昔はゴルフといえば、注文なしにキャディさんがつくものでした。
ゴルフの人気沸騰期の1980年代は人手不足解消のため、地方からの大挙募集でコースの片隅に大きな女子寮なども建設されていました。
その景色も、今やセルフ用のカートがズラッと並ぶという具合に一変しました。
今回は「セルフプレー」に関する情報をまとめてみました。
セルフプレーとは何か、注意すべき点はどういうところか、またセルフプレーで持って行くべき道具などについても解説していきます。
一般ゴルファーに定着したセルフプレー
ゴルフは年々大衆化しています。
かつてのキャディさん付きは一定の高級コースに定着しているものの、圧倒的多数のコースはセルフプレーを認めています。
プレー代金もその分安く設定してあり、初心者ならラウンドの回数を稼ぎたいから多少不便でもセルフに限るという考え方が一般的です。
気軽にプレーをするという意味でも、見ず知らずの人がラウンド中にいないほうが気楽で良いという考え方の方も多いようです。
また、ゴルフは基本的に自分がジャッジしなければいけないので、ゴルフ本来の考え方に則れば「セルフプレー」は正しい姿です。
セルフプレーのメリット
セルフプレーは気楽な分すべてを自分で行う必要がありますので、ある程度プレーに慣れてきてからセルフを選択するというパターンが多いみたいですね。
それでは、まずはセルフプレーのメリットから見ていきます。
メリットその1~費用を安く抑えられる
一般的にキャディさんが付く場合とセルフプレーで回った場合、一組10,000円前後の価格差となります。
4サムで回った場合は2,500円前後変わりますから、プレー代を安くしたい方にとっては非常に大きな金額となりますね。
最近はセルフプレーが主流になってきていますから、キャディさんの確保が難しいという面でもその価格差が広がっているゴルフ場もあります。
メリットその2~気を遣わなくてよい
せっかく楽しみに来たのですから、他人に気遣うことなくノビノビとプレーしたいものです。
キャディさんはいわば「他人」ですから、気になるという方もいらっしゃると思います。
セルフプレーはそんなことも考えずに楽しむことができます。
ただしエチケットやマナーを守らなくても良いという訳ではありませんのでご注意を。
メリットその3~自分と向き合うことができる
キャディさんがいない分、どうしても自分へのジャッジが甘くなりがちです。
しかしそれこそが「ゴルフは紳士淑女のスポーツ」と言われる所以であり醍醐味でもあります。
ゴルフは腕前を披露するためのスポーツというより、自分に対して真摯に向き合えるかということのほうが重要視されています。
打球が「ギリギリOB杭の外側で誰も見ていないような状況」でも、しっかりと「OBでした」と申告できるプレーヤーになれるとカッコいいですね。
セルフプレーのデメリット
気楽でお手軽なセルフプレーですが、反面デメリットもあります。
デメリットその1~すべて自分でやらなければならない
残り200ヤードでフェアウェイウッドを持ってきたけどチョロってしまった!
そんなときカートに戻るのが面倒で、170ヤードの距離をもう1回フェアウェイウッドで打ったら、今度は真芯に当たってグリーンオーバー…
こんな経験ありませんか?
キャディさん付きだと次に使うクラブを事前に数本用意して持ってきてくれます。
他にもリモコンが付いていないカートのとき、カートが遠いと取りに行くのが面倒ですが、キャディさん付きならすべて運転してくれます。
デメリットその2~はじめてのコースだと困ることが結構ある
はじめてのコースで、しかも起伏が多くてブラインドホールばかりだと、せっかく打ったナイスショットが行方不明になるなんてこと、しょっちゅうあります。
キャディさんはそのコースに長けていますので、おおよそどの辺に行ったか理解しています。
またロストボールになったとしても、キャディさんはかなりの確率で見つけてくれますので、ボールをたくさん無くしてしまう人はむしろ安上がりになるかも知れません。
デメリットその3~初心者だとエチケットやマナーが身に付きにくい
「初心者はキャディさん付きを選んだ方が良い」
と言われる多くの理由はコレです。
バンカーの直し方やディボットの目土、プレーファーストを行うための心得など、キャディさんを見ていればすぐに習得することができます。
もちろん同伴プレーヤーがしっかりとした知識を持っていれば良いのですが、大衆化してきた反面、エチケットやマナーを知らないプレーヤーが増えてきていますので、中級者でもキャディさん未経験という方は一度選択してみることをオススメします。
ゴルフのセルフプレーで持って行くべき道具とは?
