「こないだようやく100を切ったよ~!」
なんて会話を聞くと、聞いているこちらも嬉しくなります。
初心者から中級者へ進む途中で必ずやってくる「100の壁」
それくらいゴルフの100切りというのは難しいということでしょう。
本来なら一般的なコースのパープレイの「72」に、公式ハンデの上限「36」を加えたものである「108」が壁として認識されても良いのでは?
と考えることがありますが、やはりキリ番である「100」という数字には何か惹きこまれるものがありますし、ゴルフをやり始めたのならぜひ目指したい数字でもあります。
でも、どうしたら初心者が100の壁を突破できるのでしょうか。
実は「100を切る」という行為自体はそこまで難しいことではなく、練習場である程度スンナリ打てる方なら「考え方ひとつ」で100の壁を簡単に突破することができます。
今回はその考え方をつくるための練習、正しい「ゴルフ脳」を鍛えるためのメソッドをお伝えしてまいります。
「ゴルフ」という習いごとには、正しい上達の順序が必須
ゴルフは生涯楽しめる趣味であると同時に、一種の習いごとです。
なので他にもたくさんある英会話、習字、お花や茶道、ピアノに各種スポーツと共通点がたくさんあります。
共通という点ではゴルフは「ダンス」によく似ているところがあります。
ダンスには「振り付け」がありますが、ゴルフにも「振り方」、良い「ポーズ」も良い「間」もあって似ている点がたくさんあります。
ゴルフが上達するには
- 正しい知識を知っているかどうか
- 体が覚えるまでの反復練習
- 経験の積み重ね
この3点セットが重要です。
逆に、100切りが難しくなる覚え方はこの逆になります。
誤った知識は体に悪いクセをつけてしまうので、これは10年前床に貼ったガムテープのように、後から剥がすのは多大な労力と時間がかかります。
それでは100切りのための必須条件を学びましょう。
ゴルフは基本の知識と現場での対応能力
ゴルフが他の習いごとやスポーツと一線を画す部分はどこでしょうか?
まず、体力、年齢、性別、運動神経が他の趣味やスポーツほど強く影響しないところです。
それはゴルフが「教養と知識と経験」を主体にしているからかもしれません。
ゴルフが上達するようになるには、ボールの置かれたシチュエーション、つまりライ・残り距離・風向き・使うクラブのチョイス・障害を避けるための観察力と判断力が必要です。
これらの蓄積した教養と積み重ねた練習と過去の経験則で瞬時にして乗り越え、一打でも少ない数でホールを乗り越えていかないと100切りは難しくなります。
事あるごとに判断を誤ってのマネージメントでは上達しませんね。
その根底にあるのが正しい知識です。
テクニックという引き出しを数多く持つのも、現場対応とスイングの基本の応用が大切になります。
ひとつひとつこれらの難問を解いてい行くことにしましょう。
ゴルフは習うより慣れろではダメ
バブル期には練習ゼロでいきなりコースデビューという方がいました。
「いました」どころか、それが普通といってもい言い過ぎにならないほどでしたね。
朝イチのティーグラウンド、自分の順番が来たらおもむろにドライバーの包装を解いて2~3回素振りをします。
ウン、これでいいかなという感じでボールを叩いて2打目地点に進んでいくという、今では全く考えられない光景がありました。
ゴルフがうまくなるには、最初にある程度時間がかかるものです。
習うより慣れろの精神でコースデビューしてしまうと大変なことになってしまいます。
自転車に乗るのを覚えるときって「まず乗ってみよう」から始めることが多いと思いますが、ことゴルフに関しては基本をしっかりと覚えてからでないと、後からの修正が非常に労力がかかってしまいます。
反対にゴルフ全般の正しい知識、練習の仕方、上手なラウンドのやり方がわかればグングン上達するものです。
100を切る前にやるべき4つのこと
それでは100を切るために実践してもらいたい4つのことを書いていきます。
パー3コースは初心者を育てる最も有効な手段
コースデビューする前にたっぷり打ち込みましょう。
できればパー3コース、いわゆるショートコースを最低でも数回ラウンドすることをおススメします。
パー3コースのホールは100ヤード以下が大半です。
使うクラブもアイアン、それにウェッジとパターで十分、プレー時間も本格的なコースの20~30%でフィニッシュできます。
それに通常コースは最低2人から回るのに対し、ショートコースは1人でもラウンドすることができるので練習にはうってつけです。
そもそもゴルフのスコアは100ヤード以内で60~70%が作られます。
アプローチとパッティングがうまいだけでも100切りは容易に達成できます。
長いクラブ、つまりドライバーやフェアウエイウッドは打ちっぱなしで練習すればいくらでもうまくなります。
むしろショートアイアンの打ち方を覚えると長いクラブのコツも会得できますので、積極的にパー3コースに出かけることを強くおススメします。
練習場で効果が出る上手な打ち方
