あなたはよく意味がわからないゴルフ用語に出会ったことがありませんか?
理解しているようで実は理解していない、なんて言葉がゴルフにはたくさん存在します。
その中でも代表的な言葉に『スルーザグリーン』があります。
「グリーン」と付くのだからグリーン周りのことなのかな?と思った方、ぜひこのあとも読み進めてください。
今回はスルーザグリーンの本当の意味、また良く出てくる6インチプレースなどについても紹介していきます。
スルーザグリーンはどこから来たのか?
ゴルフの歴史は長く、それだけ変化と進歩の繰り返しでした。ゴルフコースも同じです。
今でも世界のゴルファーが「ホーム・オブ・ゴルフ(ゴルフの故郷)」と呼ぶのはスコットランドのセントアンドリュース・オールドコースです。
かつてはスルーザグリーンを流れる小川は街の洗濯場で、ご婦人たちは飛んできたボールを投げ返していたそうです。
元々は22ホールあったのですが、税金を土地で物納したときに4ホール減って18ホールになり、そのまま世界のコースに定着しました。
今でも7コース以上、130ホールを越えるすべてがパブリックコースとして市民に親しまれています。
スルーザグリーンという言葉もこのセントアンドリュースから生まれました。
ゴルフ用語は一度学んでしまうとすぐに身につき、あとはウェブで調べる時やレッスンを受ける時などとても役に立ちます。
そんなわけで、最初にスルーザグリーンにちなんだ用語から解説していきます。
スルーザグリーン関連のゴルフ用語集
それではスルーザグリーン関連のゴルフ用語から説明していきます。
スルーザグリーン
スルーザグリーンとは「ゴルフコース内でプレーができるすべての場所」のことを呼びます。
除外されるのはティーグラウンド、グリーン、ハザード(バンカーや池など)。
スルーザグリーンにはラフやフェアウェイの区別はありません。
同様に、落ち葉が堆積した林や草が生えていないベアグラウンド(地面が露出しているところ)、あるいは大雨の後の大きな水たまり(カジュアルウォーター)も同じです。
当然、斜面であろうとなかろうと、傾斜の角度も関係ありません。
ゴルフコースとコースレート
先ほどのセントアンドリュースに右に倣えと、ほとんどのゴルフコースは9ホールふたつの18ホールでワンラウンドとしています。
多くはパー3、パー4、パー5の組み立てからなり、18ホールでのパー合計は72が多いです。
コースレートとはコースごとの難度を表し、ホールレートといえばホールごとの難度をパーを基準にいて表現します。
コースレートが「71.3」ということは基準の72より少しだけやさしいという意味です。
ティーインググラウンド(ティーグラウンドまたはティーボックス)
第一打目に使われるほぼ平らに整備されたステージ上の場所の事を指します。
ショットできる範囲を制限するためのティーマークがおいてあります。
この場所だけはティーアップが許されています。
ティーにするものは特に決まりはなく、近くの芝草などを使うことも許されています。
ハザード
池などのウォーターハザード(水があってもなくても赤や黄色の杭が立っている)や、バンカー(掘られた穴に砂を入れた場所)を示します。
「ハザード」とは、危険の原因・危険物・障害物などを意味します。
スルーザグリーンのコースマネージメントはこちらから
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【ゴルフ100切り】パーを取るためのマネジメント/確率を意識して安全にスコアを縮める方法「スルーザグリーン編」
ゴルフ練習場ではナイスショットの連発でも、いざコースに出るとなかなか100が切れない方などはコースマネジメントに問題があるかもしれません。
大叩き劇場の幕を上げないために、スルーザグリーンのコースマネージメントを覚えておきましょう。
スルーザグリーン、「6インチプレース」とは?
