ゴルフは一生涯を通して楽しむことのできる数少ないスポーツです。
それだけに「彼は30年来のゴルフ仲間だよ!」なんて素晴らしい言葉を聞くこともあります。
でもその方の性格がすぐに分かってしまうのもゴルフです。
普段は冷静なのにミスショットをして声を荒げてしまう人、明らかにスコアを過少申告してくる人などとは長くお付き合いできないばかりでなく、ラウンド途中でこちらが滅入ってしまうかもしれません。
そんなわけで、今回は「好かれるゴルファーと嫌われるゴルファー」ってどこがどう違うかの特集です。
「人の振り見て我が振り直せ」
どうせゴルフを趣味にするなら、楽しく遊びたいし好かれるゴルファーになりたいですよね。
ゴルフで嫌われる人ってどんな人?
ゴルフはまぎれもなく”個人競技”です。
実は、だからこその配慮も必要なのです。
ほとんどの場合、一人だけでプレーすることはありません。
同じ組には自分のほかに複数名の方がご一緒してくれる、いわば自分のパートナーでもあります。
さらに同じコースには何十組かわかりませんが、同時進行している組があります。
ゴルフを心ゆくまで楽しむためには、個人競技であってもその方たちにも気を使うこと、直接的間接的に迷惑をかけては自分自身も楽しくなくなってしまいますからね。
プロの世界ではなく、アマチュアならあくまでも和気あいあいとみんなで楽しさを共有したいのは同じ気持ちです。
では、ズバリ具体的に「好かれるゴルファー、嫌われるゴルファー」とはどんな方なのか?
具体的な例を挙げて解説していきます。
自分の殻に閉じこもる
ティーグラウンドにて、同伴者のショットに的を得た言葉をかけてもらうとうれしいものです。
好かれるゴルファーは良いショットには「今の良かったねぇ~」とか、「今日イチじゃないかな」などと本人もナットクできる言葉で褒めてくれます。
かつて同伴者のショットに一日中一言も反応しない方を見たことがあります。
後から聞けば悪気があったわけではなく、ゴルフになると自分の殻にドップリこもるタイプなんだとか。
あまり誘われないのでいつも一人予約、ゴルフ仲間はいませんとのこと。
これでは楽しくなるはずもありませんね。
小さな喜びを共有しないからで、ゴルフの基本中の基本『ゴルフは楽しく真剣に』の前半部分がゼロです。
とはいうものの、他人を褒めるのは意外と簡単ではありません。
ナイショ~~とかグッショ~~はいいのですが、相手のレベルに比して良かったかどうか、妥当な評価で声掛けできれば誉め言葉もハイレベルです。
また、褒められても「当たり損ねかな?」などと受け流して言い訳すると嫌われるゴルファーのグループに入りますから、褒められたら素直に感謝の言葉を出すべきですね。
とにかく自慢したがる
好かれるゴルファーはあまり「ゴルフ自慢」を口にしませんね。
一方、嫌われるゴルファーで
「この間プロと回ってさぁ、オレのほうが飛ばしたんだよね」とか、有名人の名前を頻繁に出して「アマチュアのとき一緒に回ったけどオレの方が良いスコアだったよ」などという話を自慢げにいう方もいますが感心しません。
聞いてるだけで辛くなってきます。
ゴルフの名言には
「アイアンの飛距離自慢する奴は友達になれない」
という良く知られたものがあります。
アイアンだけでなくドライバーも含め、飛距離を自慢してもそれがどうかしましたか?ということになってしまいます。
もちろん「はじめて90台に乗せたとき」などは本人はとっても嬉しいでしょうから、聞いてる側としてはその気持ちは汲み取ってあげましょう。
誤魔化す・嘘をつく
好かれるゴルファーは自分に厳しいゴルファーで、嫌われるのは自分に甘く他人に厳しいタイプということもあります。
救済を受けるときも、自分がほんの少しでも有利にしない高潔な態度は好感と信頼感が伝わります。
ゴルフは自分自身がジャッジメントしなければならない競技です。
そして、ウソがいくらでもそっくり通せるという側面があります。
「8打」でも「6です」といえば記録上は「6」です。
池に入れてもウォーターハザードの境界を横切った場所など無視して、「この辺だったかな?」でプレーは続行します。
空振りでも素振りといえば素振りですからね。
その意味でもルールをよく理解していないと、誤魔化すつもりはなかったのに自分に有利にジャッジしたと誤解されかねません。
マナーやルールはスコア以上に大事なことです。
ルール・マナーに関してはこちらの記事が参考になります。
