ゴルフの始め方

強い子供を育てる「ゴルフの教育力」~ファースト・ティ・プログラム

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ゴルフでこどもたちを教育?

ゴルフのクラブやボールに全く触れたご経験がないパパやママは、この言葉の意味は理解しがたいかもしれませんね。

ゴルフ経験者なら「正直が基盤となっているゴルフの精神」をご存知ですから、ゴルフが楽しいゲームであると同時に、メンタル的に強くないといけないことを承知しています。

あるいは今回ご紹介する「ファースト・ティ・プログラム」のことをご存知かもしれませんね。

 

強くやさしい子供に育てたいと願うのは親の本音です。

「友達や先生にウソをついてはいけないよ」と幼少期に教えます。でも、子供の心はまだ成熟していないので、つねに誤魔化して逃げのスタンスに傾きたがります。

最近脚光を浴びている「ファースト・ティ・プログラム」が幼少教育に向いているのは、人間として生きていくための能力を学べるからです。

ウソをつくこともできるゴルフの世界で我が子を泳がせることは、ごく自然に弱き心をくじき、人生の価値を知る訓練になります。

 

世界中で活躍し、一時世界ランキングトップにも君臨していたこともある宮里藍さんは「ゴルフが、弱い私を強くさせてくれた」と語っています。弱かった頃の藍ちゃんなんて想像もできないですね。

今回は技術以外のところでも子供のためになる「ゴルフの教育力~ファースト・ティ・プログラム」のお話です。

 

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ウソをつくことができるゴルフ

 

子供のころ、親に叱られてウソをつこうとした経験のない方はあまりいないかもしれません。

 

そもそも人間は生まれついての脚本家なのだといった有名な教育者がいました。子供がその場を一時的に取り繕うとするのはごく自然なのです。

しかし、誤魔化す心は弱気から生まれ放置しておくと「常態化」し、やがて自分自身のコントロールができなくなって、抵抗感が消えていきます。

このような悪い習慣は、子供のころに訓練すると簡単に修復できることは良く知られています。

 

ゴルフではウソが通用すると冒頭で述べましたが、それは他のスポーツのように審判がいないからです。

ルールはありますが、たとえば本来ペナルティを課さなければいけない場所にボールを打ち込んでしまっても、「誰も見ていないから」とウソをつくことが可能なのもゴルフならではです。

人が見ていなければボールを打ちやすいところに移動する、スコアも「8打」を「6打です」と申告すれば通ってしまいます。

 

自制心を養う

大人になり社会に出ても、その場を取り繕うためにウソをつく方は残念ながら多くいらっしゃいます。そのウソはやがて取り返しのつかない大きな事件として跳ね返ってくることでしょう。

他にも周りに嫌がらせをしたり、人を見た目で判断し見下すような失礼な態度、チームの一員なのに自分はサボってばかり、なんて大人も沢山いますね。これら全てとは言いませんが、多くの原因は幼少から思春期にかけての環境が影響しています。

 

ゴルフのルールブックには序文に「ゴルファーはみな誠実であり、故意に不正をおかす者はいない」という基本的な考え方のもと成立しているスポーツだと記載されています。

紳士のスポーツと呼ばれる所以ですね。

これから人格を形成していく子供たちにとって、ゴルフは「人を重んじる」「誠実で自制心を持つ」のに最適な教材であり、強い力を育むのにもってこいです。

 

全国の親が熱視線を注ぎ始めたファースト・ティ・プログラムとは

 

”ザ・ファースト・ティ(TFT)”とは、1997年に始まったアメリカ・フロリダ州の世界ゴルフ殿堂『ワールド・ゴルフ・ビレッジ』にある非営利団体が本部です。

開催拠点は1,200カ所を超え、2万人のボランティアと1,000人もの男女プロゴルファーが指導し、すでに1,300万人以上の子どもたちが参加しています。

名誉会長には元アメリカ大統領のジョージ・W・ブッシュ氏が就任しています。

 

アメリカでは体育の授業で正課に取り入れられているメジャーな取り組みで、そのミッションは

「ゴルフを通じて子どもたちの人間形成と人生を豊かにする価値観を育むこと。将来の人生に良い影響を与え、健全な判断力を培うこと」と定義されています。

アメリカで大きな成果が上がったため、日本では2011年にそのためのNPOが立ち上がり、2015年4月からジュニアゴルファー教育のプログラムが開始されました。

 

2018年現在のアンバサダーは宮里優作プロが務めています。

 

ゴルフの精神を生かした「ナイン・コア・バリュー」

 

「ファースト・ティ・プログラム」と、全国各地にあるジュニアスクールのように、うまくなるために特化した技術指導中心ではありません。

プロを育てようという路線ではなく、ゴルフを通じて子どもたちに「ライフスキル」、つまり正しい人間の生き方を学んでもらおうということなのです。

 

