ゴルフを始めたときは一番簡単だと思っていた「パッティング」
でもコースに出たりして、少しずつ自分の思い通りに打てるようになってくると気付くパターの難しさ。
せっかく3打でグリーンオンしたのに残り5mのパットを3打かけてたら、道中の頑張ったプレーは一体何だったんだろう?と凹みますよね。
一番最初に揃えたゴルフセットは1~2年もすれば一通り変わっていき、ドライバーなどはすでに数本買っている人もいるでしょう。
しかしパターに至っては「クラブによってどのような効果があるのか分からない」と思い、買い替えを躊躇してしまいがちです。
でも自分に合ったパターを選ぶことができると、これまでの苦労は何だったんだ?と思うくらい劇的な変化が起きる方も珍しくありません。
今回は「ゴルフ初心者が自分に合ったパター選び」をするためのアドバイスです。形状や打ちやすさ、スイングタイプ別におすすめのパターも紹介していきます。
絶対に失敗したくないパター選び
「パターがうまい人、イコールゴルフがうまい」といっても言い過ぎにはなりません。それほどゴルフではパターの使用頻度が高くなります。
ゴルフスコア100のプレーヤーの平均パッティング数は35~40、場合によってはそれ以上になります。
つまりゴルフスコアの約40%がグリーン上で起きていることになります。
世界のトッププロは「ゴルフで一番難しいのは5フィート(1.5m)前後のパッティング」だといいます。アマチュアでも1~1.5mの距離を50%は入れないと「100」を切るのは困難でしょう。
ショートパットが上達するコツについてはこちらをお読みください。
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それなら、高価で口コミなどの評価が高いパターを選べばパッティングが上達するかといえば「答えはNO」です。
パターは色々な形状のモデルが出ていますが、それぞれが全てのプレーヤーに向いているわけではなく、ストロークの軌道や打感・ボールの掴まり具合などによって選択する必要があります。
では自分に合ったパターはどのようにして選べばよいのでしょうか?
ポイントは以下の5点です。
- ヘッドの形状
- ネックの形状
- シャフトの位置
- シャフトの長さ
- グリップの太さ
それぞれ見ていきましょう。
パターのヘッド形状
まずは選ぶための基準になるパターのヘッドタイプから確認していきましょう。
ヘッドは大きく分けて
- ピンタイプ
- L字タイプ
- マレットタイプ
- T字タイプ
の4種類からなり、それぞれに特徴があります。
ピンタイプは打ちやすいから選ばれる
最近は目を疑いたくなるような「奇抜!」なタイプがショップの店頭に並んでいます。
しかし、昔からの定番パターもあります。
クラシックの名品といえば必ず登場するのが「ピン・タイプ」です。
このタイプの特徴はネック部分がクランク・ネックといって鉤型なので、構えた時にしっくりきます。別名クランクホーゼルともいわれるタイプですね。
ヒール(フェースの踵)とトゥ(フェースの先端)にバランスよく重量配分した最初の型です。
両端が重いのでスウィートスポットが広くなってミスを激減させました。
パターの中では操作性に優れ、ストロークしながらフェース面を意識しやすい種類です。
グリーンには細かいアンジュレーションや微妙に変化する芝目などありますが、状況に応じて打ち方を変えられる器用な方には最適なパターです。
L字タイプはタッチを重視する人向き
ヘッド部の形がアイアンのようにL字をしているのでこの呼称になっています。シャフトの付け根がヒール付近に装着されているため、アプローチ感覚でスッとパッティングに入れるという特徴があります。
なのでこのタイプはアイアンショットが得意なタイプに好かれる傾向があります。
フェース面が開いたり閉じたりするので、そのフィーリングを使いこなせる技術と経験がある方にはピッタリです。
またタッチ(当たった時の打感とかグリップの微妙な感覚)を重視するタイプも悪くありません。そのためローテーション(ヘッドの軽い円運動)に自信がないと難しいパターです。
方向性に自信はあるけど距離感が苦手だという方に向いているパターといえます。
マレット(かまぼこ型)は近年の人気パター
マレットといわれるいわゆるかまぼこ型や、最近雨後のタケノコのように出てきたネオマレットは、過去のパターより重心深度を深くした工夫がなされています。
重心深度とは、フェースからヘッド全体の重心までの距離のことです。
この距離が深くなるとフェースがボールに当たった時、半分から下の部分に当たっても転がりの良いボールになります。
重心深度を深くするために比較的ヘッドが大きいため返りにくい構造で、その上深度の深さが強い慣性モーメントを働かせています。
マレットはストロークに安心感を与えてくれるタイプです。
ヘッド面積が大きいので打ち出す方向を示すラインとか、ボールに似せたデザインを書く場所があることもその理由のひとつです。
距離感はいいのにいつも方向が悪くてカップを外れる方や、1m前後の短いパットを苦手にしている方にはうってつけです。
「ネオマレット・タイプ」もよく目にするようになりましたが、今までのかまぼこ型の改良版です。
T字タイプは初心者でも十分対応可能なタイプ
全体の形が「T字」をベースにデザインしたタイプで、大型マレットタイプと同類にすることもあります。
過去に登場したオデッセイのボールが二つ並んだデザインのパターはその代表例です。
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オデッセイパターの人気・おすすめクラブと選び方のコツ
大半のゴルファーが使用しているオデッセイのパター。ツアープロも半数以上が使っており、名実ともにパター業界No.1メーカーです。
今回はそんなオデッセイパターの種類と選び方、そして人気のおすすめパターについて紹介していきます。
アドレスをとりやすいタイプで、大きめのヘッドは安心感と操作性を与えてくれます。
フェースバランスパターといわれ、初心者の方にもおススメです。
最近人気沸騰のキュアパター
T字タイプといえば最近よく売れているパターとして「キュアパター」というモノが登場しました。
