ゴルフとは摩訶不思議なもので、残り300ydと1ydでも同じ1打、スコアを競い合うスポーツですから重みも一緒です。
むしろ後者の方がカップインというゴール目前なワケで、プレッシャーから考えてみると比重は大きくなります。
にもかかわらずパターの練習に時間を割く方は非常に少なく、大半の方はドライバーなど飛ばすためのクラブ練習に時間を費やします。
ゴルフスコアのおよそ40%はグリーン上での出来事です。
パターという、コース内で最も使用するクラブを練習することこそスコア100切り、さらにその先への切符のようなものです。
今回は、そんな重要なパター練習を効率的に行うための秘密兵器「iPING」というスマホアプリを紹介します。
- まっすぐパッティングできない
- 同じ強さで打てない
- どのパターが合っているのか分からない
という方は必見です。
パットが大の苦手だった男を変えたアプリ
実はこのアプリを知ったきっかけはよくゴルフをご一緒する友人から聞いたからでした。彼は体格にも恵まれていて(180cm)、ドライバーは常時280yd超えで真芯に当たると300ydなんてことも。
そんな彼ですが、これまでスコア100を達成したことがありませんでした。
それもそのはず。本当にパターが苦手で、色んなタイプのパターを試し、またグリップも逆手から時には片手打ちまでやっていましたが、全然入らないんですよね。
どうにも力の入れ具合が分からないということでパッティンググリーンでレクチャーをしてみたりしても、コースに出てみると3mのパットを1m以上ショートしてしまったり、1mのパットを大オーバーしてしてしまったりと散々です。
そして「パターはストレスが溜まるから嫌いだ」と、しばらくゴルフから遠ざかっていました。
そんな彼からしばらく振りに連絡が来てゴルフに行ったときのことですが、その変貌振りにただただビックリ。
40パットを切れなかった彼が28パットで上がり、トータルスコアも88という好成績でした。
感覚ではなく数値で自分を客観的に見れる
そこで冒頭に紹介したスマホアプリ「iPING」の話を聞くことになるのですが、このアプリの優れている点はとにかく自分のストロークを数値で教えてくれることだと話してくれました。
どうしても人から教わった「こういう感覚で〜」というのは彼にとってはイマイチ理解しづらいものがあったそうですが、自分のストロークを数値化できた今では、これまで教わってきたアドバイスも理解できるようになったそうです。
スマホアプリ【iPING】とは
iPINGとは、パターメーカーでも有名なPINGが開発したPhoneアプリで、使用することでパターストロークの重要な要素を数値化して教えてくれる優れものです。
プロゴルファーも自分のパターフィッティングに使用するくらい、今注目されているアプリです。
iPINGでできること
iPINGはパターの弾道を決める5つの要素をスマホで確認をすることができます。
- ストロークタイプ
- インパクトフェース角
- ストロークテンポ
- ライ角
- ハンドポジション
装着して5球打つだけで上記項目を確認することができます。
パターにはピンタイプやマレット、T字など様々な形状のものがありますが、一概にどれが良いというものはありません。
これはストロークタイプや打感・操作性を重視するか否かなどで、その人にとって良いパターなのかが分かれるからです。
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例えばインパクトフェース角が広い方は操作性の高いピンタイプが向いていますし、構えた時のライ角が合っていなければ調整が必要になります。
自分にとってのパター探しをすることを「パターフィッティング」と呼びますが、iPINGはまさにパターフィッティングに欠かせないアイテムとも言えます。
iPINGの使い方
それではiPINGの使い方について説明をしていきます。
まずはアプリの無料ダウンロードを行います。
続いてお手持ちのiPhoneをパターに装着するためのiPINGクレードルを装着するのですが、これは残念ながら有料です(3〜4000円程度)。
とはいえ自作で賄うことも可能です。この方の作り方が参考になりますね。
あなたのクセが見える練習モード
iPINGクレードルを装着した後は「パター練習モード」と「パター測定モード」の2WAYで使用できます。
まずはパター練習モードで約3mの距離から5球ほど打ってみましょう。
アドレス→バックスイング→インパクト→フォローと一貫した流れの中で、あなたのフェースの開閉角度がどうなっているのかがわかります。
同時にあなたのスイングリズムがどうかもわかります。 上げ方が早すぎたり、逆に振り下ろしが性急過ぎないかなど簡単にチェックできます。
さらに、アドレスやインパクトの時のライ角は適切な範囲かどうかでシャフトの傾け方の良し悪しも一発で理解できます。
パターフィッティングをしてくれる測定モード
パター測定モードもパッティングに有効なガイドとなります。あなたの構え方やストロークにピッタリのパタースペックがすぐに理解できます。
数発ボールを打ちます。
打ち終わった時に、液晶画面中央の円の色が緑色になるほどストロークの再現性が良いと表示されますから、一目瞭然です。
ライ角が「ブラック」と表示される意味は、PING社のカラー区別に従ったもので、ブラックはノーマルタイプですからあなたは市販品のパターでイケますということになります。
それ以外のカラーであればライ角などのフィッティングが必要になります。
またロフト角が3度程度ならすなわちノーマルタイプで大丈夫、フェースのローテーションを抑えてまっすぐに振るほうが効果的な方はマレットか大型マレットのほうが良いということがわかります。
ゴルフは再現性を高められるかが上達のカギ
今回はパッティング上達のためのアプリの一例を挙げました。
このように自分のクセを数値として可視化することで、今自分がどのような状態なのかがハッキリと理解することができます。
それぞれのクセを数値化することによるメリットは他にもあります。
それは再現性です。
ゴルフはその日その時の体調や視覚的・心理的プレッシャーなどにより、スイングが微妙に変わってきます。
ゴルフ練習場では良いショットが出ても実際のコースでナイスショットを打てないのはこう言った理由がほとんどです。
自分では同じようにスイングしていても少しずつズレていることに気づけず、「あれ?こんなハズじゃなかったのに」なんてことも良くあります。
iPINGで数値化しておくことによって自分の最適なスイングテンポなどを把握できるので、本番前のパッティンググリーンなどでおさらいをすることも可能です。
ぜひ次のゴルフに行く前に活用してみてください。