日本人で最初にゴルフクラブを振ったのは坂本龍馬だという、事実なら楽しいのですがちょっと怪しげな珍説があります。
確かに国内最古のゴルフコースを作ったアーサー・グルームのボスは、龍馬と親交があったゴルフ好きのグラバーです。
相互に太いパイプがあり、時代的な接点があって少しも不思議ではないためおおいに考えられます。
もし事実なら、龍馬さんもナイスショットには「ワンダホ~~!」などといったかもしれません。
柔道は日本生まれですから「Ippon」「Mate」「Shidou」などの用語がスタンダードです。
ゴルフの故郷は英国ですから英語が世界通用語です。
ゴルフは会話で使う用語の発音さえ通じれば、世界中の人と一緒にプレーできます。
最近は日本人同士でも会話の中に盛り込んでいる方もいらっしゃいますし、英語教育が進んだこともあり若い層がかなりセンスの良い言葉を連発し楽しんでいるからでしょうか。
相手を思いやる日本人のみなさんも、飛んでいくボールに対して沈黙せず、もっとボールに対し犬などのペットに語り掛けるように声を発すると、肩の力が抜けてスコアが良くなるかもしれません。
そんな使えればゴルフが10倍楽しくなる、でも決して英語はうまくならないスラング・用語の第2弾です。
「バイト!」は止まれ!
ケースバイケースで気の利いた単語、タイムリーでファッショナブルな言葉が耳に入るラウンドは、みんなの心もウキウキしてそれこそ楽しいものです。
一日中寡黙なゴルフが悪いわけではありませんが、日本人は欧米人に比べ言葉遊びが苦手な部分があります。
最近はゴルフのテレビ中継が毎日見られます。
アメリカツアーだけでなく、欧州や南アフリカなど世界中から発信されています。
その時々で選手やキャディさんが発する言葉は、実に臨機応変で緊迫感が伝わるので若い方たちはけっして聞き逃していませんね。
若い人ほどすぐに自分のものにする能力があります。
「バイト!バイト!」は噛む(Bite)からで、グリーンに落ちたボールがスピンでピピっと止まるように願いを込めて声を掛けます。
「ステイ!」は必死の叫び
このように、グリーンをオーバーしそうになるかも…と察知すると、ボキャブラリーをもった英語圏の方たちは色んな言葉を駆使します。
「ステイ(stay in the place)」も「シット(Sit down)」同じように使われます。
グリーン上で止まってよ~、それ以上飛ばないで~という真剣さが伝わりますね。
ステイはピン筋に飛んでいるボールにも当てはめます。
こちらは「stay on the line」で、曲がるなよ!真っすぐイケ!となり、ショットでもパットでも使います。
逆にやや短いかなと思ったときは「ゲットアップ!(Get up)」、乗れ!とかもっと行け~!といいます。
「ハング・オン!」は使い道がたくさん
ゴルフの「ハングオン(Hang on)」は一日中出てきておかしくない言葉です。
それほどゴルフのショットはスリルに満ち満ちているからでしょうね。
①ドライバーショットがOBやフェアウェイウッドバンカーに一目散で向かったとき。
②予期せぬ上空の風にボールが弄(もてあそ)ばれるように流されそうです。
③池越えや林越えを狙ったリスキーなショットが越えるか超えないかの瀬戸際にあるとき。
そんな時は「ハングオン!(がんばれ~)」と願いを込めてボールに呼び掛けてください。
日本語ではよく同じ意味の「堪(こら)えろ!」を使いますが、英語のフレーズもたまには悪くありません。
「イン・ザ・ホール!」
「入ってしまえ~~!(Get in the hole)」もいいですね。
長いバーディパットなんかピッタリです。
アメリカツアーにはこの言葉だけをひたすら叫ぶ”イン・ザ・ホール・ギャラリー”もいます。
「ゲット・イン(Get in)」も同じ意味で、カップに向かってスルスルと転がるボールに向かった叫ぶとカッコいいワードになります
入りそこなってカップのふちをくるっと回って出てしまったときは「リップアウト(Lip out)」といいます。
Lipは口びるなどの意味です。
まるでスイカの種をプッと吹き出すしぐさのようですね。
カップまでギリギリで止まってしまったときなど、日本でも「Nice try」といいます。
「(You're)OK」は海外ではたまにしか使われず、「ギミー(Gimme)」ということを知っておいても悪くありません。
「ピンハイ!」ならOKだね
仲間のショットが非常に素晴らしく、タテカン(縦の距離感)がピッタリの時は「ピンハイだよ!」と称賛しましょう。
