最近飛距離が落ちてきたなぁ・・・
どうもヘッドの走りが感じられない・・・
などというお悩みをお持ちなら、一度グリップの交換をしてみてはいかがでしょうか。
ゴルフのグリップは初心者の皆さんが考えている以上に大事な部品です。
グリップはプレーヤーとクラブの接点です。
人間の自由な意思で動く手首と、しなりを持つシャフトはグリップとグローブを介して保持されボールを捉えます。
冒頭のお悩みを少しでも感じた場合、真っ先にクラブの交換を考えがちですが、実はグリップの交換だけで解決することがよくあるんです。
それでは今回は「グリップ」はショットに対してどう機能するのか、交換する方法はどうするのかをわかりやすくご紹介していきます。
グリップは自動車のタイヤと同じ
良いショットを打つために必要な条件は
①ボールをクラブヘッドの芯で捉えること。
②クラブヘッドを上手に加速して最適なヘッドスピードを出すこと。
③イメージした距離と方向を確保すること。
この3点を実現するためには、腕の振り方(スイング軌道)と手首の使い方の要素が大きなものになります。
手首のコックとアンコックを支えるのがグリップです
板にクギを打つときを想像してみてください。
ハンマーを釘の上に乗せてから上に引き上げるときがコックされるときで、振り下ろして釘に当たる直前にはアンコックされます。
ハンマーは柄が木製ならまだしも、鉄製なら滑って釘の中心を外しやすくなります。
手首はクルマでいうとハンドルに近いものがあります。
ハンドルは手首を使って操作するところがよく似ていて、大きさや材質が様々です。
ゴルフのグリップは車のタイヤと同じ消耗品です。
タイヤもグリップも交換することで性能を維持したり、さらにハイレベルのスイングへと向上させることが可能になります。
ギアの性能を最大限に引き出してくれるのもグリップあればこそ、グリップは常時ベストに保ちたいものです。
摩耗して劣化したグリップを使っていませんか?
グリップは想像以上に摩耗しやすいもので、時間とともに劣化していきます。
そもそもスイングに適した素材は摩耗には弱い傾向があります。
耐候性(直射日光や雨)、それに汚れや汗や手の油などが脆弱する原因です。
グリップを交換するメリットは手の摩擦力が回復することで、プレーヤーに安心感を与えることもあります。
汗で滑ってしまうのではないか?あるいは雨の日にグリップが滑ったら困るなどの不安を抱えては良いショットは生まれません。
そういった潜在的恐怖感が少なくなると、「クラブは小鳥をそっと手で包むように持つ」というイメージが再び回帰してクラブを軽く握ることができます。
さらに、新品にしたことでテンションが上がるかもしれません。
グリップを交換するタイミングと方法
そもそもグリップには寿命があります。
一体グリップの交換時期とはどのくらいだと想像しますか?
一般的に言われるグリップの交換時期は1年に1回ペースが良いといわれます。
でも、ラウンド回数が人によってマチマチですね。
一般の方は30~50ラウンドを目安に交換するのが一番良いともいいます。
ただし、こういった目安はその方個々の練習回数や、握りのプレッシャーとか握力とか振り方でも若干変わってきます。
大体は素手でグリップを握って振ってみて、「滑る感じがある」となった時がサインかもしれません。
フレッド・カプルスや数名のトッププロでグローブをしない選手がいます。
彼らがそのことを聞かれて、グリップは毎月2回ペースで交換すると答えたことがありました。
まぁ、彼らには契約メーカーがついていて、替えようとすれば毎日でも可能なんですが…。
メーカーの話では、男子女子ともにプロゴルファーの平均は4~5週間だそうです。
ちなみに、世界のトッププロが使う率で圧倒的一位のメーカーは「ゴルフ・プライド」です。
この会社のお話も面白いので、機会があったら調べてみてください。
正しいグリップ交換がナイスショットの秘訣
「指を傷めない、皮がむけないしタコにもならない。そして腕が疲れない。これが理想のグリップだ」
と語ったのはPGA歴代優勝回数82勝(第一位)のサム・スニードでした。
この名言は握り方のガイドですが、やはりグリップそのものにも大きく関係しています。
同じクラブでもグリップの重さや太さ・硬さとか装着法が違うと、振った時の感触は驚くほど”ベツモノ感覚”になります。
ゴルフはずいぶん些細なことで変わるものです。
たかがグリップですがプレーに大きな影響があります。
それでは自分でも簡単にできる「グリップ交換の仕方」です。
①古いグリップを取り外す
カッターナイフなどで切って取り外したら、それまで使っていたグリップのデータを記録しておきましょう。
特に、グリップの長さと重さが変わると違和感があらわれます。
スイングによって長く持ったり短く持ったりするせいです。
交換して仕上がった新しいグリップは以前の長さと変わらないように注意します。
②グリップの太さの確認
グリップには太さのサイズがあります。
普通一般に使われているのは58、60、62の3種類です。
この数字はグリップの内径(赤マル部分)を示しています。
”58”というのは0.58インチです。
同じグリップに挿したとき、内径が狭ければその分握った時に分厚く感じます。
58は“肉厚”、62は“肉薄”となります。
つまり、数字が少ないほどシャフトとグリップの太さの差が大きいということになります。
一般的にグリップが細いほど飛距離を出しやすく、太くなるほどコントロールが良くなる傾向にあります。
③初心者はらせん巻きがオススメ
交換作業に必要なものは、グリップ交換溶剤と両面テープがあれば大丈夫です。
町のゴルフショップにはグリップ交換キットなどが売っています。
古いグリップを剝がしたら溶剤でグリップ部をきれいに拭き取り、そこに両面テープを巻いていきます。
巻き方は主に二つあり、シャフトに合わせてタテに貼る方法とらせん状に巻いていくやり方です。
はじめての作業なららせん巻きが簡単でミスが少ないやり方です。
らせん巻きはテープとテープの隙間を一定させるだけで、相対的にテープの厚みが均一化されますから仕上がりがきれいです。
④ポイントは溶剤の使用量
失敗する方は溶剤の量をケチって少なくするケースで、これはうまくいきません。
テープの紙を剥がしたところにたっぷり溶剤をかけ、挿入するグリップの一方を指で栓をした状態でこちらにもたっぷり溶剤を流し込みます。
ポタポタと滴るくらいでないとスッと入っていかないので注意しましょう。
シッカリ奥まで挿入できたら、最後にグリップの向きがシャフトの中心線に乗っているかのチェックをして完成です。
失敗しないグリップ交換のまとめ
ゴルフにはフィッティングという、例えばライ角調整などの作業があります。
そのあたりになるとショップの方にお願いしないとできませんが、自分でクラブチューンする手始めにグリップ交換がおススメです。
最初は手間暇かかるかもしれませんが、慣れてくると楽しい作業です。
グリップを交換することで自分に合った微調整ができますし、クラブに対する愛着が芽生えること間違いありません。
パターが入らないでパターを取り替えるより、最近流行りの極太グリップで大変身した方もいます。
一度やってみてはいかがですか?