中級ゴルファーへのひとつの壁である「スコア100切り」
ある程度練習とラウンドを繰り返せば自然と110〜120あたりまではスコアを伸ばすことは可能ですが、なぜか100を切ることができない。
ゴルフ雑誌やゴルフ中継を見て勉強したり、週末には必ず打ちっ放し練習場に行くけど、やっぱり100が切れない。
そんな方々にはある「共通する理由」があります。
全ての方に当てはまるわけではありませんが、心当たりのある方は是非読み進めてみてください。
原因の解決策もご提示しています。
「〜しなければ」と考え過ぎ
ゴルフを始めたばかりの頃は「打つのが楽しくて」ポンポンとショットする方が多いですが、ラウンドを重ねるたびにそのスピードがどんどんと落ちていきます。
大きな理由は「ミスしたらどうしよう」という怖さから来ています。
「右に池があって左にOB杭があるから真っすぐ打たなければ」
「目の前にバンカーがあるからそれを越えなければ」
と知らずのうちに自分にプレッシャーをかけてしまっています。
ゴルフスイングはメンタルに大きく左右されますので、「失敗するかも」といったネガティブな考えでショットをしても、体が縮こまるだけでますますミスを誘発してしまいます。
また、人の脳は否定するのが苦手という記事でも書きましたが、目の前にある池に入れちゃいけない!と思えば思うほどその情景が脳裏に浮かび、放たれたボールは吸い込まれるように池の方向へ飛んで行ってしまいます。
改善するためには「ショット前のルーティン」を取り入れると良いです。
- 2〜3回芝生に触れる程度の素振り
- ボール後方から飛球線をイメージ
- スパット(目印)を見つけフェースを合わせる
など、自分で決めたルーティンを「練習時から取り入れる」と効果的です。
-
スイング前のルーティンがナイスショットを再現させる/スイングリズムをキープするために行う4つの動作
ミスショットを少なくするには「いつも同じスイング」を再現できる能力が必要ですが、そのためにはしっかりとしたルーティンワークが欠かせません。
今回はおススメのルーティンとスイングの再現性を高める方法を解説していきます。
ルーティンによる効果は脳科学でも証明されていて「良い時の動作をすることで脳をだます」ことができます。
「〜しなければ」というネガティブなイメージを払拭して、リラックスしてアドレスに入ることができます。
前進4打という誘惑に負けている
最近は、OBした時の打ち直し時間を短縮するため「前進4打」というローカルルールを設けているゴルフ場が多くなってきました。
「OBしたら250ヤード付近からショットしてくださいね、ただし4打目からスタートです」
という意味です。
このルールによって救われているゴルファーも多いでしょうが、250ヤード(ホールやコースによって距離は違います)ということは「125ヤードを2打で進んだとしてもまだ1打お得」ということです。
250ヤードを飛ばしたいがあまりこの代償を支払いすぎているゴルファーは非常に多いです。
仮にドライバーが50%の確率でOBを出してしまうのなら、平均飛距離は125ヤードということになります(ドライバーが250ヤード飛ぶと仮定)。
つまりドライバーは8番や9番アイアンと同じレベルと考えることができ、非常に勿体無いティーショットをしていることになります。
これが「80%の確率で170ヤード飛ぶクラブ」を使っていたらどうなるでしょう?
残り20%はOBという厳しい仮定をしても平均は133ヤードとなります。
「もし失敗しても前進4打があるから大丈夫!」と考えてしまっているうちは100切りを達成するのは難しいでしょう。
-
OBしないためのティーグラウンド対策「ティの位置・クラブ選択・フェアウェイを広く使う」
コースマネージメントはコースの最中だけでなく、すでにティーグラウンドから始まっています。
コース設計者の罠に引っ掛からないよう、ティーグラウンドの錯覚を見破ることから始めます。
チェック項目が多すぎる
先ほど「〜しなければ」という考え方がスコアアップを阻害していると解説しましたが、これと同じように「チェック項目」が多すぎる方も問題です。
一生懸命練習した結果見つけたスイングの問題点をチェック項目に落とし込んでいるのでしょうが、毎回確認しているようではスイングリズムが悪くなり逆効果です。
また考えることが多くなればなるほど「ボールを見ていない」「打ち出す方向がずれている」など、大事な部分が抜け落ちてしまいます。
これまで多くのゴルファーとラウンドをしてきましたが、アドレスに入ってから10秒以上もじもじとしている方は総じてミスショットの確率が高くなっています。
チェック項目は多くても3つほどに留めておき、しっかりと飛球線をイメージしながらショットするようにしましょう。
無理をして大叩きしてしまう
つま先上がりや左足下がりなどのショットはただでさえ難しく、ましてや林の中などに飛び込んだボールをピン方向にナイスショットするのはプロゴルファーでも困難です。
-
つま先上がり・下がりのショットが簡単になる打ち方のコツとテクニック
あなたはつま先上がり、つま先下がりで困ったことはありませんか? ゴルフ練習場ではキレイなショットを打つことができても、実際のゴルフコースでは完全にフラットな場所でスタンスが取れることはまずなく ...
