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ダスティン・ジョンソンが433ヤードパー4でホールインワン未遂!~テーラーメイドM4の破壊力

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2018年のお正月、世界のゴルフファンはいきなり想定外のシーンに唖然としたことでしょう。

ダスティン・ジョンソンがパー4(433ヤード)でホールインワン未遂事件(?)を起こしたのです。

事件現場がハワイだったため、日本時間としては昼頃でした。きっとたくさんの方がライブで目撃されたことでしょう。

 

推理ドラマの最後の場面ではありませんが、まさかのシーンに世界中のお茶の間から「No way! 」という興奮した叫び声が上がったに違いありません。 

事の詳細はこの後ご紹介しますが、その時ダスティンが使ったドライバーがテーラーメイドのできたてホヤホヤの「M4」だったということで、「M4」の2文字が一気に世界を駆け回りました。

今回は鮮烈な記憶に残る事件の詳細と、まもなく日本スペックで国内新発売間近に迫ったテーラーメイドの「M4」を徹底取材しました。

国内販売開始は2018年2月16日に決定しました!詳しくは記事下段をご確認ください。

 

ダスティン・ジョンソンという人物

ダスティン・ジョンソン(Dustin Johnson)は33歳で、世界ランキング1位に君臨しているトッププレーヤーです。

ドライビングディスタンスもさることながら、彼の武器は何といっても正確無比なコントロールショットにあります。

平均パット数:3位というスタッツはショット貢献度:1位からきており、当たり前ですがアプローチがカップへ寄れば寄るほどパット数は少なくなります。

 

PGAツアー通算17度の優勝を誇り、2016年には念願の4大メジャーである「全米オープン」を制覇しました。

そして2018年のスタート試合である「セントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズ」でまさか!のショットが生まれました。

 

あと12.8cm、カップインを見たかった!

そのダスティンが最終日の12番433ヤードパー4で、ホールインにもう少しというエキサイティングなスーパーショットをやってのけました。

ティーグラウンドはカパルアの中でも高い場所にあり、風はフォローでした。

M4で弾かれたボールはフェアウェイのダウンスロープで大きく弾み、生き物のように突っ走り、傾斜を一気に下る勢いが衰えません。

 

ボールがグリーンに駆け上がるころ、すでにギャラリーが興奮し始めていました。

右奥に切られたピン一筋に転がって、カップの手前わずか12.8cm(画像判定でボール約3個分)で静止しました。

 

ボールはカップに直進していたので、テレビ観戦も含めほとんどの方はボールが消えるシーンを目に浮かべていたはずです。

今年は芝生の生育が悪く、グリーンを刈り込めなかったので遅くなっていましたから、例年のコンディションならカップインしていたのではないでしょうか。

 

最終日のダスティンは370ヤード以上のドライブを6回も放ち、そのうち2回は400ヤード越えでした。

タイガーの言う「ドライバー400ヤード時代」の幕開けを想起させるショッキングショット連発でした。

 

テーラーメードのM4ドライバーはどこが進歩したのか?

大変な話題になってしまったドライバーをご案内する前に、近年のボールとクラブの進化について触れておきましょう。

初心者の方なら仕方ないことですが、さすがに中級者にもなると「ボールを変えてもクラブを変えても一緒」という方はほとんど見当たらなくなりました。

テーラーメイドの「r7(写真=2006年9月発売)」時代から見れば、その進歩は一目瞭然です。

 

すでにレベルが頂点に達したと思われるプロゴルファーでさえ、ボールやクラブを変えることでスキルが上がっています。

ましてや一般のアマチュアなら、優れたギアの中で自分にあったスペックのものを探すことは、上達のペースに大きな関りを持ちます。

 

ボールとクラブはどれも一緒どころか、タイガー・ウッズは2017年秋の記者会見で、

「このままではドライバーの飛距離が400ヤードになってもおかしくない。8,000ヤードのコースが生まれるのもそう遠くはないだろう」

とまで言い切りました。

 

「M4」がツアーに初登場するという発表に驚き

PGA新年の初戦「セントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズ」は、試合前から関係者の間で「新ドライバーデビュー」の話題がありました。

テーラーメイドが新モデルの「M3」と「M4」を、ツアーに初投入させると発表したからです。

 

この2つの新ドライバーは、なんとアメリカで2018年1月2日に発表されたばかりのクラブです。

その報道にクラブメーカー関係者が驚かないはずはありませんでした。

新年初戦でいきなりダスティンや、(クラブ契約フリーの)ブルックス・ケプカ、ジョン・ラーム(スペイン)が使うというのが意外だったのですね。

そしてダスティンが魅せた「パー4のホールインワン未遂事件」が起きたのですから、テーラーメイドとしては良い宣伝に、プレーを観戦していたファンからは衝撃的なドライバーが出てきた!となりました。

 

「M4」ドライバーとはどんなクラブか?

