ゴルフのスイングで、どうしても覚えなければならないことがあります。
それがヘッドが遅れてくるゴルフ独特の感性です。
そこがなかなか理解できないでいると次のステップに進んでも空回りします。
とはいえ、この感覚は掴むのに非常に苦労します。特に野球経験者はバットのしなりを感じることがないので苦戦する傾向にあります。
今回ご紹介する「ロジャーキング スイングドクター」を手にして振るだけで、瞬時にクラブのしなりを感じることができ、ゆったりと振った方が飛距離が出るという真実を理解することができます。
ボールが飛ばない・振り遅れる理屈
ドライバーで振り遅れる原因についての記事でも紹介しましたが、ドライバーのシャフトは非常に曲がりやすいカーボン製などの素材で出来ており、その直径は僅か1.5cmほどです。
対して野球で使用するバットは金属製または木製で、一番太い箇所では直径6cm以上のものも。バットも実際にはややしなってはいるものの人間の目では判断がつかない程度です。
ゴルフクラブもアイアンはドライバーに比べてしなりの度合いが下がるものの、野球のバットと比較すれば圧倒的なしなりがあります。また、最近は飛距離重視のモデルも発売されており、アイアンでも良くしなるように設計されています。
クラブがしなるということを意識せずにスイングしてしまうと、インパクトを迎える予定のタイミングで「まだフェースが戻ってきていない」ので、フェースが開いたままボールにヒットしてスライスしてしまう、いわゆる振り遅れが発生します。
また、ゴルフで飛距離を出すために重要なヘッドスピードも、しなったクラブが戻ってきたときに最速となるので、自分のスイングが本来持つヘッドスピードを活かし切る前にボールにコンタクトしてしまいます。
スイングドクターとは
こういった振り遅れによるミスヒットと飛距離のロスを改善するために開発されたのが「ロジャーキング スイングドクター」です。
ドライバータイプとアイアンタイプが発売されていますが、初心者の方はドライバータイプをオススメします。
44インチと通常のドライバーとほとんど変わらない長さで、アドレスした段階ですでにグニャッと曲がっていて「果たしてこれで打てるのだろうか?」と不安になりますが、しっかりと打つことが出来れば200ydは飛ばすことができます。
肝心の価格ですが、通常のドライバーよりはかなり安くなっており、実売価格はドライバータイプで7,000円前後、アイアンタイプで5,500円前後です。
スイングドクターを使うメリット
スイングドクターを使うことによって様々な悪いクセを修正することができます。
主な効果は以下の通りです。
手打ちスイングが改善できる
スイングドクターはムチのようにしなるので腰や肩の可動域をうまく使わないとボールにヒットさせることが出来ません。
肩から下だけでスイングしてしまっている手打ちタイプの方は、スイングドクターを使うことにより正しいボディターンが身につき、クラブが体に巻き付く感覚を養うことができます。
タメが体感できる
タメをつくる練習方法でも紹介しましたが、バスタオルを使うことでクラブヘッドがグリップよりも遅れてきてその後加速するイメージを掴むことができます。
しかしバスタオルだとどうしても感覚を掴めないという方は、スイングドクターを使って実際のボールを打ってみるのが良いですね。
「タメ」とは、バックスイングからダウンスイングに入るとき、コンマ何秒かの間「クラブヘッドを置き去りにすること」で、このわずかな時間差こそがヘッドスピードを上げるコツで、このタイミングを習得するかしないかでゴルフの上達スピードもまるっきり変わってきます。
正しいスイング軌道をマスターできる
テイクバックとダウンスイングは、それぞれ描く弧の大きさが違います。
ダウンスイングではその半径が約半分程度に小さくなります。グリップが体の近くを通るからですね。
テイクバックは大きなアーク、右ひじをわき腹に絞り込むようにクラブを体に巻き付けて、急がないシャープな回転をすることがポイントです。
スイングドクターを使ってみると、この弧の大きさの違いがハッキリと理解することが出来るようになります。
こういったスイングをしないとボールが正しく飛んで行かないので、強制的に身につけることができます。
ヘッドアップが修正できる
グリップよりワンテンポ遅れて降りてきたヘッドが、底辺が長く、フェースにボールを乗せている時間が長いほど良いボールになります。
そのためにはアドレスからフォローまでのスイングで、自分の顎がスイングアークのアンカーになることがわかるはずです。
それを感じるとヘッドアップはどこかに消えていくでしょう。
スイングドクターは柔らかいシャフトが強くしなるので、ヘッドが実重量よりずっと重く感じます。したがってトップの位置でグリップの下側で支える親指にその重さを感じます。
そうすることで、ごくナチュラルに左腰から回転が始まり、シャフトのしなりを感じます。ヘッドから動かしたら失敗です。
スイングドクターで打てるようになれば卒業
最初のうちはフニャフニャのシャフトですから、なかなかうまく当たらないかもしれません。
上手く打てないということはどこか間違えているという意味です。
当たっても右に飛ぶ方は、タイミングとテンポに注意して打ってみてください。徐々に当たるようになり、それがボールを捕まえる打ち方だと分かるでしょう。
力は全く要らず、背中の向きがターゲット方向から正面に向くだけ、背骨の軸心を中心に下半身から上の部分を捻るだけです。
意識の90%はヘッドの位置に集め、「遅れてくる=タメ」を感じればもう大丈夫。
つまり、自分がスイングを覚えるのではなく、スイングドクターのしなりに逆らわなければ自然に身につくのです。
スイングドクターのまとめ
スイングドクターは練習器具としてあまりにも人気が出たため、最近ではレディースタイプやショートアイアン、パターまで発売されています。
ただ個人的には一番長いドライバータイプで、しなりとタメの感覚を掴めれば他のクラブにも応用できると考えています。
既にゴルフ特有のこの感覚を掴んでいる方も、本番前にスイングドクターで2~3度スイングをしてみてタイミイングのチェックをすることをオススメします。