ゴルフに興味を持ち、トライした方の中で「100切り体験」する方の割合は35~40%くらいではないかといわれています。
ということは、スコア100が切れれば「中・上級ゴルファー」の称号がもらえ、世界中どこでもスキルに問題なし、堂々とプレーすることができます。
女性ゴルファーは楽しむことが上手です。
「ゴルフはスコアだけがすべてじゃないのよね~~♫」
などといいながら、嬉々としてラウンドします。
どうも男性に比べると「明るさ」が違う感じがします。
とはいうものの、ウデが上がることを不満に思う方はいませんね。
プレーする以上、ハイブローなゴルフの醍醐味を味わいたいと思うと「100切り」は当面の目標になります。
今回はある女性がゴルフを始めてからたった1年で100切り達成した実話です。
男性であれ女性であれ、その”上達の登坂ルート”は初心者の方の参考になること間違いありません。
1年で100を切った女性の実話~いったい何をしたの?
愛理さん(仮名)は30歳になったばかりの独身OL、高校時代はテニスに夢中だったというどこにでもいる普通の女性です。
ゴルフを始めたきっかけは職場の上司にシングルプレーヤーがいたことです。
仕事帰りに2~3回打ちっぱなし練習場で教わるうちに、愛理さんはゴルフの楽しさを知ってしまいました。
「しまいました」というのもどうかと思いますが、ゴルフにはある意味「魔力」がありますから、適当な言葉ではないかと思います。
その後、グリップやアドレスなど基本の手ほどきをしてくれた上司は仕事も多忙、ゴルフの競技会も毎月のようにありました。
結局、愛理さんのレッスンは月イチペースになっていきました。
仕方なく週一回ペースの打ちっぱなし練習場は一人のコソ練になります。
こうしてみると愛理さんのゴルフ習得の道は、多くの方と同じ半分独学だといっていいかもしれません。
ゴルフ道の入り口で渡された「4つの約束」とは?
愛理さんがうまくなりたいという「欲」が出たころ、上司がそれではといって渡してくれたメモがあります。
①ボールを打つ練習と並行して、エチケットとルールを熟知すること。
②スイングのノウハウを覚える効率よい方法として・・・
・練習場でボールを打つ→ウェブなどのレッスンサイトをよく読み、知識として頭にしまい込むこと→ボールを打つ、これを交互に繰り返すこと。
・プロゴルフツアーでビデオを撮り、自分の体形に似たプロゴルファーのスイングをコマ送りで何度も何度も細部を目に焼き付ける「イメージトレーニング」を毎晩寝る前に欠かさない。
③上司が判断して、ラウンドの仮免許証が出るまではゴルフコースにいかないこと。
④自宅で毎日100回以上、1mのパットの練習をすること。
この4点でした。
ちょっと厳しい上司ですが、「ゴルフがうまくなりたい!」という気持ちと「せっかく上司が教えてくれてるのだからそれに応えたい」という気持ちから、愛理さんは毎日繰り返し教えを守ることにしました。
あとから考えて、愛理さんが4つの約束を愚鈍で愚直に守ったことが100切りへの最短距離だったのです。
ゴルフのコツは「打つ」ではなく「振る」こと
打ちっぱなし練習場で上司から受けるたまのレッスンで、愛理さんは大事なことを教わりました。
ボールを叩きに行くのではなく、トップからフィニッシュまで「振ること」が大事なんだと。
はじめ愛理さんはトップから振り下ろしに全力集中しすぎていたのです。
力いっぱい叩かないと飛ばせないと思っていたドライバーショットですが、まったく逆なことがわかってきました。
飛距離はパワーだけではなく、インパクトの瞬間の効率が大事なんだと。
このことが「ゴルフは力だけではなく考え方なんだ」ということを学習させてくれたのです。
最初にしては大きな成果です。
練習場での打球数は計画的に行うべし
さらに驚いたことは、練習をする際は一日150球までで、そのうちのドライバーは25球までという制限を受けたことでした。
一度にたくさん打つことが必ずしも上達にはつながらないとコーチは言います。
ボールはたくさん打てばいいというものではなく、むしろ習い始め程疲れてきてからは悪い癖が固まるデメリットもあるからだといわれました。
残りはユーティリティ(25度=5番相当)で30球、7番アイアンで30球、PW(ピッチングウェッジ)で25球、それにサンドウェッジはマットの上から40球という配分です。
おしまいの30分は、屋外のバンカーで練習して終了という繰り返しでした。
彼女はキッチリその打球数を守りました。
その効果はラウンドに出て初めて明らかになります。
スイングのチェックポイントは5つだけ、あとは捨てよ
ドライバーは18ホールで14回近く使います。
コーチの教えは、飛ばそう飛ばそうではダメ、真っすぐ130~150ヤード飛ばせる安定性が大事というものでした。
とにかく初めのころの彼女は「ヘッドアップ」がひどかったようです。
「ゴルフは打ったボールを目で追わないゲーム」と徹底的に教わったので、ヘッドアップはすぐなくなりました。
スイングの基本は
①背骨を軸にした回転運動