続いてセルフプレーで重宝される道具について紹介していきます。
必ず必要な「必需品」と持って行くと「便利なグッズ」に分けてみました。
必需品その1~ドリンクは多めに持って行く
夏場なら当たり前のように持って行くドリンクですが、涼しい時期でも必ず持って行くようにしましょう。
ゴルフはハーフ(9ホール)ごとにクラブハウスに戻るルートで設計されていますが、ハーフで大体2時間ほどかかります。
長い距離を歩いたり斜面を行ったり来たりすると思った以上に汗をかきます。
脱水症状にならないためにも、飲まないだろうと思っても携帯しておくことをオススメします。
途中で自動販売機などが設置されている場合もありますが、「ゴルフ場の自動販売機は高い」ので持参したほうが良いですね。
必需品その2~ボール・ティー・グローブも多めに
ボールはたくさん持ってくる方が多い一方、ティーやグローブなどの予備はないという方をよく見かけます。
ショートティーは無くてもプレーへの影響はそこまで出ませんが、ロングティーがないとドライバーのティーショットがうまくいかないので致命的です。
またゴルフ場は天候が変わりやすく、もしグローブが濡れてしまうとクラブをうまくグリップできずに、場合によってはクラブがすっぽ抜けて事故につながる恐れもあります。
最低も予備で2セットは用意しておきましょう。
GDO(ゴルフダイジェスト・オンライン)のようなゴルフ専門のポータルサイトでまとめ買いをしておけば、ポイントも貯まりますし、万が一破れてしまった時などに困ることはありません。
必需品その3~タオル数枚
タオルは汗拭き用とボール拭き用の2種類を持って行くとよいです。
カートにも共用のボール拭き(雑巾)がついていますが、自分専用があればグリーンオンしてマークしたらポケットに忍び込ませておいたミニタオルでボールを拭くことができます。
便利グッズその1~距離測定器
最近は乗用カートにGPSがついていることが多く、個人用のGPS・距離測定器がなくてもある程度は大丈夫です。
ただGPSのないカートもあり、自分のボールの位置からグリーンエッジまで、あるいはグリーンセンターまではいくつかを知るには持参したほうがいいでしょう。
時計タイプで高性能な距離測定器もありますので、正確な距離を知りたい方はひとつ持っておくことをオススメします。
ショットナビの詳しい説明はこちら
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距離計測機「ショットナビ」のオススメ種類は?腕時計・液晶・音声機能を比較してみた
ゴルフの飛距離測定にオススメなのが「ショットナビ」です。
主に腕時計・全面液晶・ハイブリッドの3タイプがあり、それぞれプレーヤーの目的によって使い分けることが重要です。
それぞれのタイプのメリト・デメリットをまとめてみましたのでご覧ください。
便利グッズその2~セルフスタンド
自分の2打目地点以降、カートからボールに向かうときは必ず候補になりそうなクラブ2~4本程度は持っていきましょう。
行ってから戻るのはスロープレーになるのでNGです。
またセルフの時に起こりやすいのが”クラブの置き忘れ”です。
一番多いのがグリーン周りで、パターを持っているから安心してしまうのでしょうが、アプローチに使ったクラブを忘れて次のホールに向かったというケースは後を絶ちません。
こういったときに重宝するのがセルフスタンドです。
小型のバッグでクラブを4~5本入れることができますから、100ヤード圏内で使うクラブなどをまとめて入れておくと「持ってき忘れ・置き忘れ」を防止することができ便利です。
便利グッズその3~小物入れ
小物入れには「ボール1ダース・ティー10数本・グローブ数枚・ドリンク2本」程度入る大きさのものを選びましょう。
またスマホなども持ち歩く方が増えてきていますので、複数のポケットがついていて小分けにできるものの方が便利です。
便利グッズその4~日焼け止め
ツバつきキャップに半袖シャツで1日中プレーをすると見事な日焼け跡が残ってしまいます。
日焼け止めにはいろいろな種類がありますが、オススメなのが化粧水タイプの日焼け止めです。
通常のタイプだと塗った時にベタベタしたり白い跡が残ってしまうことがありますが、化粧水タイプの日焼け止めならサラサラしていてベタつき感もないので良いです。
Snipe ココサンシャイン 化粧水ベースの日焼け止め用クレンジング
セルプレーのオマケ
セルフプレーでこんなことがおきました。
同伴者がなんとエース(ホールインワン)を達成したのです。
その瞬間から興奮のるつぼ、もうお祭り騒ぎです。
でもどうしたんでしょうね、打った本人は浮かぬ顔をしています。
その理由はホールインワン保険でした。
じつは、素晴らしいホールインワンもキャディさんがいてサインしてくれないと証明にならないのです。
ガッカリの一幕でした。
もうひとつ、セルフプレーでの大事なマナーがあります。
それは同伴競技者のボールの行き先はシッカリ見てあげることです。
初心者の方は自分のことでいっぱいいっぱい、その暇はないという方もいらっしゃると思いますが、セルフプレーだとどうしても打球を見失ってしまいがちです。
1人より2人、2人より3人の目で見てあげればロストボールの確率はグッと下がります。
またボールの行き先の見定めがあると、プレーの進行を早くすることになります。
また、最初にグリーンに乗せた人はほかの方のパターを運んであげるなどの配慮も忘れないようにしましょう。
セルフプレーのまとめ
セルフプレーに関連して「スルー」という方法もあり、一部のコースでは取り入れています。
スルーは18ホール途中休憩やランチタイムなしでラウンドすることです。
ゴルフ本来はこうあるべきで海外では常識ですが、バブル期に興隆したゴルフが日本では「当たり前が当たり前ではない」状態になっていたんですね。
以前に比べセルフプレーは格段と安くなりましたが、各ゴルフ場の競争もあってこれからさらに安くなってくるでしょう。
前述のスルーならランチは要らない、レストランもなしで人件費も下がる、デカい風呂などシャワーにしてしまえば経費も下がります。
もっともっとたくさんの人が訪れて、みんなが楽しめるゴルフになってほしいものです。