子供たちにとって、なぜこの世に生まれてきたのかは生涯の謎です。

いったいどう生きていくのが幸せなのか、どうしたら社会の役に立つ人間になれるのか、子供なりに考えます。

「ファースト・ティ・プログラム」はそんな正しい生き方のガイドになろうと「ナイン・コア・バリュー」を決めています。

ゴルフの本質をうまく取り入れ、

  • 正直
  • 誠実
  • スポーツマンシップ
  • 尊敬
  • 信頼
  • 責任
  • 忍耐
  • 礼儀
  • 判断力

という人間の価値を教えています。

まさにゴルフこそ、この9つの大事な人間の真価が学べる唯一のスポーツに間違いありません。

 

アコーディアグループが取り組むプログラム

「ファースト・ティ・プログラム」に真正面から取り組みを始めた企業があります。それがアコーディア・ゴルフです。

「TFT」の意義に賛同し、子供たちに真のゴルフの価値を知ってほしいと2016年からゴールドスポンサーになり、その年の5月から相武カントリー倶楽部(八王子市)で定期開催しています。

 

アコーディア・ゴルフは、関西地区で初めてとなる無料体験できる本格的なイベントを開催しました。

それは11月23日の祝日に西宮市で開催された 「ザ・ファースト・ティ プログラム体験会、sponsored by アコーディア・ガーデン甲子園浜」です。

このグループは以前から、アコーディア登録ジュニアゴルファー制度「アコーディア・キッズ」の導入など、ジュニアの育成に力を入れています。

こうして一人でも多くの子供たちがゴルフにふれられる機会を作る、地味で地道な努力はとても重要です。

 

では、成功裏に終わった関西のイベントレポートです。

 

ザ・ファースト・ティ プログラム体験会・甲子園浜は大成功

 

当日は年齢(5歳~11歳)も背丈もバラバラな47人の子供たちが参加しました。どの子も緊張した面持ちだったということは、ほとんどが未経験でありお互いに初対面だったからでしょう。

ここまでご紹介したように、TFTはゴルフの技術を教えるのが本来の目的ではありません。

 

この日はナイン・コア・バリューのひとつの「礼儀」をテーマにしていました。したがって教え方もユニークです。

コーチはとりあえず「正しい握り方はこうだよ」と実際のグリップを子供たちに見せますが、すぐに「でも今日は自由に握っていいよ」というのです。

中には野球のバットのような握り方をする子もいました。

 

さらに、子供たちが嬉々として挑戦するパターやアプローチも、打ち方の技術やルールの説明はほとんど省略、ジュニアたちには好き勝手に行わせます。

子供たちは難しいことを指導されないので、それぞれ思い思いの打ち方を楽しみ、あふれるような笑顔で興奮気味に遊びました。

 

他人に対する「思いやり」とはどういうことか?

本筋の「礼儀」に関する教えは徹底していました。

こうした時に自分はどうされたいのか、他人に対して思いやりを持って行動するとはどういうことかを優しく指導するのです。

 

例えば、誰かがクラブを振ってスイングしているとき、順番待ちをしている子供たちに向けて

  • 立っていい場所はどこ?
  • 自分が振るとしたらどこなら邪魔にならないのかな?

など、思いやりを自然な形で指導します。

 

グループ分けされた仲間がナイスショットを決めたときに、なんて声を掛けたらウレシイのかな?などと質問するたびにジュニアたちは考え、即行動します。

子供は呑み込みが早いものです。それに仲間と心を通わせる時間があっという間です。

 

最初はお互いにぎこちなさが目立ちましたが、30分もすれば彼らのコミュニケーションが生き生きしてきます。相手の気持ちを察し、それに応じた声掛けが続きました。

実際に体験すれば一生懸命やれば成功すること、失望への対応もだんだん身についていきます。

 

ゴルフの教育力、ファースト・ティ・プログラムのまとめ

 

ゴルフは野球やサッカーに比べると、子供たちの身近にはありません。しかしTFTなら単純にサッと一歩が踏み出しやすくなります。

子供に夢を与えることができて、プロになる・ならないというよりも「自信」や「誠実さ」という貴重なものが手にはいります(参加した親の声)。

 

毎日のように新聞の紙面に乱舞する「いじめ」という言葉。そんな時代だからこそ学校で学べない、もっと本当の人間臭い体験型の教育がいま必要なのです。

 

子供たちはいつか高等教育を受けて社会に出ていきます。

「ファースト・ティ・プログラム」で学んだ子供たちは、勝つためのゴルフを教えられたわけではないので、きっと職場でも家族でも品格を忘れない人になるでしょう。

 

いかがでしょうか?

お読みいただいた全国の親御さん、こういったシステムを利用し、あなたの大事なご子息に人間として大切なモノを学ばせるチャンスを生かしてみませんか?

参加するにはTFTJに申し込み、プログラムが開催されるゴルフ場に行くだけです。

 

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