最近の傾向としてはどうも太る方向にあります。
メタボやダイエットの話ではなく”ゴルフのグリップ”の話題です。
ここ数年、通常のグリップの倍以上の太さがある「極太グリップ(Super thick putter grip)」を、有名なツアープロが使い始め好成績を上げています。
かつては姿さえ見なかった極太グリップ、すごい勢いでアマチュアにも浸透し始めました。
パッティングで注意しているのに引っ掛けてしまう、右に押し出す、打ちきれない、ついパンチが入って打ち過ぎるなどなどは誰でもいつでも起こることです。
パット数はスコアへの影響が大きいため、パターを取り替えたりストロークの改善に努めるのは基本です。
-
これで上達!3パットをしないコツとおすすめの練習方法7選
ゴルフは言葉で表現すると極めて単純なスポーツです。 1ラウンドの打数合計あるのみ。 ナイスショットが何回あったか、ペナルティは何打あったのか、記憶にはあっても記録には残りません。 パッティ ...
しかし意外とグリップそのものを「極太」に変えることで、スパっと症状改善した方を多く見かけます。
今回のテーマはパターの「極太グリップ」です。
極太グリップに興味をお持ちの方や、取り替えてみようかなど考えている方にとって、極太グリップに関する正しい知識なしでグリップ交換することはあまりおススメできません。
極太グリップの基礎知識を学んでから、交換など検討してみてはいかがでしょうか。
極太グリップで手打ちが解消される
極太グリップは人によって”合う・合わない”があります。
また最適な握り方を知らないと、まったく極太グリップの効果が引き出せないことも知っておく必要があります。
基本的なことはぜひ押さえておいてください。
様々なメーカーが“極太パターグリップ”を発売していますが、すべてをひとくくりにすることは間違いです。
それぞれに個性があり、基礎知識を持たないと極太の良い機能を知る以前に”食わず嫌い”となって宝の持ち腐れになるかもしれません。
また、パター以外でも「極太ブーム」が到来しています。
バッバ・ワトソンやフィル・ミケルソンのドライバーは”太巻きグリップ”です。
冒頭で「太る傾向にある」と書いたのは、アメリカツアーのみならず世界的にクラブのグリップが太くなっている流れがあることをインスパイアしました。
太くなる効果はドライバーもパターも似ていて、リスト(手首)を返しにくい(捏ねない)というメリットがあり、いずれのクラブも“手打ち解消”につながる大きな意味があります。
まだまだ大流行というところまではいっていませんが、最近はウッド用・アイアン用の「スーパーストローク」グリップも発売され好評です。
極太グリップのルーツとその効果
極太グリップを見かけるようになったのは2009年頃でしょうか。
使い始めたのはアメリカのPGAツアーで活躍中の韓国人選手で、K・J・チョイこと崔京周(チェ・キョンジュ)です。
先ほどもチラッと出てきましたが、K・Jの意見は”グリップが太いと手首を使わずストロークが安定する”というものでした。
深い不調の底にいたK・Jは、極太グリップにして以来見違えるようにパッティングのスタッツが上がりました。
もちろん原因がグリップだけではなかったかもしれませんが、すぐにほかの選手たちは反応し評価しました。
いまではジョーダン・スピース、フィル・ミケルソン、セルジオ・ガルシアといったそうそうたるメジャー・マスターたちが「スーパーストローク」の極太グリップをパターに装着して活躍中です。
パターグリップの形状は四角形がオススメ
ショップにいくとパター用のグリップとして形状や太さ、重さなど様々なものが並んでいます。
グリップのルール上の規定はドライバーやアイアン用グリップと異なり、パターは円形でない横断面(四角形)でもOKという点があります。
そのためパターに関してはほとんど円形グリップでなく、アドレスでフェースをスクエアにセットしやすい四角形が好まれる傾向にあります。
グリップメーカーとグリップ関連用語
極太グリップを学ぶために、ちょっと用語の意味を知る必要があります。
★スーパーストローク
これは社名であり製品名です。極太グリップの元祖的な存在で、いまや極太グリップの代名詞になっています。
