ドライバーはすぐにわかるけれど、アイアンは遠くから見ていても番手がよくわからないし、ほかの方は平均どのくらい飛ばすのだろう?
自分のアイアン飛距離は飛ぶほうかな?それとも飛ばないほう?
そんな素朴な疑問は誰でも持ちます。
確かにゴルフは飛ばすだけではないということは承知していても、やっぱり飛距離は気になります。
それに、各番手別にでも飛ぶだけ有利だという気持ちは心の中から排除できないものです。
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アイアンの飛距離が出ない原因・理由と飛ばせるようになるための3つのポイント
「アイアンが上手く打てない」「アイアンはどの番手を使っても飛距離が同じ」といった悩みはありませんか?
そんな方は打ち方が間違っている可能性があります。今回はアイアンの正しい打ち方とダウンブローを習得するための練習方法について解説していきます。
そんなわけで、今回はアイアン番手別の飛距離の知識と平均データ、アイアンの打ち方と番手選びの基本などを織り交ぜて解説します。
アイアンの飛距離が同伴者に勝てない!
AさんとBさんは大の仲良しです。
ゴルフはライバル関係、いつも勝ったり負けたりで競争心は増すばかりです。
Bさんがあることがずっと気になっています。
それがアイアンの飛距離でした。
同じ番手なのにAさんのほうが常に10ヤード近く飛んでいるのです。
ある日、ネットでAさんのアイアンのメーカーサイトを開いてみてビックリ!なんと、番手の刻印は同じでもロフトが1番手分立ててあったのです。
ロフトは(限界はあるものの)基本的に立っている、つまり角度が小さいほど飛距離が出るように設計されています。
Bさんは意外なオチがあったのでホッとしたり驚いたり、新しい発見に感心しきりでした。
ゴルフではひと口に「アイアンクラブ」といっても、長さやロフトに規制がないのです。そんな目に見えないアイアンの秘密に迫ってみましょう。
アイアンクラブの基礎知識
最初はアイアンクラブに関する用語の基礎です。
①ロフト(ロフト角)
シャフトの中心線に対してのフェース面の傾斜角のことです。
「ロフトが立つ」という表現は地面に対してロフトが直角に近づくことを表しており、ロフトが立つほど飛距離は伸びていきます。
②ライ角
スクエア(フェースが目標に対して直角)な状態でアドレスした時のシャフトの中心線と地面との角度を指します。
この時、角度が大きいものをアップライト、小さいものをフラットと呼びます。
ライ角の影響は方向性に大きく関係します。
正しいアドレス時には、自然にトウ側がやや浮く状態が最適です。
③フェース・プログレッション(FP)
シャフトの中心線の延長線からリーディングエッジまでの水平距離を意味しています。
上から見てシャフトと刃の部分の前後のズレですね。
この数値が大きいものがストレートネック、小さいものはグースネックといわれます。
大きいとボールは上がりやすくコントロールしやすいのですが、掴まりにくくなり上級者向きです。
グースネックはボールが掴まりやすくフェースが開きにくく、スライスの軽減効果があり初心者には合っています。
④ヘッド形状
クラブの裏側(バックフェース)のデザインによって、フラットバックやキャビティバック、ポケットキャビティ、中空構造などと分類されます。
アイアンは地面をやや削る打ち方になりますから、バックフェースの形状によって振り抜きやすさが変わってきます。
⑤重心距離
ゴルフクラブ選びのポイントのひとつです。
シャフトの中心線とフェースの重心(スイートスポット)までの距離をそう呼びます。
数値が大きいと理論的にはモーメントの働きが強くなります。
その他アイアンの詳しい知識はこちらをご覧ください。
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あなたのアイアン、ライ角はフラット?アップライト?適正にすることで劇的にスコアが変わるライ角の秘密
シャンクやダフリが続くときは「ライ角」に着目してみるのもいいでしょう。もしかしたらあなたにそのアイアンのライ角が合っていないのかもしれません。
ライ角による影響やライ角の調整方法をまとめています。
アイアンの番手別平均飛距離
一般的にアイアンクラブと総称するものとして(ウェッジを除くときもありますが)、通常は1番~PW、SW、LWまでの13種類です。
