ゴルフを始めたての方はあまり考える必要はありませんが、数ラウンドこなして実際のゴルフ場に慣れてきたら今度はゴルフボールに着目してみるのも良いかもしれません。
近年、ゴルフは科学的アプローチから凄まじい進化を遂げていて、中でも「昔と比べて随分と変わった!」と感じるのがゴルフボールです。
どうしたら飛距離が伸びるのか、曲がらないボールはどのようにして作ればいいのか、日々研究を重ねて最近日の目を浴びてきたのが「第3のボール」です。
今回はそんな気になるゴルフボールについての特集です。
「第3のボール」その進化は止められない
ボール性能に気づくのは、ある程度の経験を積まないとわかりません。
上達につれてボールの重要性がわかってきます。
ヒーローワールドチャレンジ2017で復帰会見したタイガーが、こんなことを話していました。
ゴルフギアの開発が止まることはないし、誰かが止めることもできないだろう。
とくにボールの進化がコースの伸長を促進し、やがて8,000ヤードのコースができるかもしれない。
この話を聞けば、最近のボール性能がさらに進化していることが分かります。
タイガーが認めたボールの性能ですが、これは何もアマチュアゴルファーにとって関係ないことではなく、むしろヘッドスピードが早くないプレーヤーの方がボールのパフォーマンスを発揮させることができるかも知れません。
ディスタンス系とスピン系のいいとこどりしたニューウェーブ
「第3のボール」という言葉がゴルフ界隈で騒がれ始めたのは意外にも昔で2003年のことでした。
どんなボールかと思って調べたところ、飛距離を求めるディスタンス系とコントロール性能が高いスピン系の良いとこどりしたミックス系ボールだということがわかりました。
当時、実際にゴルフコースで打ってみたところ、確かに数回は確かなてごたえがあり「ムムッ」と感じましたが、大半はそれほどでもありませんでした。
反応が良くなかったのは打ち方にミスがあったのかもしれませんが、出始めの人気は低調でした。
それがここ最近はゴルフボール売上全体の20~30%まで伸ばしていて、第3勢力とはいえない主力商品にまでのし上がってきました。
実際に打ってみると、当時は感じなかった柔らかい感触と直進性の高さにビックリさせられました。
ヘッドスピードを38~42m/sに合わせて打ってみても、ボールがつぶれる打感=初速が手に伝わります。
プロが使う柔らかいウレタンカバーを採用していながら、ヘッドスピードが出ない初心者ゴルファーでも十分飛距離が伸びることを実感できました。
カバーもコアも柔らかいのが最新トレンド
ゴルフボールはざっくり分けると「ディスタンス系」と「スピン系」に分類されます。
ディスタンス系は外側が硬く中のコアは柔らかく作られており、スピン系はその反対となります。
ボールを飛ばす要素のひとつに「バックスピン量」があります。
バックスピンが効きすぎてしまうと揚力(上へ進む力)が強すぎて吹き上がり、ボールは遠くへ飛ばせません。
また、アプローチショットなどは適度なバックスピン量によってボールの転がりを抑える役目を果たします。
ところが第3のボールは「カバーもコアも柔らかい」のです。
カバーが柔らかいことでヘッドスピードが遅い方でもしっかりとボールを潰すことができ、最適な反発係数が得られるようになっています。
オススメの「第3のボール」はコレだ!
第3のボールについての説明が終わったところで、今度は「どの第3のボールが良いのか」について紹介をしていきます。
- 飛距離、打感にこだわりたい人向け
- ヘッドスピードが遅めの人向け
- オールマイティ対応
の3種類を紹介していきます。
飛距離と打感にこだわるなら【ゼクシオUX AERO】
もっと飛ばしたいし打感にもこだわりたいというタイプ向きなのが、こちらの「ゼクシオ・UX-エアロ」です。
ダンロップ製品はいつも人気が高く、ユーザーに安定した信頼感を与えます。
香妻琴乃プロも試打で絶賛していましたね。
そんなゼクシオ・UX-AEROですが、主な特長は以下の3つです。
①飛び出しが良い
ゴルフの飛距離と密接にかかわる初速ですが、最大限に上げるためにはコアの反発を極限まで上げる必要があります。
とはいえ「潰し過ぎてもダメ」で、理想的なのは約8mmといわれています。
UX-エアロはコアを大きくかつ柔らかくしたことで飛びのエネルギーアップに成功しています。
②ソフトで心地よい手ごたえ
0.5mmという極薄ウレタンカバーと高反発アイオノマーミッドにより非常にソフトな打感を実現しています。
打感というのは実はかなりメンタルに影響してきます。
カチンという固い打感があると、どうしても「曲がってしまうんじゃないか」という不安が先立ちますからね、結果は自ずと違ってきます。
③スピン性能が際立っている
スピン量は飛距離にもアプローチにも影響するゴルフにとって大事な数値です。
ドライバーショットでは低スピンを実現し、アプローチなどの場面ではソフトなフィーリングからの高スピンショットを打ち出せるので「飛距離は捨てたくないけどキュッと止まるアプローチショットを打ちたい」という欲張りなプレーヤーにピッタリです。
