ティーを立てないで、芝生の上から一番飛ばせるクラブといえばフェアウェイウッドです。
パー5でドライバーはまずまず、セカンドで芯を喰ったフェアウェイウッドの手ごたえ十分!イメージ通りグリーンの花道まで運んだときは、アプローチがワクワクになりますよね。
そんな気分にさせてくれるフェアウェイウッド、年々進化が止まりません。
そんな中、テーラーメイドは2018年に最新テクノロジーを搭載した”M3(エムスリー)”と”M4(エムフォー)”をリリースしました。
いまやあちらのコースでもこっちのコースでもM3-M4の話題に集中!
ツアープロたちからのフィードバックを取り入れて完成したM3、M4が、どこまですごいのか迫ってみました。
M3・M4が人気沸騰の秘密
ゴルフコースは、ほかのスポーツにはない広大なフィールドが競技場です。大技・小技を巧みに駆使して、初めて納得ができるスコアメイクができます。
フィールドが広いのでどうしても距離は欲しくなります。
アイアンは得意だけれど、どうもフェアウェイウッドで飛ばせないんだよね~、とおっしゃる方は攻め方が制限されて苦しくなります。
やはり飛ばせるテクニックはアドバンテージになり、フェアウェイウッドで200ヤード以上打てないと決定的なハンデになります。
今回ご紹介するテーラーメードのM3、M4はアマチュア、それも距離を求める初心者からアベレージゴルファーでもやさしく距離が出せるというのが大方の評価です。
距離だけではない直進性がウリ
テーラーメードの新製品、M3/M4は距離だけではなく真っすぐ飛ばせるというコンセプトに沿って完成されたフェアウェイウッドです。
以前からあるM1の後継がM3、M2の後継モデルがM4という流れです。
プロの間でもかなりの人気ぶりで、契約プロもダスティン・ジョンソン、ローリー・マキロイ、ジャスティン・ローズ、ジェイソン・デイ、ジョン・ラーム、タイガー・ウッズに最近は松山英樹プロまでバッグに入れ始めました。
今回ご紹介するフェアウェイウッドのほかにも、ドライバーM3(体積別の2タイプ)、とM4の1タイプがあり、ユーティリティやアイアンもラインナップされています。
メーカー新作というと通常2年に1度というペースがよくあるパターンですが、テーラーメードのモデルチェンジは毎年新商品を送り出すスピードに熱意を感じますね。
試打レポート
今回はM3、M4フェアウェイウッドを比較しながらの試打レポートです。
先ほどちょっと触れましたが、以前のM2ドライバーからM4はガラリと大変身という印象もありましたが、フェアウェイウッドはどうかな?という感じで試打してみました。
パッと見はドライバーほどの外見的形状変化はないようです。
でもクラウンのフェース側が白から銀色に変わったので、ギュッと引き締まった精悍な感じになりました。
M2はトゥ側のソール形状が一風変わった「ジオコースティック・デザイン」でした。M4になってソール後部の赤い部分が「ジオコースティック・デザイン」に入れ替わっています。
一番気になるフェースはM2時代と比べてもメジャーチェンジまではいかない印象ですが、カーボンファイバー製のクラウンとソールエリアを備えたステンレススチールボディは落ち着きがでました。
フェース高さからいえば、一般的にいうディープともシャローとも言えない優等生タイプになっています。
M3の試打感想
M3には調節可能なスライディングウェイトとロフト調整スリーブがあります。
トルクレンチ1本あれば、あなた好みの弾道設定に近づけることもできます。細かく段階的に18度から20度の範囲で変えられる仕組みです。
M3のフェアウェイウッドはヘッドが小ぶりです。なので操作性の良さは十分です。初心者の方もすこし練習すれば、ボールをクリーンに打てるんではなかろうかと感じました。
このヘッド体積ならライが悪くても、多少の深さのラフでもいままでユーティリティに頼っていた場所でも使えるメリットがあります。いかにもスッと抜けそうな感じがするせいでしょう。
抜けそうな感じは出っ歯型も関係しています。
FP値(フェースプログレッション)という、フェースが前に押し出されているサイズが大き目なんですね。
これがユーティリティを連想させて、いかにもボールに直接コンタクトしやすい構造だと感じさせます。
M4の試打感想
M4フェアウェイウッドにはM3のような調整機能はついていません。
でも松山英樹、ダスティン・ジョンソンはM4フェアウェイウッドのほうが気に入って使用していると聞きました。
M4フェアウェイウッドには、ヘッド内部のトウ側とヒール側に大型の「スプリット・ウエイトパッド(重量配分機能)」が装着されています。
その装置が以前のM2からみて、慣性モーメントを大きく向上させました。
ソール側の貫通型スピードポケットがあることで、スピン量を抑えられたことから高初速、広いスイートエリアが実現しました。
先ほど触れた「ジオコースティックデザイン」が心地よい打感・打音を感じさせてくれます。
シャフトがフジクラ・アトモスレッドシャフトの標準モデルと、三菱レーヨン テンセイ・ブルー(ツアーモデル)でどちらもラムキンのグリップです。
試打に使ったM4フェアウェイウッドのシャフトはFUBUKI-TM5で中調子でした。はじめて持った時は、ちょっとヘッドが軽すぎないかなぁという気もしました。
しかしM3フェアウェイウッドと比べると、あえて掴まえにいってもチーピンなどのひっかりを気にせず振り抜けるなという印象があります。
ボールが上げやすくアベレージゴルファーにはM4のほうがやさしく扱えそうです。以前のM2よりライ角が2度アップライトになっていることの影響がでています。
結局、重心深度が深くボールの高さが出て、スピンがあまり増えていかない弾道になる傾向があります。
M3とM4の比較
M4の3番フェアウェイウッドはロフトが15度、5番は18度(M3の5番ウッドはロフト19度)、さらに7番がありロフトは23度となっています。
ライ角の度数はそれぞれ60、60.5、61度です。
フレックスもR、SR、SでバランスはD2.5~D3.5までの組み合わせで、キックポイントは中調子に合わせてあります。
M3には7番がありません。ライ角は3番で58.5度、5番が59度です。
ついでですが、M3もM4もユーティリティがあります。ただテーラーメイドは昔からユーティリティーを「レスキュー」と呼んでいます。
M4レスキューにはM3にない28度の6番があります。
M3・M4フェアウェイウッドの試打レポートまとめ
M3、M4を比較して試打したまとめとしては、非常に優秀なフェアウェイウッドだと感じ取りました。
双方の特徴もかなり明確です。
M3は操作性重視タイプで、ボールコントロール主体で攻める方に向いています。調整機能があるのは強みですね。
ただし普段から掴まりすぎ傾向の方は、返って難しくなる可能性があります。
M4は直進性に勝る性質を持っています。距離は出るけれど曲がりが強いことでお悩みならM4です。
操作自体はやさしくなっているので、ティーグラウンドからグリーンまでを安全性を優先して攻めたいならM4のほうがいいかもしれませんね。