ノンテーパーテクノロジーという太さがほぼ均一の形状のため、通常のテーパー形状のグリップに比べると右手(右利きの方のノーマルグリップで)に太さが感じられ余計な力が入りにくい効果があります。
一流メジャー選手たちが使用しているという点も見逃せません。
★ピストルグリップ
昔から有名なのがピストルグリップです。
これはPING社が1970年代の初め、同社の創業者カーステンによって発明されました。
彼はグリップを左手の小指、薬指で握ることを重視し、いわゆる「反り」の部分が左手にフィットして微妙なタッチでインパクトできると考えました。
この画期的なアイディアは広く受け入れられ、今の大半のグリップの元祖になっています。
★ゴルフ・プライド(Golf Pride)
ラバーグリップの先駆者で、世界的な使用率ナンバーワンメーカーです。
シャフトに差し込んで接着剤で固定する、スリップオンタイプのグリップを開発したメーカーです。
★パーフェクト・プロ(Perfect pro)
コードを合成ゴム素材に組み込んだ形で作られている割にフィット感、フィーリングに優れていて、従来品の硬くて劣化が早いというイメージを払しょくしたメーカーです。
★イオミック
とにかく多種多様なラバーグリップをカラフルにしたメーカーです。
若いゴルファーや女性ゴルファーファンがファンの核になって、グリップのオシャレ化を果たしました。
太いグリップと細いグリップでの違い
個人個人使った感想に違いはあるでしょう。
でも一般的には以下に分類されることが多いようです。
①太いグリップの特徴
手首の動きやすさが制御されるので、ダウンスイングでこねてしまったりボールの転がりに不満がある方に向いています。
イップスになりかけたりしたら使ってみる手もあります。
②細いグリップの特徴
手首の操作が自由にできます。
繊細なタッチを重視してパッティングするタイプは、グリップが細いほうが対応しやすくなります。
手に伝わる感触重視で、方向性と距離を求める感覚派にはピッタリです。
極太グリップに関する注意点と特徴
通常の太さのグリップは、パター全体(または先端部)を意識してストロークします。
それに比べると極太グリップは意識の焦点がグリップそのものになります。
そのメンタル面の良い影響が先ほどチラッと登場したイップス解消につながります。
つまり、ラインにこだわりすぎて金縛りにならず、神経が分散されるという効果があるからですね。
また、手の大きさにも関係があります。
極太グリップは大きさや重さにバラエティがありますからよく検討して選ぶことをオススメします。
もし女性やジュニアなど手の小さい方が釣り合わない極太にすると、握るとき親指を重ねようと意識するため、どうしても右手が被った形になりがちです。
その影響で右肩まで前に出たがり、身体が開く傾向があります。
スーパーストロークの基本的な打ち方
極太グリップの代名詞的なスーパーストロークも、打ち方、使い方、選び方に注意が必要です。
パターを細いグリップで長年使っていて、極太グリップに変えてもできるだけそれまでのイメージをキープしたいという方は、ちょっと以前の「SLIM 3.0」のようなノンテーパーで5角形形状のものなら違和感が減少します。
このタイプなら“振り子感覚”のままでストローク可能です。
早く極太グリップに慣れたいなら、パターのタイプはマレットよりピンタイプがおススメです。
極太グリップに関する解説のまとめ
パッティングのミスヒットが出やすいのは、ストローク中に左手首が甲側にクニャッと折れることです。
これをやってしまうと明らかにミート率が下がり、距離感も方向性も悪くボール回転の良いパッティングになりません。
この点極太グリップはリスト、特に左手首の動きを制限できることが長所です。
そもそもクロスハンドグリップが考案されたのも、この手首の折れるのを防止するために登場したものです。
極太グリップは今まで通りのコンベンショナルな握り方でも、左手首の制限から結果が上がったため多くのプロが使い始めました。
以前の極太グリップは、重いが故のバランス調整に問題がありましたが、最近の極太グリップは素材革新が進んだため重くさせないまま太さを出しているものがほとんどです。
そのためグリップ交換してもそれまで通りにストロークできるという点が極太の人気を支えています。