ゴルフは何百メートルも離れた場所からスタートして、直径10.8cmという小さなカップにボールを入れるスポーツです。
最初のうちは出来るだけ近づけたいと飛ばしますが、徐々に精度の高いコントロールショットを放つ必要があります。
そのために最大14本ものクラブを携帯することがルール上定められていますが、苦手クラブの存在や心理的なプレッシャーなどにより「手加減して」スイングしてしまっている方をよく見かけます。
「このクラブだと大きいんじゃないか」
「トップして飛んでったらOBもあり得る」
なんてことを考えてしまっているのかもしれませんね。
今回は飛距離をコントロールするためのテクニックについて解説をしていきます。
コントロールショットと力加減の違い
「力加減」というとよくセットで使われる言葉に「脱力」なんてのがあります。当サイトでも脱力スイングを推奨していますが、少し混同してしまう方もいらっしゃいます。
脱力はスイングスピードを加速させるために行いますが、飛距離を出すにはボールに力を伝える瞬間の力を最大限に持って行く必要があります。
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ゴルフ初心者でやってしまいがちな力加減とはインパクト時に力を緩めるスイングであり、かなり難易度の高いショットです。
試しに練習場でインパクトの前後だけ力を緩めてショットしてみてください。芯に当てることはおろか場合によっては空振りしてしまうでしょう。
しかしこの難しい打ち方を初心者の多くは選択をしてしまい、飛距離をコントロールしようと力を緩めてミスしてしまいます。
3種類のコントロールを身につける
このように、力加減による飛距離の調整は非常に難しいものです。それではどのようにして狙った距離に打ち分けることができるのでしょうか?
基本的には以下の3種類で飛距離をコントロールしていきます。
- クラブの種類
- グリップを持つ位置
- スイング時の振り幅
さらに中級者以上になるとボールを置く位置でも飛距離調整は可能(後述)ですが、基本的にはこの3種類と覚えておきましょう。
距離のビトウィーン(間)を埋める
まずはクラブ選択による距離調整について考えてみましょう。
クラブ別の男性・女性平均飛距離を表にしてまとめてみます。
クラブ | 男性平均 | 女性平均 |
1W | 220 | 170 |
3W | 190 | 160 |
4U | 180 | 150 |
5U | 170 | 140 |
5I | 160 | 130 |
6I | 150 | 120 |
7I | 140 | 110 |
8I | 130 | 100 |
9I | 120 | 90 |
PW | 110 | 70 |
AW | 90 | 60 |
SW | 70 | 50 |
あくまでも参考値ですが、概ねこの数値前後になる方が多いです。
クラブはキャディバッグに最大で14本入れることができますが、中身は人によって様々です。ドライバーを2本入れたりサンドウェッジを3種類用意される方もいます。
これは苦手な距離を克服するために用意することが多いですが、用意した番手のバランスが悪いとクラブとクラブの間、つまりビトウィーンの距離が広がってしまいます。
それに得意・苦手のクラブも人によってそれぞれですから、「90~120ydの距離はホント苦手…」とか「アプローチが全然うまく出来ない」なんてことにも。
クラブ選択による距離の調整方法は「全ての番手を満遍なく使える」といった前提の元、バランスよく用意しておかなければならないといったデメリットが存在します。
であれば、1本のクラブである程度距離をコントロールできたほうが有利ですよね。
その方法がこのあと紹介する「グリップによる調整」と「スイングの振り幅による調整」です。
グリップの位置でどのくらい距離が変わる?
