のボブ・ホープ・クライスラー・クラシックで「71」を出し話題になりました。
日本人有名プロのエージシュート
2017年からJGTOの会長職についている青木功さん(74歳)は、この年のザ・レジェンドチャリティ・プロアマトーナメントの大会最終日に「71」をマークしました。
9回目を数える大会にこれまで8回出場している青木さんは、ここだけでエージシュートを4回達成しています。
2013年、ツアー通算94勝のジャンボ尾崎(当時66歳)さんは「つるやオープン」の初日に1イーグル、9バーディ、2ボギーの「62」を記録しました。
男子レギュラーツアーでは史上初でしたね。
日本人でアメリカのメジャーで優勝したプロはいないと誤解されていますが、実は樋口久子さんは男女通じて初のアジア人メジャー優勝者です。
当時の登録名はChaco、1977年の全米女子プロゴルフ選手権でビッグトロフィーを手にしました。
その彼女も2014年、68歳の時「65」の記録を達成、初の体験だったそうです。
エージシュート、世界の記録はスゴイ!
記録を世界に広げるといろいろ驚愕に値するものがあります。
最高齢では103歳のアーサー・トンプソンが1972年に、最若年ではともに59歳だったふたりが1975年と2015年に、59と57を出した記録があります。
前者はボブ・ハミルトン、後者はパトリック・ウイルス(アマですがハンデ+4)です。
英語版の記録を読んでビックリ、ウイルスはこの日にパー3のホールインワンと、ミドルホールのアルバトロス(つまりホールインワン)が2回あったそうです。
最多回数となると様々です。
かつて沖縄タイムスに2017年7月に報じられた阪井秀和さんは81歳でなんとエージシュート、123回。
さらに回数を重ねているかもしれません。
上には上がいるもの、2013年にエージシュート1,000回達成の植杉乾蔵さんが、宮崎のシーガイヤで記念パーティを開いています。
全国からエージシューター55名参加、その後2015年に1,300回を超えたときのテレビ番組は拝見しましたが、いまはさらに増やしているかもしれませんね。
エージシュートのまとめ
世界の最多エージシュート回数は想像を絶する3,359回と聞いて、驚くよりあきれてしまいました。
エディソン・スミスさんは68歳から95歳までの間に、これだけの回数を重ねたんですね。
ゴルフを趣味にして長く楽しんでいる多くの方には3つの「夢」があります。
生涯に一度でもいいから達成したいこと、それが「ホールインワン」、「アルバトロス」、「エージシュート」です。
前者のふたつは偶発的なもので、運にも左右されるだけに達成率が低くなります。
しかし、切磋琢磨することでもっとも確率が高いのはエージシュートでしょうか。
以前、100歳になった塩谷信男先生の「お誕生日記念コンペ(参加100名=東名カントリー)」に参加させていただいた経験があります。
もちろん先生も参加し、ドライバーは120ヤードを超えていました。
そういえば先生もエージシュートを5回達成された経験をお持ちでした。
あの時ほど、80代でも90代でもゴルフができる喜び、これぞ真の「元気の証」であることを感じた日はありませんでした。