「いや~、今のはホント芯を食った良いショットだったよ、残念なのはOBなことだけだね!」
あるコンペでの会話です。
なかなか100切りが達成できない方の中でも素晴らしいショットを放っているゴルファーはたくさんいます。
それこそ250ヤードは軽々超えてきて280ヤードくらいは飛ばしている方も良く見かけますが、非常に勿体ないのは「真っすぐ打てていないこと」です。
スライスやチーピンなどのミスなら致し方ない部分もありますが、これが「力強いストレートボール」でOBゾーンの遥か彼方まで飛んで行ってしまうのは残念ですよね。
今回はゴルフのショットで重要な方向性にかかわる「アライメント」についてのドリルです。
自分では狙った方向に対して真っすぐ向いているつもりでも、実は多くのゴルフ初心者が「狙った方向を向いていない」のです。
これでは真っすぐ打つこと自体が難しいですよね。
ターゲットに対し正しく向くことがいかに大切か、そしていかに簡単なことではないか、アライメントの奥深さを学びましょう。
アライメントとは
アライメント(Alignment)という意味はゴルフの専門用語ではありません。
ごく一般に使われる英語で、動詞の”Align”を名詞にした単語で、照準、同調、位置合わせという意味があります。
ゴルフで使うときは肩の方向合わせだけと考えではなく、足場の状況に合わせた傾きも含めてアライメントといいます。
先ほど一例を上げましたがゴルフのアライメントは非常に大事でセットアップの基準になります。
例外的なケースを除き、ボールとターゲットを結ぶラインに対し、肩のライン、両足のつま先のラインをどう合わせるかで弾道が決まってくるからです。
アライメントの正しい合わせ方を知ることで「この位置に打ち出せば真っすぐターゲット方向に飛んでいく」という安心感が生まれ、リラックスしてスイングをすることができるようになります。
初心者の90%がアライメントミスしてる!?
アマチュアのミスショットはアウトサイドインになりすぎとかトップが浅すぎ、フェースが開いたなどありますが、それ以前にアライメントのミスがあります。
ある統計で初心者の90%がアライメントミスを犯していたというのがありました。
記憶が定かではないのでソース先を載せることは出来ませんが、確かに初心者の方とラウンドするとほぼ100%に近い確率でアライメントがズレています。
一番多いのは写真のようなターゲットより右を向くタイプ(右打ちの場合)です。
ある意味、人間の感覚からしても普通にありがちで、ごく自然なミスだともいえます。
アドレスしたときは自分の目とターゲットを結んだラインと、ボールからターゲットを結んだラインというのは異なります。
写真の例を見てもわかるように、目とグリーンを結んだ線とスタンスの向きは合っていますが、このまま素直にショットすればとんでもない右方向に打ち出してしまいます。
冒頭で芯を食ったショットがOBだったという話を紹介しましたが「アドレス方向に正しいショットができた」結果ナイスショットが生まれたわけで、ターゲット方向にはムリヤリ引っかけたりしないと飛んでいきません。
したがって正しいアライメントを知らないと「フェアウェイに飛んでいくときはイマイチだけど、右のOBゾーンに飛んでいくときはナイスショット」という、非常に勿体ないショットを繰り返してしまうのです。
やや左にアライメントを決めると平行になる
ドライバーなどのティーショットで簡単なアライメントのセット方法を紹介します。
ボールの後方数ヤード下がった位置から、ターゲットに対し仮想線を作ります。
ボールの1ヤード前方付近にマーク(スパット)を確認し、そことボールを結んだ線に対して平行のラインでスタンスを決めます。
カラダが右を向くクセがある人は、意図的に左を向くようして「これが平行!」という意識を強制的に持つ習慣が必要です。
パラレル・レフトの原則
正しいアライメントの感覚を磨くということは、ショットの方向性そのものに関わってくるので重大なのです。
ショット自体は非常に良いものをもっているのにアライメントの取り方がイマイチだったら、その方はアライメントのせいでなくショットの仕方が原因だと考えてしまい迷宮に入ることになります。
パラレル・レフト(Parallel left)というゴルフ用語があります。
さきほど説明しましたが、目とボールの位置がズレていることから、自然に構えるとどうしても右に向きがちです。