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【保存版】初心者が知っておくべきゴルフルールまとめ/池・バンカー・ティグラウンド・グリーン
ゴルフは「あるがままに打つ」の大前提ですが、そのまま打つことができない時に「救済」の意味で数々のゴルフルールが存在します。
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同伴者への配慮が無い
好かれるゴルファーは、さりげない配慮をいつも心がけています。
グリーンにのったボールをマークすると、そっとボール拭きの布を差し出してくれたり、自分のパターも同伴者のパターも全部カートから運んでくれたりします。
バンカーで荒らした後を直していたら、「あなたが一番遠いからね、私が直しておきましょう」とレーキをそっと引き取ってくれたりという細やかな心遣いをします。
初心者の方がプレーにいっぱいいっぱいになっていると、ピンを抜いたりグリーン外にそっと置いたり、また全員がホールアウトしたらそれとなく持ってきてカップに刺してくれたりの心遣いがあります。
嫌われるゴルファーは、グリーン上での無頓着ぶりもあきれるものがあります。
他人のパッティングラインをシューズで踏み荒らすのを手始めに、ライン上に落とした自分の影を無視する、ほかの方のラインの延長線上に立つ(最悪は後方正面で眺める)など傍若無人のありようです。
好かれる嫌われる以前に、マナーやルールを軽視していては始まりません。
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ゴルフのグリーン上でのマナー「やってはいけない10の約束事」
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今回はグリーン上で知っておきたい10のマナーをピックアップしてみましたので、ぜひ実践の参考にしてください。
中には、1m以上もオーバーしたのに自分でOKを出してパターでかき寄せて拾い上げた方がいて開いた口がふさがりませんでした。
キレて雰囲気を悪くする
ゴルフの楽しみ方は人それぞれですが、周りに不快な思いをかけないというのはルール以前のことです。
まったく配慮のない一言で相手を傷つけることがあるということを知らねばなりません。
また、ゴルフを競技志向でしか考えない方も嫌われるゴルファーの仲間になる要因です。
パーやボギーの時はまだ抑えが利いているようでも、たまの大叩きに「キレる」タイプは困ったものです。
ゴルファーの多くはエンジョイ志向であることも知らないといけませんね。
確かに最善を尽くしているのでしょうが、良いスコアを出したいという一心で周りが見えなくなったら困るのは同伴者です。
お互いに貴重な時間とお金を使ってラウンドしているわけですから、その日に集う仲間が仲良く楽しめなかったら損をさせているということには気づくべきですね。
真剣さは評価できても、態度が硬化してキレてしまいクラブを地面に叩きつけたり、乗用カートを足で蹴ったりするようではゴルファー以前に人間としていかがなものでしょう。
同伴者がいかに不快になるか理解していませんね。
教え魔・レッスン魔・おせっかい
比較的女性ゴルファーと同伴する男性ゴルファーに多いのがこの「教え魔」です。
何ショットかに一度、必ずレッスンが入る光景を時々目にしますが良いことではありません。
教える方は親切のつもりであり、ご当人は自己満足しています。
この嫌われるゴルファーの代表になっている方は、迷惑だと感じる教わる側の気持ちと、同伴者の批判的な目線に気づいていません。
たしかにゴルフは個人プレーではありませんが、ある意味一組の団体ゲームと考えていいでしょう。
教え魔が手取り足取り教えている間に、前の組とひとホールあいてしまったなどあってはならないことです。
そもそも、口頭でのアドバイスも含めて明らかなルール違反です。
仲間が打っていてもおしゃべり
おしゃべりが好きな方でKYの方はとくに目立ちます。
ご本人は極めて普段通りのマイペースというのも困りものですね。
仲間がティーショットに入ってもおしゃべりが止まる雰囲気がありません。
当然ショットするとき耳に入ってくるので気が散ります。
他人の声や物音に対しては、その人ごとに気にするタイプと気にしない方と二通りあります。
