パー3でワンオンこそできませんでしたが、ボールはグリーン近くまで運びました。
でも手前にはバンカーがあって、普通のチップショットではグリーンに落ちても奥のバンカーまで行ってしまいそうです。
こんな時はロブショットの出番ですね。
フワ~~ッと舞い上がってストン!と落ち、そこからはほとんど転がらないで止まるロブショットは見ていてカッコいいアプローチです。
今回はロブショットの打ち方のコツ、どんな時にどうやって打てばいいのかを分かりやすくご解説していきます。
ロブショットを打つのは意外とカンタン
ロブショットはプロだけがやるものではありません。
アマチュアにとって、もっとも安全確実なアプローチというとランニング・アプローチがトップかもしれませんが、実はロブショットはその次にやさしいといっていいかもしれません。
アプローチの時になにかハザードや背の低い木があるなどの障害があるときには、ぜひ挑戦してみてください。
ただし、ある程度の自信がつくまで練習しないまま、いきなりコースでやっても簡単には成功しません。
ロブショットの練習は、ラウンド前の芝生の整備されたコースのアプローチ練習場なら最高ですが、じつは打ちっぱなし練習場のマットのほうがすこし難しい分だけ充実したプラクティスになります。
下が固いとクラブがキッチリ入らない限り、刃(エッジ)で打ってトップになる分、練習するには好都合なのです。
練習で自信をつけ、ロブショットにはロブショットに適した条件が揃っているときにやってみましょう。
むしろアプローチが最近良くないという方は、バンカーや池などのハザードがなくてもやってみたらいかがでしょうと薦めたくなるほどです。
ロブショットはダウンブローではなくだるま落とし
ロブショットはバンカーショットに似たところがあります。
ボールの下をクラブフェースが擦るようにして通過するショットだからです。
イメージとしては”ダルマ落とし”に近いかもしれません。
バンカーショットが得意な方なら、2~3日練習しただけですぐに武器になって使えそうです。
-
「一発で脱出するバンカーショット」基本の打ち方 ホームランの原因はバウンスをうまく使えていないから
初心者にとってバンカーショットはひとつの「100切りへの関所」かもしれません。 どちらかというと苦手な方が多いようです。 理由はふたつ考えられます。 ひとつは町中の練習場にバンカーの設備があま ...
その反対にデメリットも知っておく必要があります。
①慣れないとメンタル面のプレッシャーが大きい分だけ成功確率が下がる。
②練習で感覚を掴まないと距離感が難しい。
③ミスした時のダメージが大きい。
ロブショットをするということは多少のデメリットとミスがあると覚悟した上で、失敗してもほかの打ち方でうまくいったかどうかわからないわけで、さっと頭を切り替えることができます。
まだロブショットに慣れないうちは、実際のコースでファットゾーン(ピンと反対の安全な広いサイド)狙いで実地訓練を重ねると、要領が掴め徐々に自信がつきます。
ロブショットのメカニズム
ロブショットはクラブフェースを空に向けて振り抜くので、距離は出ないままパワーのほとんどは高さばかりに費やされます。
仮にロフト角が58度のウェッジでも、身体を開いてフェースをピンに向けるとロフトが60度以上に使えることをうまく応用しています。
そもそもゴルフクラブはサンドウェッジに限らず、フェースの開きと閉じ方でボールの高さをコントロールしたり、距離の調節をするようにできていますから、特にどのクラブでということもありません。
ロブショットの場合は特にフェース面を意図的に上に寝かせて構えることでやや特殊感があるというだけです。
フェースの向け方次第ではロフトが70度以上になり、そのままの状態でボールを打つとボールは自然と空に舞い上がっていきます。
高く上がるということはバックスピンの影響も出て、落ちてから転がりにくいという点も有利に働きます。
ロブショットの出番ではないときってどんな時?
