昔、ナビゲーションが登場する前のゴルフは、残り距離をカンに頼っていました。
当時のゴルフコースにも残り距離を示す杭(標識)はありましたが、相当いい加減でしたからね。
その都度キャディさんと「ピンまでどのくらいある?」などと聞いて参考にし、あとは状況判断クラブを選ぶ古風な時代でした。
いまやセルフプレー全盛期、いまの時代は正確無比のゴルフナビが「後悔」しないための必需品です。
今回はそんなゴルフナビ・距離測定器の知識と、後半には最新機種を3つ紹介しつつ、性能・価格で比較をしてみました。
ナビゲーションの基礎知識
今や携帯やデジカメに至る端末に搭載されている、GPSという航行システムによって世界は支えられ発展しています。
GPS衛星とは、約20,000km上空を飛ぶ準同期衛星です。
1970年過ぎに生まれたときは軍事用でしたがすでに平和利用化されていて、現在では30個ほどで地球のほぼ全域をカバーしています。
余談ですが、カーナビゲーションシステムを世界で最初に開発したのは日本です。
ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータは、当時ブラウン管や紙地図に専用ペンで手書き式で走行経路の表示ができるシステムを発明したのです。
その後、GPSを利用したゴルフ用の距離計測器、ゴルフ・ナビが登場しました。
プレーヤーが今立っている場所から、グリーン上のカップやエッジとかハザード(バンカーや池)までの距離などを計測できます。
それも手のひらサイズで、自分自身の飛距離なども測ったり記録(ロギング)したりもできます。
GPS式とレーザー式、どっちが正確?どっちが使いやすい?
ゴルフナビにはレーザー式とGPS式があります。
どこが違うかというと、計測の仕組みが違うんですね。
レーザー式はピンに向かって発射したレーザーが、手元まで跳ね返ってくるまでにかかった時間で距離を測定します。
一方、GPS式はあらかじめ各ホールのグリーンセンターやエッジの位置(経度と緯度の単位)が入力されています。
そのマップをはるか上空を飛ぶ複数の人工衛星が、端末の位置とグリーンセンターとかフロントエッジの2点を測定することで瞬時に距離を算出します。
どちらの精度が高いかといえば明らかにレーザー式で、その誤差はほぼほぼ1ヤード以内といわれています。
これに対し、GPS式は誤差がおよそ3ヤードほどあります。
ピン位置は日によって移動しますので、若干の距離補正が必要です。
レーザー?GPS?どのタイプを選ぶべきか?
ゴルファーはGPS派とレーザー派にバッサリと分かれます。
先ほどの説明だとレーザー式のほうが優秀だとお感じになりませんか?
じつはそうでもないのです。
レーザー式の弱点は、ピンがブラインド(見えない場所)になっているとピンまでの距離が測定できないことがひとつあります。
もうひとつはあくまでも直線距離測定専用なので、打ち上げとか打ち下ろしなど高低差がある場所が苦手です。
レーザー式の距離をそのまま受け止めてクラブ選択はできません。
打ち下ろしで計測値が170ヤードと出ても、水平距離は150ヤードしかないときは大オーバーで悲劇の結末が待っています。
しかしGPS式はピンが見えなくてもグリーンまでの距離を測定できます。
それに最近は高低差まで測れるようになりました。
ゴルフナビ人気3機種の比較
レーザー式よりも若干精度が落ちるものの、使い勝手としては圧倒的にGPS式に軍配が上がります。
そこで、GPS式の最新ゴルフナビを比較していきます。
今回取り上げるのは、
- Approach S60
- ショットナビ W1-FW
- ユピテルゴルフナビYGN520
の3つです。
Garmin Approach® S60 Black
ガーミンという会社は1989 年にごく少数のエンジニアが集まって始まった会社です。
急成長し今では自動車、航空機、アウトドア製品やアプリなど、生活に密着したものに至るまで総合的なナビゲーションで評価を得ています。
Approach S60は、最近主流になりつつあるウォッチタイプで2017年新製品です。
実勢価格で55,000円前後するので、いざ購入しようとすると引け目を感じてしまいますが、その性能は折り紙付きです。
「GAMIN Approach S60 腕時計型 GPSゴルフナビ」の優秀な点は以下の通り。
①高低差情報を計算に入れた距離計測
ガーミンのシリーズでも初となる高低差の情報を取り入れたヤーデージ測定が可能になりました。
画面にワンタッチするだけで水平距離と高低差表示を簡単に切り替えることが可能で、特に砲台グリーンの攻略に役立ちます。
②オートショット機能で自動検知
ショット毎に距離を自動計測し記録してくれます。
落下地点まで行き次のショットを打つと、そこでまた記録を自動的に開始してくれる優れものです。
③ピンの位置がわかりやすい
グリーンビュー機能により、コース上のどこにいても現在地からのグリーンの形状やレイアウトを表示します。
また、手動でその日ごとに変わるピン位置の移動ができます。
④ショット上達の手助け
TruSwingという解析センサーと連動させることで、あなたのヘッドスピードやクラブ軌道、テンポなどのデータを計測することができます。