次にM4ドライバーの特徴的なことを解説しましょう。

テーラーメイドは以前からあるM1モデルの後継でM3を、M2の後継モデルであるM4を世に出しました。

 

ダスティンはこの試合に使用するために、その週の練習日にM3とM4を比べたそうです。

その時はM4で好みのフェードを得るために、ドライバーのセッティングを一目盛りオープンにしたという情報は伝わっていました。

 

セントリーの本試合ではM4に決めます。

シャフトは藤倉ゴム工業スピーダー661 エボリューション2.0 ツアースペックXを差しました。

もしかしてダスティンも試合で未使用の新ドライバーであり、試打の延長線上という感覚があったかもしれません。

それだけにこんなに早く、8打差でぶっちぎりの優勝という結果が出ると思っていなかったことでしょう。

 

ツイスト・フェース・テクノロジー

 

テーラーメイドの説明によると新製品の目玉は二つあります。

最初の「ツイスト・フェース・テクノロジー(正式にはTwisted Face Technology)」を解説しましょう。

この新たな科学技術は一般的なアマゴルファーに最も多いミス、つまりフックやスライスに対応したものです。

 

ツイスト・フェースとはその名の通り、”ねじれるフェース(湾曲している打面=写真)”です。

最近のドライバーはほとんどロールとバルジの細工(表面の丸み)が施されています。

フェースにバルジ(水平方向の曲面)とロール(上下の反り方)がない平面では"ギヤ効果"が消えて大きく曲がります。

ドライバーのギア効果とは?バルジとロールのメカニズムを知って掴まるボールを打とう

最新のゴルフ科学は進化の一途を辿っています。中でもドライバーの研究は理解すればするほど「なるほど!」と唸るものばかりです。
今回は、そんなドライバーに関する理論である「ギア効果」と「バルジ・ロール」の関係性、そして「慣性モーメントの働き」についてまとめてみましたのでご覧ください。

 

テーラーメイドはその基本的な部分に対し、大胆な思いを込めM3、M4に臨んだのです。

過去数百年にわたる研究結果として行き着いた「バルジとロールの関係」に問題あり!と異を唱えたのですね。

そんな当たり前といわれたギア効果に、疑いの目を向けたエンジニア根性が「アッパレ!」でした。

 

バルジ・ロールに追加した「ひねり」で進化

 

最近流行りのヘッドの大きなドライバーは、芯を大きく外した時でもギア効果で若干救われるものの、よじれが引き起こすスピン・ファクターが影響してボールはスライスしたりチーピンになります。

テーラーメイドの研究陣はその点に着目しました。

 

一般的なドライバーのフェースでは、バルジもロールもかなり単純な作りになっています。

・トゥ(先っぽ)の上でヒットすると、平均7~8ヤード左に飛びスピン量も少ない。
・ヒール(かかと)の下側に当たると平均5~6ヤード右寄りに飛んでスピンも多い。

この発見が「ツイスト・フェース・テクノロジー」を生みます。

 

M3、M4にはこのロールとバルジを進化させ、上記のようにフェースに最初から“ひねり”を施して曲がりにくくした新しいアイディアです。

・スイートスポットから15mm 上15mm トゥの位置で、0.5度ロフト角が増え、 0.5°フェースがオープン
・スイートスポットから15mm下15mmヒールの位置で、0.5度ロフト角が減り、 0.5°フェースがクローズ

これが「ツイスト・フェース・テクノロジー」の基本になっています。

この複雑な加工をするためには、フェースをねじることしかないということに到達しました。

 

「ハンマーヘッド・テクノロジー」が生かされて飛距離重視に

画期的な新製品のふたつ目の特長は「飛距離重視」の設計だということです。

軽量化したのに飛ぶのはちょっと矛盾しているようですが、ヘッドにプリントしてある「ハンマーヘッド・テクノロジー」という、かなり進んだ先端技術が込められているからです。

 

M4コンポジット系ドライバーの特徴には以下の点があります。

・M3よりヘッド(カーボン)が15グラム軽い(以前のモデルの可動ウエイトはなくなりました)
・M2よりフェース(チタン)が17パーセント軽い(かなり薄くなってますね)
・ヘッド後部に41グラムの固定ウエイトがある
・M4はヘッド460ccのみ

これらの研究の成果は初速の向上になって実現しました。

 

「M3」と「M4」国内発売日は?

スピードポケットの進化形、3分割した溝の組み合わせで、スロットの長さを22パーセント向上させたことが、ボール初速をグッと上げて中弾道で飛ばすことにつながったのです。

 

かつてのダスティンは「飛ばすけれど曲がるヒト」という印象でした。

M4はやさしさと飛距離性能が大分良くなったドライバー、ダスティンのパー4エース未遂事件も、その新テクノロジーの恩恵にあずかっていることが伺えます。

テーラーメード社は1月9日に記者発表しただけで”2月中に発売予定”としかわかっていません。

日本モデルは2018年2月16日で決定しました。

 

エース未遂のテーラーメード「M4」のまとめ

ツアー初登場の「M4」はそんな鮮烈デビューを飾りました。

しかし、試合終了後の記者会見では、

「あのショットは100%の手応えではなかった。大目に見ても90%の当たりだった」

と語りました。「M4」恐るべし。

 

とはいえ、M4は世に出てからまだ日も浅く、さらにプロゴルファーが良い結果を出したからといってアマチュアでもその通りになるかといえばそんなことはありません。

ドライバーは決して安い買い物ではないことと、そう頻繁に取り替えるクラブではないので、ご購入の時はじっくり情報を集め、何度も納得するまで試打して慎重にお決めになることをおススメします。

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