慣れてしまえば武器になるロブショットですが、最初にロブショットが使えるシーンとやってはいけない場面の認識を持ちましょう。
あまり薦められない場面は以下の通りです。
①ボールが地面から浮いていない
クラブがボール下を通過するスペースがないときは諦めるしかありません。
ムリに打ちに行くとトップしてしまい、グリーンを大オーバーする危険があります。
②狙っているターゲット方向の奥にOBゾーンがある
ミスしてトップすると50ヤード以上は軽く飛んでしまうことを想定しておきます。
もし、不安感が先に立っているならロブショットは断念します。
もしそこで大ケガになるとショックが大きくなりますからね。
③落とし所が狭い、風が強くて影響が読み切れない
やはりショットはイメージがキッチリ湧いていない時のミス率は高くなります。
このように、ロブショットはそこに至る過程とその時点からのマネージメントに関連性を持たすことが必要です。
確率的にムリのある強引な攻め方をすると、仮に成功したらバンザイですが、そんなリスクを冒すのは正しいコースマネージメントとはいえません。
十分自信をつけたうえでのロブショットは、アプローチのバリエーションを多く持つことになってゴルフがますます楽しくなります。
-
アプローチを10ヤード刻みの距離感で打ち分ける7つのポイント/100切りへの近道は残り100ヤードのショット精度にアリ
今回はアプローチの距離感を養い、10ヤード刻みで打ち分けられるようになる練習方法の紹介です。
ターゲットを自信を持って狙えるようになれば、簡単に100切りは達成できます。
ロブショットの正しい打ち方
それではロブショットの打ち方解説です。
写真のイメージは極端ですが、フェースにボールが止まっているような状態で下を潜りぬけます。
持ったクラブが60度以上のロブウェッジなら少し開くだけ、サンドウェッジならかなり極端にオープンにします。
スタンスも極端に広く構え、下半身は左右バランスよく重心はガシッとしっかり下げます。
どのくらい下げるかというと、スイングしている間まったく上下動をしないで保持できる程度がベストです。
ボールは体の中心か、ボール一個程度左で大丈夫です。
グリップはウィーク・グリップで強く握りしめてはいけません。
振り方はアウトサイドインのカット気味で、シャロー(低く横から)に入れコックは使いません。
距離感は振り幅で決めるのがベターで、バンカーショットの距離感の20~30%増しのパワーを必要とします。
距離がなければ度胸を決めてゆったり大きく振ることが大事です。
ライによりますが、通常のラフで25ヤード程度なら、9時から3時の振りでフルパワーのスイングをしても問題ないでしょう。
距離感を練習で掴むことはそれほど難しくありません。
ロブショットの大事なポイント
フェアウェイのように刈り込まれていたら、左足に軸を置きます。
この打ち方はまさにバンカーショットです。
左足への体重をかけた分だけ、ボールも数センチずつ左に寄せます。
ラフで打つよりはすこしダウンブローが入ります。
反対にラフから打つときはまるでボールに触らないとそのまんま”ダルマ落とし”になって1ヤードも前に行きません。
前傾姿勢をとりながら、足の裏全体に平均して体重をかけます。
ロブショットの落とし穴に注意
ロブショットでピンそばに寄せられた時の快感は魅力的ですが、いくつかの大事な注意点があります。
①バンカー越えのロブショット
間違ってショートすると目玉になります。
この想定は大事で、グリーンに向かっての方向性は必ずしもピンではなく、安全で奥目の広いところが安心感を与えて成功率を上げます。
決して自分が自分にプレッシャーをかけないのはゴルフの大原則です。
②ラフがあまりにも深いとき
ロブショットを諦めることが肝要です。
ボールが沈んで見えにくいときのロブショットは危険です。
フェースのロフトがないので下を抜けるかトップする確率が上がります。
③距離があるとき
ウェッジのフェースの開き方を調整する必要があります。
状況に応じていない極端なオープンフェースで打つべきではなく、距離が遠いならスタンスとフェースを応用しなければいけません。
また、40~50ヤード残っていてボールが十分浮いているようなら、サンドウェッジ一辺倒ではなくアプローチウェッジで振り幅の調整をする方法もあります。
ロブショットのまとめ
やはり一番簡単なのはランニングアプローチです。
しかしすべての場所からランニングアプローチで寄せられるほど、ゴルフコースは簡単ではなく、時には「ロブショット」の出番が必要です。
前述しましたが、ロブショットの打ち方自体はたいして難しくはありません。
難しくさせているのは「プレッシャー」です。
やはりプレッシャーに打ち勝つには「練習」が一番の近道ですが、しっかりと練習をしたならあとは開き直りも大事です。
ゴルフは失敗ばかり恐れていては上手くなりません。むしろ「積極的なミスを重ねる経験」こそが自分を成長させてくれます。
あまりミスを怖れるだけではゴルフが楽しくなりませんからね。
また、中途半端な距離、たとえば「100ヤードと50ヤードは得意だけど70ヤードは苦手…」なんて方はギャップウェッジの導入を検討してみるのも良いでしょう。
-
ギャップウェッジとは/種類と選び方の注意点・おすすめGW【2018最新モデル】
ピッチングウェッジやサンドウェッジなどは分かりますが「ギャップウェッジ」って何だろう?そんな素朴な疑問とギャップウェッジが流行している理由、そして2018年最新のおすすめGWを紹介していきます。