今回はプロやトップアマ御用達の1番(ドライビング)や2番(ミッド)3番(ミッドマッシー)は割愛して紹介していきます。
①テレサ・ループロと池田勇太プロ(カッコ内)の基本飛距離
まずは代表するプロゴルファー2名のアイアン飛距離です(単位はヤード)。
- 3I=(225)
- 4I=(210)
- 5I=175(200)
- 6I=165(190)
- 7I=155(175)
- 8I=145(160)
- 9I=135(145)
- PW=115(130)
- SW(54°)=95(100)
テレサ・ルーさんは台湾出身の女性プロゴルファー、池田勇太さんは日本ゴルフツアー選手会の会長を歴代最年少で就任した日本のトッププロゴルファーです。
ドライバーでヘッドスピード45m/sほどを出せる方は、テレサ・ルーさんと同様の飛距離を参考にすると良いでしょう。
②アマチュアゴルファーの目安
続いてアマチュアゴルファーの目安です。
腕前によって大分差がありますが、概ね以下の飛距離が目安となります。
- 4I=170~180(140)
- 5I=160~170(130)
- 6I=150(120)
- 7I=140(110)
- 8I=130(100)
- 9I=120(90)
- PW=110(80)
- SW=80(60)
番手別飛距離などのアンケートを実施(男女100名ずつ)した結果もありますので参考にしてみてください。
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ゴルフ「みんなのデータ」男性ゴルファー100人に聞いてみた!平均スコアや飛距離、使っているクラブなど
男性ゴルファーの平均スコアやクラブセッティングってどうなっているんだろう?
そんな疑問を解決するために「女性アマチュアゴルファー100人」にアンケートを取ってみました。
他にも好きなブランドや飛ぶと思うドライバーなどのアンケート結果もあります。
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他にも好きなブランドや飛ぶと思うドライバーなどのアンケート結果もあります。
アイアンクラブの飛距離に対する認識
まだゴルフを始めたばかりの方は番手別の距離があまりはっきりしません。どのクラブで打っても飛ぶときと飛ばないときがあり、番手別の逆転現象さえ起こります。
それも当然なことで、いずれ正しい知識と練習と経験が重なってくると飛距離は安定してきます。
それでもスイングや打ち方、クラブのギア・スペック(クラブ性能)、シャフトやヘッドの角度などの構造の違いなどで飛距離は劇的に変わってきます。
少し極端な言い方かもしれませんが、ゴルフで飛距離を求めるのはドライバーだけだといっても過言ではありません。
ドライバー以外のクラブは基本ターゲット狙いで、大きいか小さいかの違いこそあれ「アプローチの延長線上」と考え、飛ばすことよりピンポイントで運ぶイメージです。
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今回はアプローチの距離感を養い、10ヤード刻みで打ち分けられるようになる練習方法の紹介です。
ターゲットを自信を持って狙えるようになれば、簡単に100切りは達成できます。
飛距離が足りなくても、8番アイアンで届かなければ7番に変えればいいだけ。そのために何本ものセットになっています。
アイアンは飛距離を求めるものではなく、ピンに寄せるとかグリーンを狙うクラブと認識してください。
アイアンの番手別飛距離を安定させる練習法
ここまで解説してきたように「アイアンは飛距離を求めるクラブではない」とご理解いただけたかと思います。
したがってアイアンショットで大切なことは「クラブ別にバラつかない飛距離が出せるかどうか」です。
持ったクラブが自分の目安通りの距離が打てれば方向性のみに集中できます。
さらに練習で番手ごとの距離が伸びると、手にするクラブが番手の小さいクラブになってゴルフがやさしくなります。
これはスコアにとって大きなメリットとなります。
できるだけ苦手なクラブを作らないことなども含め、アイアンショットの練習法などをいくつか解説します。
①アイアンの飛距離アップに重要なことは「つかまえるテクニック」
アイアンの飛距離アップで大切なことは、ボールをキッチリつかまえてスイングパワーをボールに有効に伝えることです。
