ゴルフコースって”野生自然動物園”といっても言い過ぎにならないかもしれません。
ゴルフ場は都心を離れた郊外に多く、普段あまり目にすることはない自然の中で野生のまま暮らす小動物たちがいっぱい、あなたもほんわかした彼らの姿に出会うことができます。
もっともゴルファーの多くはプレーに夢中ですから、人慣れした野生動物がすぐ近くにいても意外に気づいていない方もいらっしゃいます。
ゴルフコースはもともと野生動物の住処でした。そこに彼らがいるのはごく自然で、当たり前なんですがね。
ジャック・ニクラウスのニックネームは「ベア」です。
熊もいれば鮫、トド、ラビットにタイガーもいますよ。これ全部人間のこと、そもそも人間だって”動物”であることだけは間違いありません。
動物に関するルールについてはこちら。
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ゴルフコースに出没する動物たち~鳥がボールをくわえて持ってっちゃったら…?
ゴルフコースにはさまざまな動物が出没します。カラスがボールをくわえて持って行ったら?モグラの穴にぼーるが入ったら?今回はそんな疑問への回答とこわ~い動物が出てきたりするお話も登場します。
ゴルフをプレーする野生的な動物=人間
ゴルフコースの名設計家のクマとは、いま名前が出たジャック・ニクラウスです。彼はゴールデンベアと称され、メジャー通算18回優勝という、史上最強のクマです。ゴールデンは金髪からきたものですが、ベアは彼の風貌からでしょうね。
いかにもドイツ系移民の面構えで、ファンがリスペクトの意味を込めて付けたものだと思います。
「クマ」から受けるあなたの印象はどんな感じでしょうか?
アーノルド・パーマーファン軍団で、いつも団体で歩いていた”アーニーズ・アーミー”に忌み嫌われたヒール(悪役)だったことも、グリズリーのような悪印象に繋がっているのかもしれません。
まだまだあるプロゴルファーという野生動物
ゴルファーと動物の縁は深く、シャーク(サメ)の異名を持つのはオーストラリアが生んだ天才ゴルファーのグレグ・ノーマンです。グレグは髪が白いのでホワイトシャークのニックネームがあります。
米PGAツアー20勝で永久シード、ゴルフ世界ランキング1位も通算「331週(2位)」在籍、日本のツアーでも中日クラウンズや太平洋マスターズで2度優勝しています。
この白いサメはビジネスでも能力を発揮、4色のサメがブランドマークです。
他にもゴルフコースで活躍する動物はタイガーのほかに、トド(クレイグ・スタドラ―)、象さん(アーニー・エルス)などキリがありません。
ちなみにラビットというのは新人プロの呼び名です。そういえばバーディ、イーグルなどもいましたね。
ゴルフコースで見かけた沢山の動物たち
そういえばゴルフコースは鳥にちなんだ言葉が多く出てきますが、雉(キジ)に遭遇したことがあります。
そこは茨城県稲敷市、数年前の江戸崎カントリークラブです。林の中で見つけてあわてて撮ったのがこの写真です。あまり人慣れしていないのか、警戒してキョロキョロしていました。
キジは我が国の「国鳥」ですね。ちょっと変わっているのが、世界中の国鳥の中で狩猟も食用にするのも許されている”少数派”です。
色鮮やかなほうがオスです。その場所が気に入ったのか、結構長い間チラチラ見えていましたからほのぼのとした気分になれました。
グリーンのボールに興味を持ったイグアナ
マレーシアのゴルフコースにはコモドドラゴンによく似た爬虫類がいます。よほど運が良くないとお目にかかることもないでしょうが、人間嫌いなようで気が付くとそそくさと逃げていきます。
ゴルフコースでみかけるのはせいぜい20~30cmクラスですが、大きいものは1m近くにもなるそうです。爬虫類は好き嫌いがハッキリしていますが、お好きな方にとっては野生種だけに貴重な出会いになるでしょう。
写真は2014年のプエルトリコオープンでのワンシーン。どこからか現れたのはイグアナくんです。ボールをなにか別の野生動物の卵と勘違いしたんでしょうか?
試すように5パット(口で)してからそそくさと立ち去っていきました。
野生の猛獣が河向こうに見える南ア・オープン
こちらは南アフリカオープン選手権です。
今はサン・シャインツアー(南アフリカの国内ツアー)とヨーロピアンツアーの共催で行われているこの大会、実は1893年にポートエリザベスで公開試合として第1回大会が開催された、世界で2番目に古いナショナルオープン選手権です。
大会ホストを務めるのは先ほど登場した象さんことアーニー・エルス。この大会の歴代最多優勝者は断トツの13回を誇るゲーリー・プレーヤーです。彼はいつも黒ずくめのウエアを身にまとっていたので、ニックネームが黒豹(クロヒョウ)といわれています。
この大会は以前、セレンゲティを思わせる野生動物保護区に接したコースでも行われていました。
写真のように、プロたちが河の向こう側にいる野生動物など鑑賞しながらプレーできるという変わったゴルフ大会でした。向かいには野生動物がうじゃうじゃいて、もちろんライオンなども近くにいます。
落ち着いてプレーできたんでしょうかねぇ?
カピバラはゴルフに関心なし?
乱入したのはカピバラでした。2016年のリオデジャネイロ・オリンピックのゴルフ女子の試合のことです。テレビでノッソノッソとコースを悠然と歩く彼らに驚いた皆さんが、たくさんいらっしゃったかもしれません。
なんとこの巨大カピバラは150パウンドあるといっていましたね。70kg相当もあり、30~40頭がこのコース周辺に入るんだよなんて言ってました。そもそも、リオにカピバラなんか住んでいるんですね。
驚きましたが、彼らはおとなしい性格なので特に女子プロたちには大人気です。まさにゴルフコースは野生の楽園ですね。
コース中がアートに変わったプロツアー
世界を股にかける日本のトップゴルファー、谷原秀人ファンなら2016年の「BMW ISPSハンダ ニュージーランドオープン」をご記憶でしょう。
惜しい、悔しい、悲しいラストホールでしたね。
1打リードで20アンダーのトップで迎えた最終ホール、バンカーに入れてボギーにした谷原に対し、マシュー・グリフィン(オーストラリア)がバーディをとって決着した試合でした。
写真はその試合の時のコースのワンショットです。なんだか異様な雰囲気ですね。
このコースはニュージーランドのザ・ヒルズ・ミルズブルック・ゴルフクラブです。こちらは野生動物ではありませんが、こんなモニュメントをたくさん置いてトーナメントを盛り上げようとしたのですね。
数万人のギャラリーは、いつもと違うアート感覚あふれる試合のテイストを楽しみました。
ゴルフコースの愉快な動物たち(2回目)のまとめ
2008年には、試合中にハチの大群が押し寄せプレーが一時停止するというハプニングがありました。選手もキャディさんも芝生に伏せて、その災難が立ち去るのを待つしかありませんでした。
とにかくゴルフは大いなる自然の中ですからね、何が起こるかわかりません。
仮に、動物たちがボールの持ち去り事件に介入すると、ルール上どういう扱いになるかだけは知っておいた方がいいでしょう。
動物がボールを持ち去ったのを確認できた場合にのみ、別なボールを使いペナルティなしでプレー続行できるということになっています。
ポイントは現場の確認であって「多分・・・」ではいけません。多分となると”紛失球”で、前打に戻って打ち直しになります。