スイングやクラブに関する知識が豊富な方でも、ティペグの適正な高さに関して疎い方は結構いらっしゃいます。
なんとなくティアップしている方や、見よう見まねでドライバーからボール半個分出るようにしたりする方も多いですね。
ゴルフはほんのちょっとした動作などの違い、例えば体重のかけ方など、つま先・親指の付け根・土踏まずなどがちょっと変わっただけで激変します。
ティーの高さも同じで、1cm変わっただけでショットに大きな影響を与えます。
今回はティーの高さによる打球の影響や自分に合ったティアップの探し方などを解説していきます。
ティの高さとスコアの相関関係
数年前、あるゴルフ用品メーカーが「ティの高さについてのアンケート」を取りましたが、これが実に興味深いものでした。
アンケート対象者のスコアを平均すると90前後でした。
その結果は以下の通り。
- A(常に高めタイプ)41%
- B(常に低めタイプ)18%
- C(状況に対応するタイプ)22%
- D(ほとんど意識しないタイプ)19%
この結果はそのプレーヤーのスコアとの相関が非常に高く、ビギナーになるほどBやDが多く、上級者ほどその逆になります。
多くのプロゴルファーはCタイプで、片山晋呉プロはティーの高さばかりかその形状にこだわりがあります。
彼は「1ヤードでも得するなら、どんな変わったティーでも使いたい」と語っています。
結果にどん欲なプロの本音ですね。
中級者レベルだとAタイプが最も多く、「基本的にはティは高め、状況によっては低くするプレーヤーが最もスコアが良いグループ」に属していました。
ティに関するルール
ティペグは地面からボールを浮かすために使われる器具で、以下のようなルール上の規則があります。
①長さは4インチ(101.6mm)以内
②目印のようなラインが入っていないもの(プレーの補助になるものは禁止)
③球の動きに特殊な影響がないこと(例・スライスが打ちやすい形状)
このような決まりがありますが、素材の決まりはありません。
ティペグが刺せる場所は決まっていて、ティマーカー間から2クラブレングス以内なら、スタンスにかかわらずOKです。
また、ティペグを使用できるのはティショットのそのエリア内、あるいはローカルルールで決められた前進4打とかペナルティ用に置かれた(主に黄色)のティマークからです。
また、ティペグの使用は義務ではなく使わなくても問題ありません。
他にも近くにある雑草や枯れ葉や砂なども使うことが許されています。
ティの高さで変わる弾道と飛び
ティアップをすることで何が起きるのでしょうか。
ゴルフが初めての方はきっと疑問に思うかもしれません。
①弾道に大きな影響が出る
ティの高さと打ち方で、遠くに飛ばしたり高さをコントロールできる可能性があります。
それだけスイング軌道のバリエーションが楽しめることになります。
②打ちやすくなる
地面に置いたのショットはライが影響するので飛距離はロスし、また飛距離の予測も難しくなります。
特にドライバーはヘッドが大きいのでクリーンヒットが難しくなります。
ボールが浮いていることはメンタル的にも大きなメリットがあります。
ティーを高くすると何が起きる?
それでは、ティを高くすると弾道にはどんな影響が起きるのでしょうか?
簡単にまとめると
- アッパーブロー気味にスイングできる
- ボールが高く上がる
- スピン量が少なくなる
- 追い風は有利
- 向かい風は不利
ということがいえます。
あるメーカーのデータでは、スコア110~120クラスの方がティーの高さを1cm変えて練習したら飛距離が14.3ヤードも伸びたという結果もあり、これは妥当なところでしょう。
ただし、スイングの特徴によってはミスも出やすくなります。
アッパーなスイングの強い癖の方は右に体重が残りやすく、ひっかけやチーピンになりやすくなります。
また体の上下動が強くヘッドアップ気味の方は、ボールの下にヘッドが入ってしまい予期せぬテンプラで100ヤードも飛ばなくなる大ミスがでます。
それではティーアップを低くすると?
ざっと高くしたときの逆になります。
したがって、向かい風の時は風を斜め方向から受けないで低く飛ばし、風の下を突き抜けていくようなローボールを打つときに低いティアップを利用します。
ただ、どうしてもアッパーブローに振りにくいためレベルスイングになります。
その分飛距離は落ちても方向性の点では有利になります。
ドライバーのひっかけやスライス連発で悩んでいる方はティを低くして練習をすることで矯正することができます。
他にもスイング軌道やヘッドスピードの違いによるオススメのティアップの高さについてはこちらの記事でまとめています。
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ティアップの高さはどのくらいが良い?低スピンで飛距離を伸ばす裏技とおすすめのティペグを紹介
ティアップの高さはスイングスピードやスイング軌道、打ち出すボールの種類によって変える必要があることをご存知ですか?
またスピン量を減らすティペグの裏技も紹介しています。
ティの高さはどのくらいがよいのか
最近のドライバーそのものは大きくなる一方、昔ながらのシャローなものも中にはあります。
道具によって多少アジャストしないといけません。
初心者の方はとにもかくにも、練習で自分(クラブ)に合った高さを掴むことが先です。
ドライバーのヘッド頂部がちょうどボールの赤道(横中央)にある位置を基本にして始めてください。
基本的な位置が分かったら、ここから少しずつ自分(クラブ)に合ったティの高さを見つけていく作業をしていきます。
フェースローテーションの動きが多いスイングの場合はスピン量が多くなるので、少し下げていくとボールコントロールが良くなっていきます。
反対にフェースローテーションの少ない、いわゆるシャットなスイングな方はティをやや高くしてもスピン量は増えませんので、飛距離を求めるのなら気持ち上げると良いです。
また、インサイドからクラブが出てくる打ち方の人は少し高めにセットすることでダフリミスを軽減することができ、反対にアウトサイドの場合はアップライトなスイング軌道となるため、ティアップを低めにセットするとボールの下をヘッドが通過するテンプラのミスを抑えることができます。
これらのミス発生率をティの高さ別に確認することでご自身のスイング&クラブに合った「適正なティの高さ」を知ることができます。
ティの高さに関するまとめ
ティーの高さはクラブの種類によっても変わってきます。
例えばシャロー(フェース面の高さが低い)なドライバーやフェアウエイウッドなら、ティの高さ・構え方・ヘッドの位置も違ってきます。
フェアウェイウッドなら芝生面のとてもライの良い浮いた状態の時の高さを基準にすると良いです。
当然アイアンもおなじことで、ご自分が打ちやすいと感じるフェアウェイの高さがあなたのベスト・ティアップになります。
最後に、ティペグというと数えきれないほどたくさんの種類が販売されています。
始めたばかりの頃は高さが一定になるティを選ぶと良いでしょう。
いつも高さが安定することでメンタル的な効果が期待できます。
そのほかにも様々なアイディアを凝らしたものや、シンプルな木製ティなどもありますが、概ねスコアで120を切ってあたりからは状況に合わせてティの高さを調整することで、さらなるスコアアップを目指すことができます。
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