良くおしゃべりする方はそれが自分のスタンダードなので、ご本人もあまり気にならずエチケット違反だという認識がないようです。
一番困るのはグリーン上です。
おしゃべりは留まることもなく、他人が打とうとすると「右に曲がりそうだね」とか有難迷惑なことをツイートします。
携帯電話で堂々と会話する
最近の携帯電話は実に便利です。様々なアプリは上達の助けになっていて、いまやゴルファーの必需品になりました。
ただし、やってはいけないのはプレー中に会話をすることです。
以前、テレビでよく拝見する方とご一緒する機会がありましたが、プレー中にコールがあり同伴者を気にするそぶりもなく、前の組が遠くまで行ってしまっても延々と長電話をしていました。
基本的にゴルフは余暇を楽しむもの、それほど重要案件を抱えていて他人に迷惑を及ぼすなら、プレーする日の選択を誤っています。
先日はフェアウエイを歩きながら、楽しそうに笑いながら通話している方を見ましたが、やはりオンコースではマナーモードで留守電にしておくべきでしょう。
最近はコース内だけではなく、クラブハウスでも通話するときだけ特定の場所が用意されていることが普通になっています。
仲間のボールを捜索しない
同伴者の誰かがOB周辺や林に打ち込んだときは一緒に探すのがエチケットです。
どんな時も他人のボールは探すことなく、自分の時に捜索を要求する方は嫌われるゴルファーとなるでしょう。
ボールを探しても見つからないときに、キャディさんのせいにする方もいますが、それはお門違いです。
ゴルフは自分との戦いだという、ちょっとストイックな言い方もありますが、ミスの矛先をキャディさんに向けるのは全く逆ですね。
最初に、そんな見つけにくい場所に打ち込んだのは誰かを認識する必要があります。
むしろキャディさんは味方につけるべきです。
自分がエチケットを重んじ、自分に厳しく他人には寛容な方は好かれ、コースの良い点を褒めてキャディさんの心配りに感謝することで一層楽しくなります。
プレーファーストの意識が足りない
スロープレーが身についてしまっている方は困ったものです。
プレーの進行に全くの無頓着、スタート時点からプレーファーストの気持ちが欠如している方がいらっしゃいます。
そういった方の場合その日だけではなく、毎度毎度そんなプレースタイルが恒常化しています。
ティーショットの順番が来てもカートに座りっぱなし、名前を呼ばれてからやっと立ち上がってグローブを探したり、おもむろにカートの後ろに回って自分のドライバーをとりに行きます。
同伴者たちは前の組がはるか彼方に行っているので気が気ではないのですが、ひとり違う世界にいたりすると良いリズムでプレーできません。
イラっとしたせいで自分がミスショットすると、気分はさらに落ち込みます。
好かれるゴルファーと嫌われるゴルファーのまとめ
ここまで解説したことをまとめると、好かれるゴルファーは自分も楽しみたいから周囲に配慮するという気持ちを持っているようです。
逆に嫌われるゴルファーの共通点は残念ながら自分に問題があるのに自覚を持っていないということになります。
誰かに教わらないと直せない何か、よくよく考えればゴルフのスイングのことも、社会全般のことにも共通しているのかもしれません。
長くなってしまいましたのでまとめると、
ゴルフで嫌われる人の特徴
- 自分の殻に閉じこもる
- とにかく自慢したがる
- 誤魔化す・嘘をつく
- 同伴者への配慮が無い
- キレて雰囲気を悪くする
- 教え魔・レッスン魔・おせっかい
- 仲間が打っていてもおしゃべり
- 携帯電話で堂々と会話する
- 仲間のボールを捜索しない
- プレーファーストの意識が足りない
いかがでしょう。気付かれたかもしれませんが、プレーの良し悪しで嫌う人なんて一人もいません(中にはいるかも知れませんが特殊な人です)。
私たちの日常生活に置き換えてみても全く同じことが言えます。
ゴルフは一緒にプレーしている人とのコミュニケーションが楽しさに繋がります。
そもそも思うようにいかないスポーツですから、愚痴も言い訳も出ます。自慢できるショットなら嬉しさ満開、見ていた同伴者に褒めてもらえば心が通い合います。
自分がされたら嬉しいなと思うことを実践し、こうされたら嫌だなと思うことをしないだけで、ゴルフという非日常的空間がさらに楽しくなることでしょう。
お互いにゴルフをやるなら、「あの方とまたご一緒したい」といわれるゴルファーになりたいものですね。