②アドレスの目の位置が、前後・左右・上下に動いたらぶち壊し
③柔らかいインターロッキンググリップ、踵を上げない意識(べた足)
④振り下ろしからフィニッシュまで、常に意識はクラブヘッドに
⑤シャフトを鞭(むち)のようにしなやかに使うこと
チェックポイントはたったこれだけでいい、あとのことは捨ててよいといわれたそうです。
そのとき愛理さんは、それだけだったらできそうだという自信の卵を持ったようです。
基礎知識の予習は緊張を和らげてくれた
練習の成果が出て、コーチからコースに出てよろしいという「認可」が下りたのは3か月後でした。
エチケットやルールを先に覚えたことは正解でした。
常識的な基礎知識を知っていたので、周りの方に迷惑をかけないようにという緊張感が分散しプレーに集中できました。
知識がなかったらオドオドするばかりだったかもしれません。
しかもコーチの指示通り6本しか用意しませんでした。
1本覚えればあとは応用すればよい、14本も覚える手間が省けてよいという理由です。
いきなりのコースデビューで自信を失うより、力を貯める練習が大事
最初のラウンドは「138」だったそうです。
スコアうんぬんより、愛理さんには完走した達成感がありました。
初ラウンドは上々のデキで終了しました。
何より大きかったのは、ゴルフがどれだけ楽しいゲームなのかを実感したことです。
その根本原因は、事前準備があったせいでしょう。
事前に準備した余裕があると、周りに目を向ける余裕が生まれます。
ビジネスも一緒で、相手が何を望んでいるのか、好みを知って事前に何を用意しておくべきかがわかれば話は必ず好転します。
さらにサイトの解説通り、まずゴルフコースには2時間前に到着、アプローチ練習場やバンカーなど本物の芝生や砂を相手にたっぷり練習しました。
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ラウンド終了後も練習グリーンに直行し、パッティングのひとり反省会もたっぷりやりました。
初めて出会った同年代の女性のゴル友ができて、LINEでのやり取りも始まりました。
スマホのアプリでスコアを記録する喜びも知り、愛理さんはこれからのワクワク感でいっぱいでした。
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彼女は11月に初ラウンド、その翌年10月に16回目のラウンドでついに「98」を達成したのでした。
100切りの実話にはヒントがいっぱい
愛理さんの実話から、100切りに対するキーワードが浮かんできます。
①ゴルフが「好きであること」
ほかの趣味でも仕事でも、どのくらい好きかでどこまで伸びるかが計れます。
将棋でプロの弟子になる子供は、師匠がその子の好き度をみて、将来は〇段まで行くとすぐに見極めるそうです。
そんな意味では、松山英樹という人は日本一ゴルフが好きなんでしょう。
②当てに行く人は100が切れない
今のクラブはよくできていますがミーティングエリアには限界があり、クラブフェースのふちに当たったりかすめたりするのは「空振り」より悪い結果になります。
よく「当たるか分からないからとにかく当てることに注意する」といった方を見かけますが、むしろ大ケガをしてしまう確率が増えてしまいます。
③アプローチとパットがスコアの心臓部
ドライバーは飛ばなくても問題ありません、それよりも2打目以降が大事です。
ゴルフコースは、300ヤード前後のパー4が大半です(女性の場合)。
ティーショットは150ヤードも飛べば十分、セカンドをミスしても3打目でグリーンの20ヤード以内に運べるゴルフなら100のラインが見えてきます。
その意味でサンドウェッジの練習量が多かったこと、日々自宅で1mのパッティング練習を欠かさなかったことが大きく100切りに貢献しました。
自分の実力に合わせたアベレージゴルフを教わった成果
愛理さんは空振りこそしないものの、チョロも池ポチャも頻繁にやってしまいます。
しかし100が切れない人と比べると、ピンチの時に無理しない「我慢」をコーチから教わって守ったのも大きかったようです。
100の壁の前で立ち止まっている方は、ショットやコースマネージメントにどこかしら「強引さ」があるようです。
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【ゴルフ100切り】パーを取るためのマネジメント/確率を意識して安全にスコアを縮める方法「スルーザグリーン編」
ゴルフ練習場ではナイスショットの連発でも、いざコースに出るとなかなか100が切れない方などはコースマネジメントに問題があるかもしれません。
大叩き劇場の幕を上げないために、スルーザグリーンのコースマネージメントを覚えておきましょう。
ゴルフは気持ちの制御がないとうまくなりません。
100以上打つ方は、バンカーで大叩き、3パット多数、1m前後の短いパットを簡単に外すことが多すぎます。
クラブ本数を少なくして、苦手なクラブを作らないことも大事です。
ゴルフ上達のキーワードは「シンプル イズ ベスト」ですからね。