ミス防止

ドライバーとアイアンのイップスが克服・改善できる6つの治し方とは?

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ゴルフは人それぞれ上達の過程でいくつかの「病」にかかるものです。

例えばスライス病、シャンク病などはまだ軽いもので、いってみれば風邪をひいた程度のことにすぎません。

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しかしイップスという「病」は重症化することがほとんどで、かつての名手トミー・アーマーは引退に追い込まれました。

 

”イップス”という用語は、野球やテニスなどスポーツ全般で使われていますが発祥源はゴルフです。

精神的あるいは技術的な原因により、自分自身の身体が一種のトラウマ状態になりコントロール不能に陥る運動障害です。

 

イップスは主としてパッティングに顕著な現れ方をしますが、他のクラブも同様です。

ドライバーからアプローチまで人によって多種多様です。

それでは初心者の方にも参考になる、いつ誰がかかるかわからないイップスの知識とその克服法などご紹介していきましょう。

 

イップスの克服は、新たな上達の登り口です

 

カミングアウトすると、筆者はイップス経験者です。

年齢的にも若くゴルフ歴も10年足らず、思えばシングルになったばかりの時でした。なんの前兆もなく突発的でしたし、具体的にいつからだったかはトンと記憶がありません。

 

幸か不幸かドライバーやアプローチには症状が出ず、ひたすらパッティングに限られていました。

1mの距離のパットが50cmしか打てなくなったかと思うと、同じ距離を3mもオーバーするという”アドレスでの金縛り症状”が現れたのです。

独自でイップスの研究と試行錯誤を重ね、約半年で脱却することに成功しました。

イップスを克服してからはおかげさまで順調に上達し、イップス当時のハンデは2年足らずで半分になりました。

 

無心だった心が経験を積むことで変化するもの

イップスの主因は、覚え初めたころの『無心』が経験をどんどん積み重ねていくことで、『怖さ・怖れ』を蓄積することだと考えられます。

誰でもはじめは無心=90%、恐怖心=10%ですが、ゴルフの経験則から逆転現象を起こすのですね。

 

原因は精神的なものが大きなファクターを持っています。

多くの実例は個人の性格、基本の習得を積む前に我流ゴルフで覚えてしまった、ルーティンを作らないで構えてから考え込むタイプなどが複合的に重なった結果です。

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今回はおススメのルーティンとスイングの再現性を高める方法を解説していきます。

 

「緊張感」は諸刃の剣

 

そもそもゴルフにはコンセントレーション(集中力)とコンフィデンス(自信=確信)いうメンタル面の見えない力が働くものです。

これはプロもアマも一緒、思考回路が筋肉に作用するのは同じです。

 

ゴルフは集中しなければなりませんが、その集中力に原因と解決法があります。

世界のトップクラスになった松山英樹プロもタイガーウッズも、18ホール緊張の維持が必須でキレたら終わりだと語っています。

トップスリートたちは緊張して固くなることを「良し」と受け入れ、「悪い」とは捉えていないようです。

 

パッティングイップスになった時、逆療法的に「自分の緊張感は中途半端だ」という考えもあります。

適度な緊張感を理想とするあまり、心理的な調節機能を失っている可能性があります。

「緊張してはダメだ!」という考え方そのものに耐えきれていないから、イップスを誘引させる一因になっています。

 

逆療法とひとつの考え方

100人もの人がいるまえで歌を歌わなければならなくなった時、緊張感からそこを立ち去ってトイレにかけ込みたくなる心理になる方もいます。

その時は・・・

「早く何とか正常心に戻さなければ」

「途中で歌詞を間違えたらどうしよう」

「ほかの人よりはうまく歌いたい」

という、”不安と欲と緊張”が交錯します。

 

不安や緊張は人間の本能ですから、受け入れない限り自分のなかで膨張していきます。

先ほどの逆療法のように「こんなに緊張したらダメだ」ではなく、緊張して当たり前だという切り替えが大事です。

 

目の前の1mのパットを入れよう、入れなければではなく、思い切って外してみよう!という考え方でもかなり軽くなるものです。

例えば1cm手前で止めてみようとか、ボールから視線を外しカップを視野に入れて打つとか、時にはイメージだけで眼を閉じて打ってみるなどの解決方法があります。

 

もっと別のイップス治療法

考える前に打つという方法もあります。

 

一例ですが、いつもはボールの後方からラインを見てカーブを見極め、その方向にアドレスして打つルーティーンの方がいるとします。

このとき、ボールの近くの後方からライン読みをするのではなく、5m以上後ろからあたかも他人のボールであるかのような遠見をしてください。

そして一定の速度で歩み寄ったら構えると同時にボールをヒットします。

思考時間ゼロ、思いを巡らせる暇を自分に与えないのです。

 

入れようという意識を捨て、イメージした力加減でボールにパターのスイートスポットを単純に当てるだけに集中する方法です。

もちろんカップイン確率は下がるでしょう。

しかし、繰り返していくうちにイップスは消滅して克服できます。

 