グリップの長さはメーカーによってバラつきがあるものの、27~31cmほどでほとんどが収まっています。
平均的な男性の場合、右手と左手でグリップを握っている長さは15cmほどですから同様にグリップが見えるのは15cm程度となります。
一般的にグリップを持つ位置を1インチ(2.54cm、親指の幅プラスアルファ程度)変えると5ヤード飛距離が変わると言われています。
グリップの可動範囲が4インチあるとすれば
- 1インチ短く持つ:5yd
- 2インチ短く持つ:10yd
- 3インチ短く持つ:15yd
- 4インチ短く持つ:20yd
と4種類の飛距離調整が可能です。
もちろん5番アイアンとサンドウェッジではここまでの飛距離の差は出ませんし、スイングによっても変わってきますので、打ちっぱなしなどで練習してから実践で使うようにしてください。
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スイングの振り幅で変える
最もポピュラーかつ優しい飛距離調整方法がスイングの振り幅で変更するやり方です。
細かく考える必要はなく、基本的には3種類だけ覚えておけば良いでしょう。
- フルスイング:100%の飛距離
- 肩から肩まで:70%の飛距離
- 腰から腰まで:50%の飛距離
人によっては腰のラインまでのスイング幅で30%だったりとまちまちですから、実際に練習場で打ってみて距離の確認を行いましょう。
気を付けるべきは「どのレベルでもスイングリズムは一緒」ということです。50%の飛距離だから少し力を入れようとか、普段と違うリズムでスイングしてしまうとミスの原因となりますので注意しましょう。
ひとつのクラブで15通りの飛距離
このように「グリップを持つ位置」と「スイングの振り幅」による飛距離調整ができるようになると、ひとつのクラブで15通りもの打ち分けができるようになります。
たとえば7番アイアンでフルショットが140ヤード飛ぶ方なら以下のようになります。
グリップ | 100% | 70% | 50% |
0インチ | 140 | 98 | 70 |
1インチ | 135 | 95 | 68 |
2インチ | 130 | 91 | 65 |
3インチ | 125 | 88 | 63 |
4インチ | 120 | 84 | 60 |
ここまで細かく打ち分ける必要はありませんし、完成させるにはかなりの練習量が必要です。しかし、こういった理屈が理解できているかいないかというのは大きな差となってきます。
たとえば花道が広い残り60ヤードのアプローチ、サンドウェッジでのフルショットはトップしたときに大オーバーしそうで怖い、なんてときは7番アイアンを一番短く持って50%のスイングにして少し距離のあるランニングアプローチで寄せるなんてことにも応用することができます。
ボールの位置で飛距離をコントロールする方法
これは少し難易度が上がるので、ある程度の目安としてスコア100前後になってからチャレンジしてみると良いでしょう。
ボールの位置を普段よりも少しずらすことで弾道を調整する方法です。
右足と左足のちょうど真ん中にボールを置きます。このとき7番アイアンならば普段は140ヤード飛ぶ方であれば、ボールを1個分前(右利きなら左足側)にずらすだけで弾道が高くなり、結果として130~135ヤードなど飛距離が落ちます。
反対に右足側にずらすと弾道が低くなります。ランの影響もあるのでトータルの飛距離では変化がない可能性もあります。
この打ち方は主にアップダウンのあるコースや風のあるなしで対応させる方法です。
上りのキツイコースではランが稼げないのでキャリーでなるべく飛ばしたいとか、風が強い・下りが続いているなんて時は弾道を低くしてランで飛距離を稼ぐ、といった時に有効です。
ただし、ボールの位置による弾道の影響をあまり理解していないとシャンクやチーピンなどのミスに繋がりやすくなるため、まずはこれまでに紹介したグリップとスイング幅での距離調整に徹するほうが良いでしょう。
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グリップとスイング幅で飛距離をコントロールする方法のまとめ
以前「ゴルフ初心者はパタープラス3本のクラブがあればOK」という記事を投稿しました。
14本もあるクラブですから、全てを満遍なく練習するよりも数本に絞って練習したほうが上達もスピードも速く、スコアもまとまりやすいといったお話です。苦手クラブで打つよりも自信のあるクラブでショットした方が結果も良くなります。
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このお話と同様に、1本ないし2本のクラブである程度の距離をコントロールできるようになると、途端にゴルフが簡単になってきます。
極端な話、ティショットはドライバーであとは7番アイアンだけ、なんてことも出来るようになります。