-
左足上がり・下がりの傾斜地でのダフリやトップを防止するには?傾斜地で思い通りの弾道を出す方法も解説
練習場ではナイスショットを打てるのに、実戦ではトップしたりダフったり…
そんな方はゴルフ場の傾斜をあまり気にしないでショットしているのかも。
今回は左足上がり・下がりの傾斜を克服するためのスイングメソッドと傾斜地対策について解説していきます。
でも「ミスを取り返す」ために無謀なショットにチャレンジする方がいますが、うまくいく確率は自ずと低くなります。
「開けた場所の方が広いのにボールが木に当たる」のはゴルファーあるあるですが、ギャンブルショットが成功する確率は限りなく低いと考え、「犯したミスは取り返せない」と横に出すのが正解です。
過ちを素直に認める強さがスコアアップの秘訣でもあります。
パッティングの練習をしない
ゴルフスコアのおよそ40%がグリーン上でのパッティングです。
最近ではアプローチでもパターを使う方が増えてきましたので、プレーヤーによってはスコアの半分がパターという方もおいででしょう。
そんな重要なクラブなのに「パターの練習はラウンド前の練習グリーンだけ」という方が多いのが現実です。
ドライバーは実際のコースでは使っても16回なのに、100球とか200球練習するのという矛盾が100切りを阻害している大きな要因です。
この後ご説明する「アプローチ」とパッティングだけしっかりと練習するだけで100切りは簡単にクリアできます。
アプローチはロブショットばかり
パー5で残り50ヤード地点までなんと2打!
寄せワンでバーディーと意気込んでアプローチをしたらクラブが芝生に突き刺さり、ボールが進んだのはほんの50cm。
この時「フワリと上げてワンバウンドでボールがピンそばに止まる」ようなショットをイメージしていませんか?
プロゴルファーがいとも簡単にやってのけるロブショットは「確率の低いショット」です。
ボールの下側にしっかりとリーディングエッジを当てる必要がありますが、少しでも当てる場所を間違えるとダフったりトップしたりしてしまいます。
また、ロブショットはカップに「点」で向かうのでカップに入る確率やピンに当たる確率も低くなります。
反対に確率の高いショットとは「転がるボールを打つ」ことです。
直径4cmほどのボールに当たりさえすれば良いので確実にカップに近づけることができ、初めからトップ気味に打つことでダフることもなくなります。
-
【初心者おすすめ】寄せが簡単になるランニングアプローチのコツと距離感の出し方
「寄せワン」という耳障りの良いゴルフ用語があります。 残り30ヤードからピタッとピンに近づけて、涼しい顔してワンパットなんて気持ちがいいに決まっています。 その寄せワン率がダントツに高いのが「 ...
我流スイングに頼りすぎている
ゴルフスイングは十人十色と言われますが、それでも抑えるべき基本は変わりません。
プロゴルファーなどのスイングを自分自身で分析して真似るのも楽しいですが、それでスコアが上がらないのであれば、何か基本が間違っているのかも。
でも自分のスイングは自分で見るのは難しいです。
一番良いのは近くのゴルフ練習場と契約しているレッスンプロの教えを請うことですが、安くはないレッスン料と毎週のように通うことがネックになっている方もいるかもしれません。
「M-Tracer For Golf」というスイング解析アプリを使えば、スマホで自分のスイングを分析することができ、何が足りないのかを客観的に確認することができます。
-
理想のスイングの手が入る「M-Tracer」とは?力を抜くと飛ぶことが数値で分かる!使い方と解析・改善方法
ゴルフスイングが3Dで可視化できる夢のゴルフトレーナー「M-Tracer」
これを使えば自分のスイングはどこが悪いかすぐに分かります。
また、良く言われている「力いっぱい振ると飛ばない」ということも、M-Tracerを使えば数値で解説してくれます。
100切りを達成できない人の7つの理由まとめ
スコア100切りにかかる期間は人それぞれですが、概ね4〜5年はかかると言われています。
この期間も「毎週のように練習場に行き月に1回程度はコースに出て」ようやくといった具合です。
「え?そんなにかかるの?」と思われた方もいるかもしれませんし「確かにそのくらいかかるかも」と思われる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、それはゴルフに対し普通に取り組むからで、上記7つの理由とその対策を知っていれば4〜5年もかかることなく100切りは可能です。
特にパッティングを含めた残り100ヤード以内の攻め方が重要になってきますので、ショートコースなどに積極的に出て練習を繰り返すようにしましょう。