体の向きを正しく据え付けてアドレスするには、意識的にほんの少し左(右利きの場合)を向いたほうが正しい結果が出せるので、そのことをパラレル・レフトといいます。
アプローチでのアライメントミスは取り返せない
アプローチなど距離の短いのショートゲームでのアライメントは、うまく寄るかどうかを決める重大なポイントです。
むしろ先ほどのドライバーなどでは、アライメントのビッグミステークさえしなければまだ小さな傷で済みます。
しかし、それが20~30ヤードの精密なアプローチとなるとアライメントの取り方をミスした時は致命傷になります。
キャディさんつきでラウンドするときは、写真のようにキャディさんに後方からチェックしてもらうといいでしょう。
ルールにこだわらない練習ラウンドなどでは仲間に見てもらうという方法もあります。
「えっ!そんな方を向いていたの!!」と驚くかもしれませんよ。
真っすぐのスタンスをした”つもり”なんだけど…
”つもりショットはいつまでたってもつもりショット”です。
冒頭にも出ましたが、自分では真っすぐのつもりでは修正になりません。
最低でも両肩や足元のラインが、ボールとターゲットを結ぶラインと平行になるようにしっかりアライメントしないと方向性を良くすることも、本当のミスの原因を把握することもできません。
動画を撮るのは非常に有効な手段です。
打ちっぱなし練習場では、突き当りにある正面の柱か何かに目標を定めたつもりで、後方から撮影したものを見ると、肩の向きや足の位置がまるでズレていることに気づきます。
最近はスマホでチェックできるスイング分析アプリもあります。
ただし練習場ではマットにラインが入っているので自ずと正しいアライメントになっている場合もあります。
やはり実際のラウンドで誰かに目で確認してもらう(またはスマホで動画を撮ってもらう)ことが一番手っ取り早い処方箋です。
基本のアライメントを覚えたら応用しましょう
ドライバーでもフェアウエイウッドでも、基本通りマークを目印にしてアドレスするだけでは方向性にミスが出ることがあります。
それが風によるいたずらと傾斜地で、特に足元の凹凸が大きいときはそれなりの応用が必要です。
例えばつま先上がりの時や、左足下がりが強いときは基本的に右を向きたくなるのが通常です。
それに加えボールにサイドスピンがかかりやすくなるため、せっかく正しいアライメントをとったのに右に飛んで行くことになるでしょう。
このようにつま先下がり、左足下がりはスライス回転になりますから、風の向きと自分の持ち球の計算からアライメントを加減する必要があります。
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そんな方はゴルフ場の傾斜をあまり気にしないでショットしているのかも。
今回は左足上がり・下がりの傾斜を克服するためのスイングメソッドと傾斜地対策について解説していきます。
平地ならピンのやや左目が正しいアライメントなら、このようなケースではグリーンの左端いっぱいを狙って大丈夫です。
これは初心者の方にとってあまり簡単な計算ではないかもしれませんが、経験を積むことで徐々に要領がわかってきます。
そういう意味ではミスは無駄になりません。ミスの数だけ必ず上達します。
足元にクラブなどを置くのは手軽で効果のある練習
プロの練習風景でおなじみの、写真のようにスティック(クラブでも可)を足元に置いて打つことはとても効果的です。
スティックは1本でも2本でもいいのですが、できればボールの方向と足元と2本あったほうがいいでしょう。
10球程度打つごとにその2本の方向を変えていきます。
繰り返していると自分の打球方向が足元のシャフト方向と右寄りか左寄りかに偏っていることがわかります。
それは自分の持ち球の傾向ですから、構えるときにボールの位置やグリップを微調整することでさらに精度が上がります。
正しいアライメントのまとめ
今回はアライメントの習得技術についてまとめました。
よくお読みいただくと、アライメントに無頓着ではスコアアップにならないことがお判りだと思います。
そして、アライメントがわからないと自分のスイング対する信頼ができなくなり、せっかく良いスイングを持っているのに悪い方向へ修正してしまう原因にもなりかねません。
反対に、正しいアライメントを知ることでようやく「自分のスイングに何が不足しているのか」を知ることができます。
まずはアライメントありきということです。