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プロも使用しているキュアパターを試打してみた!評判通りの全面スイートスポット!ライ角・重さ・シャフト交換も可能
昨今騒がれている話題のキュアパターですが、「全面スイートスポット・3パット撲滅」など少し大げさなんではないか?と思うぐらいのキャッチコピーで少し懐疑的な方もいるのではないでしょうか。
今回は、そんなキュアパターを実際に試打してみた感想とスペックについての解説です。ぜひ参考にしてみてください。
ライ角が調整可能で、パターのヒッティングに関わる重量も調整可能です。
中でもキャッチピーにも使われている「全面スイートスポット」は、科学的アプローチによりどこで打っても真っすぐ転がるように設計されています。
パターを選ぶ大事な基準4項目
これまではパターのヘッドタイプについての解説をしてきました。
次に確認する項目は「パターの形状について」です。形状とはつまり「ネック・シャフト・グリップ」の部分です。
形状に関しては「好き嫌いに直結」しますが、やはり違和感のあるパターでパッティングをしても良い結果につながらないことが多いので、気に入ったものを見つけたら迷わず自分のものにしておき、いろいろなタイプを使っているうちに生涯の伴侶に出会えるでしょう。
そういう意味では形状や重さ長さを超えたところに、人とのマッチングがあります。
1.ネックの形状は大事なこだわりポイント
ネックの形状は打った時の打感に直結しているだけに大きなポイントです。
主なものは以下の形状です。
鉤(かぎ)型
先ほど解説したピン・タイプがこの形状です。
グースネック
ガチョウの首に似た形でネックがグニャッと曲がっています。
グースネックは好き嫌いがハッキリしています。
スラントネック
ネック部分が(右打ちの場合)上から見て右にずれています。
アドレスして真上から見るとシャフトの延長線上付近にボールがあります。
タイガーウッズがこのネックの”スコッティ・キャメロン”を長年使っています。
ベントネック型
マレットタイプに多く見られる型で、シャフトは鉤型のような付け根の接合部がないすっきりタイプです。
ヘッドはそのままでシャフトをこのタイプに変えると、ネックの曲線次第で自分にピッタリ合ったり全くダメになったりします。
2.センターシャフトは最近人気上昇中
シャフトがヘッド部分の中央に曲線なしで刺さっているタイプです。
かつては難しそうだからという理由でアマチュアには敬遠され気味でしたが、最近メーカーの改良と有名プロ(谷原秀人やザック・ジョンソンなど)が使い次々に勝ったので一気に人気沸騰という感じです。
昔のことをご存知な方は青木功プロが使っていたキャッシュインを思い出すかもしれません。
アメリカのメジャートーナメントでは、青木プロのパットが良く入るので「オリエンタル・マジック」と地元の新聞に書かれました。
重心が中央に集まっている形を、やさしいとみるか難しいと感じるかだけでも選ぶときの基準になります。
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センターシャフトのパターは初心者向き?打ち方とメリット・デメリットについて解説
最近よく見かけるようになった「センターシャフトパター」
シャフトの延長線上が芯になっているので打ちやすいとか、反対にフェースにボールを合わせづらいなど賛否両論です。
果たしてセンターシャフトは初心者にとってオススメのパターなのか、メリットとデメリットをまとめてみました。
3.パターの長さも構えて見てから選んだほうが良い
背の高さとパターの長さは決して比例しません。選ぶときの基準からは除外しましょう。
パターの長さはパッティングのスタンスをとり構えた時の姿勢で決まります。
ほとんどのゴルフショップのパターコーナーには、試打できるスペースがありますので、実際に手にしてパターを構えてみましょう。
自分の目の直下にボール位置を持ってきてグリップし、腕をスッと出した時にフィーリングが良かったら問題ありません。
長さ的には中尺や長尺パターなどを除くと、男性用は34インチ前後が多く、女性は33インチが一般的です。
4.グリップの太さには流行と好みがある
最近は材質や形状以外に「太さ」がクローズアップされてきました。
以前は太さなどにこだわるゴルファーは少なかったのですが、数年前からPGAツアーで活躍しているチェ・キョンジュ(K.J.チョイ)という韓国の選手が、それまでのイップスを脱出し急にパットが良くなったことから一気に注目されたのが極太グリップです。
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2009年頃から流行し始めた極太グリップは、今やトッププロたちがこぞって使用しています。
今回はそんな「極太グリップ」の知識、そしてメリットやデメリットについて紹介していきます。
使い慣れない人には大きな違和感があります。
太くて平らな面積が上部にあるのですが、そこに指を置いて重さをかけると距離感が合わなくなる傾向があります。
一般的にはグリップのロゴを指で隠さないようにソフトタッチで握るとうまくいきます。
パターの選び方のまとめ
ゴルフのクラブは全部で14本以内と決められていますが、実は『パターとそれ以外』という分類になります。
最終的にカップに入れるパターはスコアメイクの命だといっていいでしょう。
冒頭でも触れましたが、ゴルフコースはパー72、実際の内訳はショットとパッティングは60%:40%だといわれます。
パター1本が40%、その他の13本が60%とは面白い数字です。
アマチュアゴルファーの壁は「100」と言われますから、上記に当てはめると1ラウンドで40パット、1ホール2パットと少しといったところでしょうか。
もしパット数が1ホール1.8ぐらいまでに減ればそれだけで7~8打変わるのですから、やはりパターはスコアメイクに直結します。
ぜひお好みのパターを見つけ、100切りを目指してくださいね。
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