「結構力を入れてスイングしているのに思ったより飛ばないなぁ」
という人はパワーにロスがあるということです。
試しに7番アイアンを手に持って手加減せずにショットしてみてください。
男性で150ヤード、女性で110ヤードより飛んでいない方は明らかにボールを捕まえきれていません。
インパクトの効率を上げる練習に専念すれば飛距離アップは可能です。以下のページを参考にしてスイング改善に取り組むことをオススメします。
ゴルフスイングの肝は「再現性」で、いかに正しいスイングの仕方を覚えても、それを繰り返すことができないとスコアアップは難しいものです。
「M-Tracer For Golf」というスイング改善のためのアプリもありますので、再現性のあるスイングを手に入れたい方は使ってみるのも良いでしょう。
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理想のスイングの手が入る「M-Tracer」とは?力を抜くと飛ぶことが数値で分かる!使い方と解析・改善方法
ゴルフスイングが3Dで可視化できる夢のゴルフトレーナー「M-Tracer」
これを使えば自分のスイングはどこが悪いかすぐに分かります。
また、良く言われている「力いっぱい振ると飛ばない」ということも、M-Tracerを使えば数値で解説してくれます。
②飛距離に繋がるトップと切り返し
初心者の多くはトップから腕と肩だけで切り返す傾向があり、そのためにクラブがアウトサイドから下りています。
結果的に上体の開きが早くなり、インパクトではフェースが大きく開いて当たるのでボールにパワーが伝わりません。
テイクバックではクラブに続いて上半身から下半身へと流れるような動きが、切り返し以降下半身から上半身へと、最後にトップの位置で”置き去り”にされていたクラブが体に巻き付くイメージです。
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ゴルフはムチ動作と2重振り子理論で飛距離が大幅にアップ!腕とコックの使い方がこれで解明!
「思い切り振っても全然飛ばないのは何故?」と疑問に感じるゴルフの7七不思議。
今回は読めばその謎が分かる「ゴルフ理論のお話」です。
ゆっくり振ったほうが飛ぶ理由の秘密は、ムチ動作と2重振り子の原理を知れば簡単に理解することができます。
アイアンは、フェースの角度(ロフト角)とシャフトの長さの違いで飛距離が変わるように最初からできています。
クラブの構造と特性を信用し、すべてのアイアンが一定のスイングスピードで振れるようにすると飛距離が出て安定感が増します。
アイアンの飛距離についてのまとめ
『どうしても友達になれないヤツがいる。小さなウソをつくやつと、アイアンの飛距離を自慢するやつだ』
といったのはビング・クロスビーでした。
クリスマスになると必ず皆さんが町で耳にする「ホワイトクリスマス」や「サイレントナイト」のヒット曲は、彼が世に出し生涯のレコード売り上げで4億2千万枚といわれました。
アイアンショットの自慢は飛距離ではありません。
前後左右の精度をいかに高めるかが重要で、特にショートアイアンを得意クラブにすることがスコア100切りを達成する秘訣です。
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ゴルフのスコアメイクの鍵を握るのは、なんといっても「アプローチとパッティング」です。パッティングだけでスコア全体の40%、アプローチを含めれば6割ほどがグリーン周りでのショットであることに気付くはずです。今回はウェッジの使い方を理解するためのメソッドです。
それでもやっぱり飛ばしたい!
まとめの後に追記しますが、そうはいっても「飛距離は正義」とお考えの方もいるでしょう。
そんな方にオススメなのが「EPIC STAR(エピックスター)」というキャロウェイから発売されているアイアンです。
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トッププロたちがこぞって「飛びすぎる!」と絶賛した、キャロウェイから新発売されたアイアン「EPIC STAR」
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上記の記事でも紹介していますが、トッププロたちが試打した結果、平均で25%もの飛距離アップが実現しています。
まさにぶっ飛びモデルです。