ゴルフは老若男女が楽しめるスポーツです。
ゴルフは年齢性別に関係なく、考え方や練習次第で上達することができます。
その秘訣のベースになる順序はまず基本をマスターすること。
その後それぞれ自分のポテンシャルに当て嵌めた自分流を極めていくということになります。
それが実際のプレーに役立つための正しいスイングを身につける段取りです。
逆になかなか上達しない人はプロなどの見よう見まねの形態模写になり、基本を飛ばして覚えたために悪いクセがついて取れなくなったりするケースがほとんどです。
スイングには大まかに「バックスイング」と「ダウンスイング」に分けられます。
正しいバックスイングを身につけるにはこちらを参照してください。
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間違った5つのバックスイングから学ぶ正しい打ち方/テイクバックのコツを掴めば方向性が抜群に安定する!
ゴルフスイングはゆっくり振っても数秒で完結します。そのために0コンマ数秒という微妙なタイミングのずれがミスに繋がります。
この一瞬の出来事に大きくかかわってくるのが「バックスイング」です。よくあるバックスイングの失敗事例から学び、正しいスイングを身につけましょう。
では正しいダウンスイングはどういうものか、何に気をつけなければいけないのかを探っていきましょう。
間違ったダウンスイング 4つの事例
さきほども紹介しましたが、ゴルフスイングはバックスイングとダウンスイングから成り立っています。
このスイングをさらに細分化すると
- セットアップ(アドレスとボール位置)
- テイクバック(体の始動でヘッドを引く)
- バックスイング(トップへのつなぎ)
- トップ(ストロークの始まり)
- 切り返し(タメ)
- ダウンスイング(タイミング)
- インパクト(打つ感覚から振る感覚で)
- 手首の返し(こねないで自然に返す)
- フォロースルー(一連の流れ)
- フィニッシュ(途中で止めないこと)
の10項目になります。ダウンスイングは6~8までの「ボールへのインパクト」に関わるとても重要なファクターです。
全ての項目を大切にすべきですが、その中でもダウンスイングはボールとのコンタクト時の「タイミング」を司るため、飛距離・方向性に大きな影響を与えます。
以下の4つの「間違ったダウンスイング」の事例を見ていきながら、そのスイングが「何故」間違っているかを理解していきましょう。
①切り返しの間がない
初心者の方の大半は切り返しで「リキミ」が入ります。
特にドライバーは人間なればこその「飛ばしの欲求」が大きく働きます。
でも、ゴルフはそういった感情、特に「欲」を殺さないとうまくいかないことがたくさんあります。
欲が人間の筋肉硬化を生み出し、スムースなスイングの妨げになります。
コツを知るとても良い見本は松山英樹プロのトップにあります。
彼のトップには絶妙な「間」がありまが、あれが切り返しのコツなのです。
キッ!とボールを見据えた「間」は、あたかもボールにインパクトを申し渡す再確認のようです。
サムライが長刀を上段に振りかざし、迷うことなくスパッと振り下ろす瞬間の迫力を感じませんか。
トップの位置から手首でシャフトを立てに行くのではなく、トップのカタチをあたかも”置き去り”にして、捻転した肩と腰に緩やかなリリースを与えるイメージです。
グリップは形をのこしたままですから、肩、腰がアドレスの形に戻るときは回転するというより腕を引き抜くイメージが正しいダウンスイングになります。
この「置き去り」という部分を数値化させてスイングを改善できるアプリ「M-Tracer For Golf」というものがEPSONから発売されています。
詳しくはこちらをご覧ください。
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理想のスイングの手が入る「M-Tracer」とは?力を抜くと飛ぶことが数値で分かる!使い方と解析・改善方法
ゴルフスイングが3Dで可視化できる夢のゴルフトレーナー「M-Tracer」
これを使えば自分のスイングはどこが悪いかすぐに分かります。
また、良く言われている「力いっぱい振ると飛ばない」ということも、M-Tracerを使えば数値で解説してくれます。
②上半身リードのダウンスイングをしてしまう
ダウンスイングは下半身のリードから行わないとNGです。
ボールを「ヒットする」イメージに偏っている方に多く見られる特徴です。
どうしても「打ちたい!」が先行してしまうからですね。
切り返しに一瞬の「間」が取れたら、力まずに下半身からダウンスイングに移行しましょう。
下半身→グリップと動き、ヘッドが後からきてグリップを追い越すように振り抜きます。
下半身先行のコツは、左の腰骨の突起部分を鋭く水平に引くイメージを持つと掴みやすくなります。
素振りの繰り返しなどでその感覚を掴むと、下半身リードの理想的なダウンスイングが覚えられます。
左腕とクラブヘッドは、下半身の動きに引っ張られ自然と美しいスイングプレーンを作ります。
③バックスイングの軌道と違う
ゴルフの基本は
- シンプル(画一的)なスイング
- 狂いの少ない反復性
で、いかに再現性高くスイングできるかがスコアを安定させるための鍵となります。
昔のゴルファーはとにかくスイングが個性的でした。
アメリカのジム・フューリックは「8の字打法」を見事に操ります。
しかし彼はきわめて特殊な例で、ものすごい練習量からあのような変則スイングを身につけたそうです。
そのような遠回りをせずに、もっとシンプルでやさしいスイングのほうがはるかに早い上達が可能になります。
その意味からいっても、ダウンスイングはバックスイングのビデオの巻き戻しのような動きが理想です。
④三角形を維持できていない
バックスイングは、上記のような両肩とグリップの二等辺三角形をキープすることが重要です。
ダウンスイングはバックスイングの巻き戻しですから、当然切り返した後も三角形をキープします。
しかしボールへのインパクトに夢中になるあまり、肘が曲がり三角形が五角形になってしまう方がいます。
肘が先行するので自然とハンドファーストになり過ぎて、フェース面が遅れて大きなスライスを打ってしまうミスになりがちです。
こういう方は、フェースの向きを確認しながらのスローモーション素振りが有効です。
カタチを確認できたら少しずつスイングスピードを速めていく練習です。
意外と早く効果が現れるでしょう。
正しいダウンスイングのまとめ
スイングは大まかにバックスイングとダウンスイングに分けられると触れました。
両方とも一連の流れですが、その間には「タメ」が入ります。
「あした天気になあれ」という昔のゴルフマンガで、主人公がドライバーでショットするときに「チャーシューメン!」と掛け声を発していました。
「チャー」でセットアップ、「シュー」でバックスイング、そして若干のタメがあって「メン!」とリズムを取っていましたが、非常に理にかなっています。
ゴルフスイングがバラバラになってきたと思ったら、やってみると良いでしょう。
最後に、どんなスポーツにも言えますが、脇が甘いと格好も悪く肝心の力が発揮できません。
肘と体が近ければ近いほどパワーを発揮でき、安定性も増します。
両脇の下にヘッドカバーやタオルなどの小物を挟み、それらを落とさないようにスイングすることで脇が甘くなるのを防ぐことができます。
本番前の練習時間などにぜひ実践してみてください。