練習場ではミスなく打てるのに実践コースではさっぱり…
スイングフォームも綺麗だし特に変なクセもないのに、なぜか本番になるとトップやダフリばかりで未だにスコア100を切ることができない…
こんな方を「練習場シングル」と揶揄することがありますね。
「ゴルフは楽しんだもの勝ち」ですから別に落ち込むことはありませんが、できれば本番でも打ちっぱなしのように気持ち良いショットを連発したいものです。
そこで、練習場シングルを卒業するために必要な考え方や練習方法について具体的に解説をしていきます。ぜひ次回のゴルフでは仲間をあっと驚かせましょう。
練習場シングルの3つの特徴
打ちっぱなし練習場では良いショットばかり連発するのにゴルフ場ではミスばかりしてしまう方には共通の特徴があります。
同じクラブで何球も打つ
練習場シングルの中で最も多いのが「同じクラブで数10球も練習」している方です。
ドライバーを立て続けに打つシチュエーションはOBを連発している時ぐらいしかありませんし、アイアンなども同じ番手ならせいぜい3回連続が限界値でしょう。
クラブはそれぞれに長さやシャフトの硬さ・ロフト角などが違いますので、前傾姿勢の角度やボールを置く位置などが微妙に変わってきます。
このちょっとした違いを意識せずに練習を行っていても、本番ではなかなかうまくいきません。
弾道に伸びがない
練習場ではうまくいっているのに… と思っている方も、実はそのほとんどが「うまくいっていないショット」の可能性があります。
練習場のマットは硬いので、多少ダフってもソールが滑ってくれるのでミスをミスと気付かない場合があります。
こういったショットはボールをフェースの芯で捉え切れていないので、弾道のひと伸びがありません。
リズム・テンポが悪い
本番でミスショットをしてしまう人の特徴に「決まったルーティンがない」というのもあります。
ですから、アドレスに入った時にしっくり来ずにボールの位置やフェースの向きなどを確認し始めたりと、様々なことを考えてしまいます。
余計なことを考え始めると、今度は「これで打てるのか?」と不安になってしまい、練習とは違ったバラバラなスイングとなってしまいます。
本番でミスをしてしまう理由
練習場シングルの方が本番でミスしてしまう理由は、練習方法以外にもあります。
メンタルによるもの
「スタート前の練習も絶好調!今日はなんだか良いスコアが出そうだ」という時に限って散々なスコアだった、なんてゴルフあるあるがあります。
これはメンタルによる失敗の良い例です。
ゴルフは「ミスをいかに少なくするか」という側面を持ったゲームです。言い換えれば「ミスは出て当たり前」で、満足いくショットなど100回打って2~3回あれば良い、という心構えが必要です。
にもかかわらず「今日は絶対にOBしない」とか、「残り180ヤードをベタピン狙い」なんて自分の許容範囲を自ら狭めてしまい、失敗することでさらに落ち込んでしまいます。
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傾斜や芝の影響を計算していない
ゴルフ場において(ティグラウンドを含め)まっ平らな場所など存在しないと思った方が良いでしょう。
一見平らに見える場所も芝の高さが揃っていることなどほぼありませんし、ちょっとしたつま先上がりなどの傾斜によって普段と同じように打てる場所はありません。
こういった少しの違いを気にせずにショットし失敗をしてしまうと「今のはどこが悪かったんだろう?ボールの位置かな?それともスイングプレーンかな?」と疑心暗鬼になってしまいます。
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景色の錯覚を意識していない
ゴルフ場の設計者は「いかに錯覚を作り出すか」ということに長けていて、常にゴルファーにプレッシャーをかけてきます。
何気ないストレートのパー4が、たった1本の木を配置するだけで激ムズコースになることだってあります。
主観(ゴルファー目線)でコースを見ることも大事ですが、俯瞰(コースガイド)でそのコースを見る第3の目を養うことも大切です。
練習場シングルを卒業するには?
それでは練習場シングルを卒業するための練習方法を紹介していきます。
誰でもすぐに実践できるものばかりですので、ぜひあなたの練習方法に加えてみてください。
ルーティンを見直す
ルーティンを決めるということの有効性は脳科学でも認められており、過去の成功体験を再現させるといった効果もあります。
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ミスショットを少なくするには「いつも同じスイング」を再現できる能力が必要ですが、そのためにはしっかりとしたルーティンワークが欠かせません。
今回はおススメのルーティンとスイングの再現性を高める方法を解説していきます。
参考までに簡単なルーティンについて紹介します。
- ボール後方から狙う場所を見る
- ボールの弾道をイメージする
- アドレスしたら軽く2回素振り
- 迷わずに1.2.3で打ち出す
最初はこのくらいで良いでしょう。重要なのは「全てのクラブで同じルーティン」を繰り返すことです。こうすることでショットの再現性が上がってきます。
本番さながらの練習を
さきほど「同じクラブで何球も打ってしまう」ことについての是非を紹介しました。練習始めの身体慣らしには良いですが、温まってきたら本番と同じようなクラブ選択で練習していくことをオススメします。
はじめはドライバー、次にユーティリティ、7番アイアン、ピッチングウェッジ、サンドウェッジというように、実際のコースと同じように次々とクラブを替えていきます。
さらに効果的な練習として「本番のコースをイメージしながら」打つという方法もあります。
このように実際のコースをスマホで写真を撮っておいてショットの度に見返すと、よりイメージが湧きやすくなります。
ボールを直接インパクトするクセを持つ
どんなシチュエーションでもダフることのない効果的な練習方法があります。
それは「ティアップしてショットする練習」です。
少しでもダフってしまうとクラブにティが当たってしまうので、ボールは全然飛びません。反対にしっかりとダウンブローでボールを捉えることができれば、ボールは綺麗な放物線を描いてそのクラブの理想的な飛距離が出るようになります。
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スコア分析も上達の近道
どのレベルのゴルファーでも、パッティングスコアは全体スコアの40%弱を占めることが多いです。
またアマチュアゴルファーであれば、グリーンまで残り20ヤードの距離を含めたスコアは全体の55~60%近くにも上ることが多いようです。
この「残り20ヤード」という距離の練習をないがしろにしてしまっていては、言うまでもなくハイスコアは望めません。それどころかアプローチとパターのミスを挽回しようと、次のホールでは力んでショットをしてしまい、ミスがミスを呼ぶ展開になってしまうことも。
過去数ラウンドのスコア分析で自分の苦手なシチュエーションを把握し練習すべき項目を洗い出す作業をすることも、スコアUPへの上達の近道となります。
度胸を決めて手打ちにならないスイングを
ゴルフは楽しいゲームです。
肝心な「遊んで楽しむ」というキーワードを忘れてしまうと100の壁は厚くなり、またメンタルの部分でも不利になってしまいます。
「寄せなきゃ」とか「右に曲げちゃいけない」などという心理状況では、体が縮こまり手打ちになってしまいます。
むしろ「寄ったらラッキーだな」「行方はボールに聞いておくれ」と開き直る心がプラスに働き、そんな時こそナイスショットになるものです。
失敗するにせよしないにせよ結局打つわけですから、その後の結果は気にせずに度胸を決めて気持ち良くショットしたもの勝ちです。