また、オンラインでゴルフコミュニティとつながることができ、オリジナルトーナメントも楽しむことができます。
⑤最大10時間の大容量バッテリー
「Approach S60」はGPSモードで最大10時間、時計モードでは最大10日間のスタミナバッテリーが搭載されています。
他にも歩数計やカロリー計算機能もついているので、健康的な生活を送るための活用も可能です。
Shot navi W1-FW
続いて紹介するのは日本プロゴルフ協会推薦品として登場した、世界初の新機能搭載の「ショットナビ W1-FW 腕時計型」
人気のある腕時計型のゴルフナビの中でもひと際目立つのが「コスパの良さ」です。
実勢価格が2万円を切る良心的な金額でありながら、様々な機能が付帯されています。
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距離計測機「ショットナビ」のオススメ種類は?腕時計・液晶・音声機能を比較してみた
ゴルフの飛距離測定にオススメなのが「ショットナビ」です。
主に腕時計・全面液晶・ハイブリッドの3タイプがあり、それぞれプレーヤーの目的によって使い分けることが重要です。
それぞれのタイプのメリト・デメリットをまとめてみましたのでご覧ください。
①フェアウェイナビ搭載
ショットナビ W1-FWの、ほかにはない特徴がいくつかあります。
まずなんといっても「新機能フェアウェイナビ」ですね。
仮にドライバーが大きくそれてトラブルになったときなど威力を発揮します。
もし隣のコースや林の中に入っても大丈夫、その場所からみてフェアウエイ中心までの距離と、そのフェアウエイに出した後のピンまでの距離の両方が瞬時に計測され表示されます。
②ハザード地点までの情報
ハザードモードに切り替えることにより、コース内にあるバンカーや池までの距離も計測してくれます。
「打ってみたら思ってたより近くて池ポチャ…」なんてケアレスミスを防いでくれます。
③2グリーン同時表示
ゴルフナビを使うと「この表示はどっちのA・Bグリーンどっちまでの距離だろう?」と悩むことがありますが、W1-FWなら「2グリーン同時表示機能」があるので、そういった悩みも解決できます。
④スコアカウンター機能
腕時計盤面右上のボタンを長押しでスコアをカウント、右下のボタン長押しで編集が可能です。
プレー中に時計を見るだけでリアルタイムにスコアを確認することができるので、スコアマネジメントの強い味方となります。
YUPITERU ATLASYGN 5200
ゴルフナビといったらもうおなじみのユピテルアトラスの2017年モデル「ゴルフナビ YGN5200」です。
カラーで見やすくかつ高機能、それでいて実勢価格17,000円台ですから非常にお配布に優しいGPSナビです。
①気圧センサー採用
このYGN5200はコース上にいるだけで、どこでも高低差がわかります。
この秘密は高度計に利用されている「気圧センサー」で、GPSでの推測値より格段に正確な高低差自動計測が可能です。
②3点間距離表示機能
コースマネジメントで最も重要なのが「グリーンまでの逆算」です。
自分の得意な距離をアプローチに残すことでより高い確率でグリーンオンが可能になりますが、そのためには「第1打~2打でどのくらい進めておくか」がキーとなります。
3点間距離表示を使うことで、こういったコースマネジメントも簡単に行うことができます。
③レイアップサークル機能
「残り180ヤード、ロングアイアンで狙うべきか、それともレイアップをするべきか」
こんな時に役立つのが「レイアップサークル」という機能。
自分の得意距離を登録しておくと赤い円のラインが現れるので、クラブ選択するときに大いに参考となるでしょう。
どのゴルフナビが良いのか?
これまで
- Approach S60
- ショットナビ W1-FW
- ユピテルゴルフナビYGN520
の機能と価格について紹介してきましたが、正直一番優れているのは「GAMIN 腕時計型GPSナビ」です。
ただ5万円以上もゴルフナビにかけるのはちょっと…という方は、残り2つのどちらかが良いでしょう。
どちらも機能・価格ともにほぼ変わりませんので、「腕時計タイプ」か「スマホタイプ」のどちらが良いかを選ぶ基準として考えると良いでしょう。
おススメなのは「腕時計タイプ」で、紛失することがなくスイングの邪魔にもなりません。
ゴルフナビゲーションのまとめ
ゴルフナビゲーションの進化は凄まじいものがあります。
今回ご紹介した3つの製品はすべて2017年の新製品ですが、最近はご紹介したように、打ち上げや打ち下ろしまで測れる「勾配計算」という機能が付いたものまで販売される時代になりました。
高低差がわかると「ピンまで100ヤードだけれど打ち上げを計算して115ヤード打つべし」などとガイドしてくれるのでプレーヤーとしては非常に助かります。
近年は海外に習ってセルフプレーが普通になりました。
キャディさんがいないから、ほとんど自分の判断で距離などは決めないとスコアメイクができません。
ナイスショットが距離ミスでは悲しいですからね、距離測定器は使わなくて済む時代ではなくなりました。