こんな時の英語のフレーズではこちらの”Pin high”が決まり文句です。
方向が少し狂ってグリーンのカラーやチョイラフにこぼれても、距離感が正しければ使えるワードです。
ゴルフの格言に「Driver is show, Putt is money」というのがあります。
あまり正しい詳細は知られていませんが、"Drive for show - putt for dough."という原文をアレンジしたものです。
「飛ばしのショットは格好だけの話、お金になるのはパットだよ」というのが本当のところです。
ここで登場した "dough(ダゥ)"はお金を意味しています。
ダウ平均の”Dow”とはまた別です。
初心者は誰でも「アーミーゴルフ」
「アーミーゴルフ(Army Golf)」という面白い常套句があります。
アーミーは軍隊で主に陸軍のことを指します。
映画などで兵隊さんの隊列を整えた歩行訓練の様子が出てきます。
横にいる上官が「left and right! left and right!」と大声をかけていますね。
そこから来た一種のアメリカンジョークです。
初心者の方は「失礼しちゃうわね」というかもしれませんが、すべてのゴルファーはみんなアーミーゴルフの経験者です。
打つたびに右に行ったり左に行ったり、せっかくお金を払っているのにコースの真ん中のフェアウェイなど使わないままホールアウトします。
最初のうちは誰でもそんなものです。
「ベリー・ショット!」
トップしちゃった!は、別な表現で「今のはベリーショット(Belly~Belly the ball)だった」となります。
Bellyはお腹のことで、ベリーパターという中尺はここからきています。
トップはアイアンの歯の部分(リーディングエッジ)でボールの中央(赤道)付近を打つショットです。
ボールのお腹を打ったという意味ですね。
ベリーショットはミスばかりとは言えません。
グリーン周りでラフに絡んだアプローチでは意図的なベリーショットでピンチを脱出することができます。
「ナイスショット!」
ナイスショットは和製英語で海外では通じないという情報もありますがそれは誤りで、海外ゴルフツアーの解説者もよく使う言葉です。
強いて言えばナイスショットよりは「Good shot」のほうが一般的かなという点ですね。
日本人が口にする「ないしょ~」や「ぐっしょ~」は発音が違うので通じないという誤解につながった可能性があります。
ナイスオンとかナイスイン、カップインは限りなく和製英語に近いのですが、まったく理解されないこともないでしょう。
英語の”Nice”は”We had a nice time”などと使われます。
日本人には明治期から一種の流行語的に使われてきて親しみがありますが、欧米では通常の日常会話に頻繁に登場することがありません。
もうひとつ、日本人が使う「ナイスパー」もロングホールとかスライスラインとほぼ同列で和製英語です。
ここではパー4なら「Good four」にしましょう。
さらに英語圏の人たちは同じフレーズを何度も使いたがらなかったり、人と異なった言葉を好んで選び使う傾向があります。
英語でしばしば登場する誉め言葉のフレーズをまとめてみました。
- beauty
- beautiful
- fantastic
- Great
- Pretty
- Splendid
- Good Hit
- Excellent
- Fine
- Perfection
- What a good Shot””You killed(crushed or nuked)(主にドライバーショット)
- Great Drive(同)
- Good try(ピンチ脱出や惜しかった時)
【決して英語はうまくならないゴルフスラング・用語】その2のまとめ
アメリカ人も人によってバンカーのことを「ビーチ(Beach)」などとオシャレな表現をします。
日本人にとっては湘南の海岸や別府の砂風呂温泉を思い起こさせる、とてもユニーク軽妙なスラングです。
ゴルフのプレー中はこのように単純な単語なのに、タイミングよく誰かが口にしただけでプレーが楽しいムードになります。
日本語と似たようなフレーズもたくさんあります。
日本のスラングの「結果オーライ」はGood missで、パッティングラインの読み間違いはMiss read、カーブを読み過ぎるとOver read、読みが浅く直線的過ぎたときはUnder readといい、プロサイドとかアマチュアサイドは日本国内限定の用語です。