ゴルフは「あるがまま」に18ホールをプレーしてワンセットになります。
つまり、打ちにくい場所だからとか泥がついたとか何らかの理由があっても、ルールの決め事がないとボールに触れたり拾い上げたりすることはできません。
こういうタッチできない状態を「インプレーにある」といいます。
ボールに触れるときはルール上何らかの救済処置があって、その規則通りに動かして無罰、1打罰などの加算をします。
はじめてゴルフ場でプレーする方などは、同伴ゴルファーたちからインプレー中のボールにも「6インチプレースでOKだよ」といわれるかもしれません。
この日は終日、ボールをピックアップしてもペナルティなしで6インチ移動できますよという意味です。
6インチというと約15cmですから、スコアカードの長辺とか千円札の横幅、大き目のiphoneなら縦の長さに匹敵します。
ちなみに、プレースは最初の場所から違う場所に置くこと、リプレースは元通りの位置に戻すことを意味しています。
スルーザグリーンにはローカルルールがある
スルーザグリーンとなると、ローカルルール(Local Rules)に大いに関係します。
ローカル・ルールとはゴルフ場などが独自に作ったもので、公式ルールの規定を実際のコースコンディションに合わせて一部を変更したり、削除、追加して作られたルールのことです。
前述の6インチプレースや、OBやロストボールでの前進4打などは典型的な例です。
このルールがないと、例えばフェアウェイに打ったのにディボットに入ってしまったときなどはある程度の不公平感を和らげてくれます。
ついでに説明を加えておきますが、落下の勢いで自分自身のボールが柔らかい芝生面に沈み込んでしまったときなどは、ローカルルールではなくゼネラルルール(公式)で無罰の救済が受けられます。
できるだけ近いところで、ホールに近づかない場所にドロップしましょう。
また、6インチの移動は木の根っこに挟まった時など、ショットそのものが危険であったり手首を痛めたりする可能性もあり、有効に使う方が良い場合があります。
ただし、6インチルールは非公式なルールであり、その時によってフェアウェイのみなどの付帯する制限がついていることもあるので注意が必要です。
いずれにしてもゴルフというのはボールがどこに転がるのか、細部までコントロールはできないため、あらゆるスポーツの中で”もっとも不公平なスポーツ”といわれています。
まぁ、運もまた実力なりと割り切っておきましょう。
意外と勘違いしている、スルーザグリーンの境界線
スルーザグリーンは前述したコースの一部(ハザード、グリーン、ティーグラウンドなど)を除いたところです。
では、ボールが止まったところが非常に微妙な場所だと、スルーザグリーンなのかどうか判断に困ります。
なのでルールで決められた境界線を明確に説明しましょう
このルールは意外と中級者の方でもうっかりするところです。
ウォーターハザードの境界
黄色と赤の杭で囲まれたところは、水があってもなくてもウォーターハザード(池)と決められています。
もちろん打つことが可能な状況ではあるがままに打つことができます。
杭の色に関係なく境界はハザードから見て外側、スルーザグリーン側から見ると内側になります。
OBとワンペナルティの杭
OBはアウトオブバウンズといって、ゴルフコースとそれ以外を示す境界です。
通常は白い色ですが、ワンペナルティを示すときはコースによって黄色、または黄色と黒、あるいは黄色と緑色などの虎柄に塗って見分けられるように工夫しています。
これらも同様に杭のスルーザグリーン側が境界になります。
もしこの杭が斜めに立っていたときは、その杭の地面に接している部分に糸を張って確認します。
スルーザグリーンて何?のまとめ
先ほどはスルーザグリーン6インチプレースの話題が出ました。
プライベートコンペなどでスロープレーになってほかのプレーヤーに迷惑を掛けたくないという配慮から、その日だけのルールとして使うことが多いようです。
みんなで共有して使うルールはほかの方と平等ですから、公式ではないからと頑なに固辞する必要もありません。
一方で、純粋に上達志向を目指すなら、スルーザグリーンのお助けルールを無視することもできます。
日頃から甘えてしまう気持ちをなくすことや、大原則のあるがまま打つというゴルフの王道を行く気持ちがあるなら6インチの救済は不要でむしろ邪魔になります。
一番いけないのは「場面場面で自分のいいようにルールを解釈すること」です。
この考え方はゴルフの精神に逆行するものですから、いつも厳しく排除する心構えを持っておきましょう。
『常に自分に厳しく』、こういう考え方が100切りの道を早めてくれるのは間違いないでしょう。