突然やったことがないグリップにする方法

グリーン上でイップスを直す方法として、常日頃のルーティンを変える方法を説明しました。

 

ここで大事なことは”常日頃を変える”ことがポイントです。

いつものグリップを変えるという方法はとても有効です。それもいきなりが効果的です。

神経や心理が集中する場所を散漫にさせるからです。

 

通常オーバーラッピングの方なら、急にクロスハンドで打ってみてください。

できれば練習場などで経験したことがない握り方がいいでしょう。

あるいは最近流行りのクローグリップで、しかも見たことがない我流になればなるほど良い結果が出ます。

そこに生じる「違和感」があなたをイップスから救い出してくれます。

 

ドライバーのイップスはこうして改善できる

ドライバーイップスやアプローチイップスは、ここで書き始めるとキリがないくらい多くのトッププロがかかり、自分からカミングアウトした人も大勢います。

 

ドライバーのイップスもいろいろで、トップで固まってしまいクラブが振り下ろせなくなるタイプ、下半身、とくに膝が突如鉄骨になってしまって手打ちになるなどいろいろです。

やはり完璧に打とうという意識が過剰になった結果です。

 

解決法にはいくつかあります。

 

①ドライバーなら練習場でも本番でも、周囲の方と会話する、独り言を言いながら構える、あるいは掛け声を発するなどやってみる価値があります。

 

②ドライバーのクラブヘッド重量を思い切り重くする方法持効果的です。

軽いクラブより、重すぎるクラブなら神経がそちらを向く可能性があります。

 

③ドライバーはトップのポーズを変えることも有効です。

ドライバーはシャフトが真っすぐ垂直に立ったところをトップにします。

つまり、スイングそのものをコンパクトにすることで、心理の中の「距離」は捨て去るのです。

いつもの半分飛ばす心理状態が、繰り返すことでイップスを消し去ります。

 

④呼吸法を変えて見ます。通常はトップで息を止めて打つ方は、止めないで緩やかに息を吐きながらダウンスイングします。

 

アプローチのイップスも克服できます

2016年のタイガーウッズはアプローチイップスになっていました。

30ヤードしかない砲台グリーン手前のスロープを上がらず、3回も同じ位置から打つ様子がテレビに大写しされました。

 

アイアンショットやアプローチでは動かなくなった腕を無理やり回すため、強烈なトップ、見たこともないダフリ、極端なヒッカケが出ます。

アプローチは先ほどのタイガーのような、距離感、落とし場所が全く定まらないという現象が起きます。

 

アプローチイップスを克服するためにはどうしても不安を払しょくする必要があります。

距離感に正確性を求めず、アバウトな感覚を持たないとうまくいきません。

 

寄せたい、寄せなければとか苦手意識など思考回路に入れず、最初からミスすることを前提にテキトーな打ち方でいいのです。

「5mくらいに寄せればOK」と思えば直径10mの大きな範囲がターゲットになり、気分が楽になります。

 

まだまだある、イップスに効果のある治療法

もう少し変わった方法もあります。

 

①クラブを極端に短く持つ

この方法はシャフトの金属部分に片手がかかること、小さく力で飛ばすのではなくパッティングの延長の振り幅で行うことがポイントになります。

 

②加速打法

イップスにかかる多くの方は、普段のアプローチでヘッドを減速する「加減打ち」をしている傾向があります。

逆に、ゆっくり下ろして加速させリーディングエッジが芝を噛んだらそこで止まっても良いという打ち方をしてください。

 

③グリップを逆にする

最近PGAの選手でアプローチイップスにかかったプロがやっていますね。

筆者が最初に見たのはビジェイ・シンでした。

やり方は人それぞれですが、多く目にするのはまず逆オーバーラッピング・グリップです。

小指のかけ方が逆になります。

 

④クロスハンドグリップのアプローチ

右打ちの方が左手を下にして握る方法で、ものすごく違和感を感じるかもしれませんが、目的がうまいアプローチではなくイップス克服となるとこれはおススメの方法です。

 

イップスを克服する方法のまとめ

 

皆さんよくご存じの宮里藍ちゃんは2度もイップスにかかりました。

 

アメリカに渡った直後にドライバーイップスになりました。

周囲の選手がやたら飛ばすので「飛ばさなければ!」という意識が過剰になったせいでしょう。

彼女は見事に克服したのですが、距離をすっぱりと捨てたのが功を奏しました。

 

2013年にパッティングイップスになりました。

藍ちゃんといえばパターの上手さに支えられているといって言い過ぎではない選手です。

彼女は持ち前の精神力から、イップスを受け入れる心のキャパシティーがありました。

自分自身をまっすぐ見つめ直し、パッティング練習を人の何倍も重ねて本来持っている”センス”を蘇らせたのです。

 

初心者の読者諸兄の中には、イップスなんて自分には関係ないとお考えの方もおいでかもしれません。

でも、イップスは誰でもかかる可能性のあるメンタル的な病です。

その時はその時で腹をくくり、どんなことでも克服する道があることを信じられる方は必ず回復し、その後は急激に腕が上がっていくことを知っておいても損にはなりません。

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