次に練習場で注意すべきところについて説明します。
典型的な失敗例としては、基礎知識なしでショット自体を他人のフォームの見よう見まねで覚えてしまったタイプです。
運動神経が良い方に多い例で、プロのスイングの形態模写から入るとこのケースが生まれます。
スイングには基礎的な知識が必要で、最初は他人のフォームの見た目ではなく基礎を練習に持ち込む考え方が大事です。
よく打ちっぱなし練習場などで見る光景に、やたらポンポンと絶え間なく打つ方がいます。
今の練習場は自動でティーアップしてくれますからね。
確かに考えすぎるのも良くないのですが、そのリズムで打ってしまうのも考え物です。
意味もなく球数を増やすことより、1打打つたびに打球の結果を見定めて分析しつつ次にトライするほうが効果的です。
右に曲がったら、左に曲がったら、あるいはボールがイメージの距離に飛ばない時は必ず原因がありますから、次のボールに生かさなければ意味がありません。
練習場で活躍するのが「M-Tracer For Golf」などのスイング解析アプリです。
自分のスイングは自分では見えませんが、M-Tracerを使用すればスマホでスイングチェックをすることができ、またスイング軌道やヘッドスピード・その他スイング改善に必要な数値項目を確認することができます。
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ゴルフスイングが3Dで可視化できる夢のゴルフトレーナー「M-Tracer」
これを使えば自分のスイングはどこが悪いかすぐに分かります。
また、良く言われている「力いっぱい振ると飛ばない」ということも、M-Tracerを使えば数値で解説してくれます。
ミート率を上げることと得意クラブを作るのが早道
練習でのポイントはさらにもう2つあります。
それは「正確性を増すこと・得意クラブをつくること」です。
距離より正確にフェースの芯を捉える練習
ゴルフは何をどう語っても、フェースのスイートスポットを外したら全部NGです。
初心者のミスの99%がそこにあるといってもいいでしょう。
打ちっぱなし練習場はネットで囲まれているので安心感があります。
ドライバーを持つと飛ばすだけ飛ばしたい、自分の飛距離の限界を知りたいという心理から明らかに力みが入ります。
しかし、ゴルフは正確性・機械化された再現性あるスイングこそ上達の秘訣だという脳に切り替えたほうが早く上手くなります。
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ざっくりと「芯に当てた確率?」とご理解されている方も多いかと思います。結論的にはそうなりますが、実際には計算によって求められるものです。
今回は「ミート率の良し悪しが打球にどのような影響を与えているのか」「どのようにすればミート率が改善されていくのか」を解説していきます。
得意クラブを作る練習
ほかはともかく、このクラブならほぼ確実にいいショットが打てるというクラブを1本(あるいは2本)持っていると100切りの強力な武器になります。
例えばアプローチウェッジでも9番アイアンでも、このクラブならほぼ10ヤード刻みでターゲットが狙えるという自信を持ったらゴルフ脳の働きは一気に活性化します。
得意クラブがあれば3本(プラスパター)だけでも簡単に100切りを達成することができます。
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④メンタルを鍛えるゴルフ脳
昔からゴルフには「スリーC」という考え方があります。
- Concentration(集中)
- Confidence(自信)
- Control(自制)
それぞれに「力」という一文字を加えるとわかりやすいかもしれません。
コントロールが心のコントロールばかりでなくボールにも繋がっています。
練習場でできないものをコースでやろうというのはムリがあります。
1球1球を大事にし、雑念を捨て去る集中力が身につく練習をしないと、せっかくの球数も栄養にはなりません。
いつもコースを想定した練習を心がけると間違いなく腕が上がります。
初心者が100を切るためのゴルフ脳のまとめ
これまでは「100を切るための考え方や練習方法」について解説してきました。
十分練習を積み、ルールもマナーにも自信がついたらいよいよコースです。
最後に100を切るための大事なアドバイスです。
最初は「ダボペース」を自分のパープレーに決めましょう。
18ホールすべてがダブルボギーなら108になります。
スコアカードにはダボなら「0」・トリプルなら「+1」・パーなら「ー2」と書くと、人間は不思議なもので、とても良いスコアで回っているという感覚が生まれ、自信に繋がります。
最近はスコアを入力するだけで分析してくれるスマホアプリなども登場していますので、活用してみると良いでしょう。
これも大事な「ゴルフ脳」なのです。
ダボを意識して練習すれば、100切りの道は短いものになります。