スイングスピードが遅めの人は【キャロウェイ クロムソフト X】
ヘッドスピードが~35m/s~前後の方には「キャロウェイクロムソフトX」がおススメです。
先日ご紹介したトム・ワトソン氏が2016年のマスターズで使用したサッカーボールデザインでも有名になりました。
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ゴルフでよくある誤球のルールと防止に役立つカラフルボール【キャロウェイ トゥルービス】
ゴルフファンなら誰もが知っているトム・ワトソンが2016年をもってマスターズを引退しました。
そのときに使用していたカラフルなサッカーボールのようなゴルフボールはとても印象的でしたね。
さて、今回はプロアマ問わずうっかりやってしまう「誤球」について、そのルールと防止方法を解説していきます。
ワトソンが使っていたボールについても紹介していますので、是非参考にしてみてください。
フィーリングはソフト
Chromeはウェブブラウザの”Google Chrome”と意味を異にする、”クロム合金”のことですね。
でも打感はクロム合金という感じではなく、かなりソフトなフィーリングです。
国内女子ゴルフでは上田桃子選手やテレサ・ルー選手などが愛用しており、PGAではフィル・ミケルソン選手も使用しています。
コンプレッション90という表記でやや硬めの印象ですが、前作のクロムソフト(コンプレッション75)よりも柔らかい打感です。
「硬くないと飛ばない」とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、クロムソフトXはそんなことはありません。
その秘密は4ピース構造にあります。
ゴルフボールは簡単に断層分けをすると「コア・中間・カバー」の層に分かれます。
ドライバーはボールを横から打ち出すので外側のカバー層に大きく干渉します。
アイアンは斜め上からのインパクトとなり中間層に、ウェッジはさらに鋭角に切り込むのでコアへの干渉が強くなります。
ゴルフボールの各層を調整することでクラブに合ったスピン量の調整を行い、より最適な飛距離・スピンコントロールの実現に成功しています。
最後のひと伸びを実現したヘックス・エアロネットワーク
また、キャロウェイが独自開発した「ヘックス・エアロネットワークパターン」により、頂点を迎えたボールに優れた空力性能を与えて更なる飛距離のサポートをしてくれます。
打感がソフトだとスイングスピードが遅い方でもインパクトをしっかりと感じることができ、また最新テクノロジーで飛距離性能がアップしていますので、初心者に優しいボールと言えますね。
打ち手を選ばない【Tour B V10】
こちらの「ブリヂストンゴルフ TOUR B V10」は、まさにオールラウンドモデルといっていいでしょう。
韓国美女ゴルファーのアン・シネ選手も大絶賛していましたね。
V10は3層構造です。
コア部分はソフト・ハイドロコアで、中間に距離を延ばす高反発アイオノマー・インナーカバー、そして”デルタウイング・ディンプル326”の高耐久ソフトウレタンカバーに”スリップレスバイトコーティング”を施すという丁寧なつくりです。
ソフトハイドロコアの役割は、余分なスピンを促進しないので、この効果が飛距離に現れます。
ブリヂストンはディンプルにも注目しました。
ディンプル間にあるテトラポットの形をした部分に工夫を加えたデルタウイング・ディンプル326というアイディアは、ボールに直進性を与えることに成功しました。
驚きの性能「スリップレスバイト・コーティング」
ゴルフボールの表面は塗料でコーティングされています。
V10は新技術「スリップレスバイト・コーティング」が施されており、これによりクラブフェースでのボールの滑りを抑え、フライヤーでのスピン保持率が格段に向上しました。
さらに細かい傷も自動修復し耐久性に優れています。
推奨ヘッドスピードの幅が広い
TourB V10は比較的スイングスピードの遅い女性(28m/s程度)から通常のボールで250ヤードぐらい飛ぶ男性(45m/s程度)までを対象としていますが、それ以上飛ばす方はTourB Xのほうがオススメです。
これでいて1ダース3,000円前後ですから、非常にコストパフォーマンスが高く人気が出るのも頷けます。
飛んで曲がらない「第3のボール」まとめ
今回ご紹介した第3のボールのベストスリーはいかがでしたか。
クラブ選びとなるとトコトン研究する方も、意外とボールは気にしない傾向があります。
冒頭で述べたように、プレースタイルとクラブとボールの相性は大きく、ボール選びは意外と簡単ではありません。
ゴルフボールはサイズも決まっていて、見た目の変わり映えがないだけに、パッと見だけならどれも一緒に見えます。
問題は目に映らない中身の性能の差です。
最近のボールの進化に注意を払わないと、ハーフで2~3打の差はすぐに出ます。
ゴルフは他の競技と違って「どのボールを使うかは自分で決められる」という利点があります。
初級者から中級者に上がってきたと実感したら、ぜひ色んなボールを試してみてくださいね。