よくゴルフスクールやレッスンなどで「手打ちスイングは止めましょう」といったことを聞きます。
また、同時に「ボディターンでボールを捉える」と指導されていますが、これがゴルフを始めたばかりの方を悩ませる2大キーワードです。
ゴルフは手だけで打っても再現性は高まりませんし、ボディターンがないとボールは遠くへ飛んでいきません。
指導をしている側からすると正しいことを伝えているつもりですが、正しいゴルフスイングの知識がない状態でこの説明を受けてしまうと
「そうか、体を回転させて打てばいいのか、腕(手)はそれについてくるだけか!」
と理解し、止まっているボールに対して振り遅れてしまうという結果となってしまいます。
今回は、手打ちスイングとボディターンについての誤解と、やってはいけないスイング(棒打ち)について解説していきます。
スライスが直らない方、飛距離が出ない方は必見です。
大事な場面でスライスOB!その原因は?
前半を40台で周り、後半戦もここまではダボペース。残り3ホールをボギーで上がれば初めての100切り達成!
そしてやってきたロングホール。緊張しながら放たれたティショットはイメージとは裏腹に右の谷へスライスしてOB。
がっかりしたのかこのホールは10打叩いてしまい、結局夢の90台はお預け。。
なんてこと、本当によく見ますね。一体なぜこのようなことが起きてしまったのでしょうか?
大きな理由は以下の3つです。
力が入りすぎている
最大の理由は「緊張から来る力み」によるものです。
遠くへ飛ばしたい!と思えば思うほど肩や腕に力が入り、肝心のクラブは置き去りとなってしまい振り遅れが発生します。
クラブのしなりをイメージできていない
ドライバーなどの長いクラブは、シャフトが柔らかく良くしなります。
このしなりが戻ってくるタイミングで捉えることで、ボールに最大限のエネルギーを伝達することができますが、力みによってヘッドが出てこないので「しなりが戻る前」にインパクトしてしまいます。
しなりのない棒切れでスイングしているようなイメージになってしまっています。
ボディターンを意識しすぎている
冒頭でも出てきましたが、ゴルフ初心者レッスンではボディターンについてしっかりと指導しています。
しかし本来は「ボディターンと連動した肩や腕の動き」が重要で、これだけではクラブフェースが真っすぐになる前にヒットしてしまいます。
手打ちスイングをしないから振り遅れる
人間は緊張すればするほど体の動きがぎこちなくなり、部位ごとの連動性も弱くなっていきます。
先ほどの例ではボディターンと肩・腕の連動性が失われていたことによるミスが考えられます。
こういったミスを少なくするためにオススメしたいのが「手打ちスイング」です。後述する「棒打ちスイング」とは全く違う打ち方です。
「手打ち」というと何だか体を使わずに打つといったイメージがありますが、そうではなく通常のバックスイングを取ります。ダウンスイングに入ったらボディターンは一切意識せず、とにかく肩と腕主導でスイングをする打ち方です。
この打ち方の利点は、
- 振り遅れミスが圧倒的に少なくなる
- 余計な力を入れ辛くなる
- ミート率が上がる
実際にやってみてもらうと分かりますが、フルスイングした打球と比較して飛距離がほとんど変わらないことが分かります。
それだけでなくミスの確率もグッと下がるので、実質的には飛距離が伸びています。
ボディターンはついてくるもの
この記事ではボディターンを否定するものではありません。むしろスイングには重要な要素だと考えています。
しかし、ボディターンとは意識するものではなく「スイングに引っ張られて付いてくる」というのが正解です。これをムリヤリ「下半身主導で、腰を回して、そのあと肩、そして腕…」とやってしまうからミスが発生するのです。
ボディターンがうまくいっているかどうかは以下の手順で確認することができます。
ボディターンができているか確認をするには
①クラブを持たないでアドレスします。
②右手の平でクラブフェースのイメージを作ります(右利きの場合)。
③当然右手の手の平はターゲット方向にスクエアになっているはずです。
④そのまま手でテイクバックしてインパクトの形、つまりアドレスの時のポーズに戻します。
⑤そのままフォロースルーに入りますが、一連の動きの中で右手の手の平側が見えないで、常に甲側だけが見えるならフェースローテーションは間違っていません。この時手の平が見えていたら体が突っ込みすぎです。
棒打ちがなくなれば飛距離が格段に上がる
手打ちスイングと似ているようで全く違うのが「棒打ちスイング」です。
棒打ちスイングとは「腕からクラブヘッドまでがほぼ直線のまま打ってしまうスイング」のことです。
ダウンスイングが始まる際のトップの位置が、クラブのシャフトをまっすぐに立ってるタイプの方がいます。
その直立したシャフトはやがて左腕が地面と平行になった時、シャフトも腕の延長線上にあり腕とシャフトが見事に一直線になるというコラボレーションを演じます。
これぞ完全に手首のタメがほどけてしまっているスイングですね。
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ボディターンを意識しすぎるがあまり、こういったスイングとなってしまっているのでしょう。
また、クラブフェースのスイートスポットに当てなければということだけの使命感が強すぎての誤解から生じています。
トップからインパクトにかけて腕とシャフトが等速になるため、たしかにフェースのどこかには当たり空振りにはなりにくいのですが、この振り方が典型的な「棒打ち」と称されています。
この打ち方は距離が出ない打法で、俗にいう「置きに行っている打ち方」になります。
ノーコック打法とも呼ばれ、リスト(手首)の動きを殺してしまうことから、ここで言われる手打ちはとても良くないものです。
手打ちスイングのまとめ
よく「手打ちスイングはやめましょう」という声を聞きますが、これがもしかすると初心者にとってゴルフを難しくさせている原因かもしれませんね。
タメの出来ていないスイングは良くありませんが、結局ヘッドが正しい位置で捉えることができないとボールは狙った方向へ飛んで行きません。
鶏と卵ではありませんが、タイミングの良い体のターンがあり、それにシンクロ(同調)して腕が振られるのが理想的なスイングです。
初動こそボディターンですが、どちらかがおざなりになっても良いスイング・良い打球にはなりません。
スライスで悩んでいらっしゃるゴルファーの方は、ダウンスイングで肩と腕が主導権を握るスイングを練習してみてください。
スライスでお悩みの方におすすめ