ショートウッドって女性が使うクラブのこと?
ユーティリティやフェアウェイウッドと何が違うの?
今回は名前は聞くけどイマイチほかのクラブとの違いが分からない「ショートウッド」についての解説です。
ショートウッドの特徴やどんな時に使うとよいのか、おすすめのクラブについても紹介していきます。
ショートウッドとは
実は「ショートウッド」という明確な定義はありません。
ウッドは1番(ドライバー)から始まり、
- 2番ウッド:ブラッシー
- 3番ウッド:スプーン
- 4番ウッド:バフィー
- 5番ウッド:クリーク
と名前が付けられています。6番以降はというと「明確な名前がない」んですね(あるかもしれませんが)。
ウッドは市販で9番までがメジャーですが、中には15番ウッドなんてレアなクラブもあります。
このうち7番以降(特に奇数の7・9・11番)をショートウッドと呼ぶことが多いですね。
キャリアの長いゴルファーは、10年以上昔に”タラコ”として登場したことをご記憶ではないでしょうか。
ひと昔前は少し小バカにされていた感のあるショートウッドですが、最近はその性能が格段に上がりプロでも実際に使用されています。
プロも使用しているショートウッド
現在ではスプーンでも300ヤード超を飛ばす時代に突入しているプロゴルフですが、稀代の名プレーヤーたちもショートウッドを使用しています。
さすがに男子プロではそこまで多くは見なくなりましたが、女子プロゴルフでは数多くの選手が愛用しています。
アニカが使い片山晋呉が武器にしたショートウッド
ショートウッドが市民権を得て普及し始めたのは、1995~96年とアニカ・ソレンスタムが2連覇した頃でした。
身長168cmとあまり大きくないアニカがLPGA72勝を挙げられたのも、140~160ヤード付近からビタビタと寄せたショートウッド(キャロウエイの7番・ヘブンウッド)の功績があるといわれています。
この頃はまだ「あれが男性が使うのは恥ずかしい」という風潮がありましたが、真っ先にショートウッドを取り入れたのが片山晋呉プロ。
彼は7番と9番ウッドを駆使して、2001年の全米オープンで見事4位入賞を果たしました。
青木功さんの定番コースマネージメント
青木功さんはティーグラウンドに立ったら、まず150ヤードの表示杭を探すという名セリフ(?)があります。コースマネージメントの基本で、飛ばすことよりそこからの第2打が基本構想だという意味です。
時にドライバー以外の選択もアリ、ティーショットでいつも150ヤード付近に置けば攻め方がシンプルになる。となると一日中9番のショートウッドで何度でもグリーンが狙えるという、実にシンプルなゴルフが可能になります。
7番ウッドなら飛ばない方でも180ヤード以上、飛ぶ方なら200ヤードの距離でのナイスオンが可能になります。
考え方の目安としては、7番ウッドで平均21度前後のロフトとして4番アイアンの飛距離に匹敵します。同じように9番ウッドは平均24~25度なので5番アイアン相当となります。
この飛距離が魅力で、最近は女子プロたちも多用しています。
アイアンの5番まではバッグからなくなり、ユーティリティやショートウッドが増えて、北田瑠衣プロのように11番ウッドを活用している選手も多くなりました。
ショートウッドの特徴
このように一流のプロプレイヤーも愛用しているショートウッド。
その実力・特徴にはどのようなものがあるのでしょうか。
高弾道で高い球が打てる
ショートウッドは度々ユーティリティと比較されますが、その違いを簡単に説明すると
- ユーティリティ:アイアン感覚で打てる
- ショートウッド:ウッドの延長線上
となります。
ユーティリティはショートウッドに比べシャフトが短い分、十分な高さを出すテクニックのない方にはグリーンで止めるボールは打てません。
ヘッドスピード40m/sクラスのアマチュアが5番アイアンの距離でグリーンを狙うには、ユーティリティで22~24度相当のロフトがないと止めるボールが難しくなります。
そこでフェアウェイウッドの距離が出てその付近のロフトのクラブということになると、選択肢はショートウッドとなります。
重心深度が深くてシャフトが長いショートウッドは、同じ振り方でもヘッドスピードが加算されてボールが上がりやすく、スピンが効くのでグリーンに止めるのもグッとやさしくなります。
150ヤードくらいなら9番ウッドで十分届く距離というのも魅力です。
ダフリミスが少ない
ショートウッドはヘッドの重心が後ろに下がっており、またソールが広くて滑るので、リーディングエッジがアイアンで刺さってダフってしまうという心配がなくなります。
ちょっと悪いライに行ってしまったり、フェアウェイでもディボットのようにちょっと沈んでいる時には最適なクラブです。
おすすめのショートウッド
それではアマチュアプレーヤーにとっての心強い味方、ショートウッドのおすすめを紹介していきます。
テーラーメイド グローレF FW#7
- 番手:7番
- フレックス:R
- シャフト:GL3300カーボン
- グリップ:GLOIRE F Blk
- ロフト角:22度
- ライ角:59.5度
- シャフト長さ:42インチ
テーラーメイドの自信作「グローレF」シリーズの7番ウッドです。
NEW貫通型スピードポケットを採用、フェース左右の柔軟性をアップさせています。
ゼクシオナイン MP900 FW#7
- 番手:7番
- フレックス:R
- シャフト:MP900 カーボン
- グリップ:DSTフルラバー
- ロフト角:20度
- ライ角:59.5度
- シャフト長さ:41.5インチ
ゼクシオナインの人気シリーズ「MP900」の7Wです。ヘッドスピード40m/sほどあれば180ヤードは軽く稼ぐことができます。
シャフトもそれほど長くないので振り抜きやすく、また打感が良いのが特徴です。
ブリヂストン Tour AD FW#7
- 番手:7番
- フレックス:R
- シャフト:TourAD J16-11Wカーボン
- グリップ:JGRオリジナルラバー
- ロフト角:21度
- ライ角:59度
- シャフト長さ:42インチ
いまやブリヂストンの代名詞ともなったパワーミーリングを採用したFWです。
フェース側のクラウンがたわむことによって反発性能が格段にアップし、7番とは思えない飛びを可能にしています。
ミズノ JPX EIII sv FW#9
- 番手:9番
- フレックス:R
- シャフト:Tオロチ ライト カーボン
- グリップ:JPX E3 360オリジナル
- ロフト角:24度
- ライ角:62.5度
- シャフト長さ:41.5インチ
フェアウェイウッドは打点がフェース下側になる傾向にありますが、JPX EIII svはソール部に波型形状デザインのソールを採用、さらにソール後方のヒール側にウエイトを集中させヘッドの返りやすさを追求しています。
また独自シャフトのオロチライトカーボンにより、中間部から先端部の加速感をアップさせています。
ショートウッドの特徴・他クラブとの違いまとめ
150~200ヤードという距離は次に使用するクラブを非常に悩ませます。
サッとあきらめることができる方なら良いですが、「ワンチャンス」でグリーンオンも夢ではない距離ですからね。
途中青木功氏の「常に残り150ヤードを意識する」ということについて触れましたが、この距離に自信を持てるクラブが1本あるかないかではコース攻略に大きな差が出てきます。
ぜひあなたのお気に入りの1本を探してスコアアップに役立ててみてください。
最後にショートウッドを使用するときの注意点です。
唯一ともいえる弱点ですが、ショートウッドはボールが高く上がりすぎるので低いボールを打ちにくいことです。
アゲインストでは想定した距離を出すのがものすごく難しくなります。
パー3などでティーアップして打つときは、吹き上がってしまうので相当風に対する神経を使ってください。