2017年9月に発売されるや否や一気ににブレイクしているキャロウェイの最新アイアン「EPIC STAR(エピックスター)」
「自分が使いたい最高のクラブを作れ!」との大号令のもと、製作期間無制限・開発費もお構いなしという条件下で誕生したキャロウェイの秘密兵器です。
すでに発売されている「GBB EPIC STARドライバー」は石川遼選手、フィル・ミケルソン選手が使用していますが、スポンサー契約外のローリー・マイロイ選手なども使い始めるなどトッププロにも注目されています。
そんな実績をぶら下げたキャロウェイが今度は同ブランドのアイアンを販売開始したというのだから噂にならない方がおかしいですね。
今回は「禁断の飛び」がキャッチコピーのアイアン「EPIC STAR」とは一体どんなクラブなのか、実際に試打してみた感想とともに解説をしていきます。
キャロウェイ「EPIC STARアイアン」の構造とスペック
2017年9月15日に発売を開始して以来飛ぶように売れ、5本セット(6~9番とPW)で12万円以上するにもかかわらず入荷まで2ヶ月以上かかる大人気のアイアンです。
その秘密はキャロウェイの技術力を集結させたアイアンの構造にあります。
次世代フェースカップテクノロジー
もっとも薄い部分で約1mmという、キャロウェイ最先端の極薄360フェースカップを全番手に採用。
これによりフェースのたわみを最大化してボール初速を向上させ、アイアンにも「とてつもない飛距離」をもたらす。
フェースのトゥ・ヒール、上部、そして多くのアベレージゴルファーが陥るフェース下部のミスヒット時でも、安定した高いボール初速を可能にする。
エクソー・ケイジのヘッド構造
エクソー・ケイジ構造をさらに改良し、軽量化に成功。余剰重量を再配置して慣性モーメントを高め、安定性を向上させた。
また、ボディ強度を高めることで、インパクト時のエネルギーをよりフェース面に集中。
これによりボール初速が極限まで高まり、より飛距離アップが可能に。
キャロウェイの数あるアイアンのなかでもっともUSGAのCOR限界値に近づけたアイアン。
重心の位置を最適化
タングステン・インナーウェイトは、もっとも多い番手で約100gを配置。ロングからショートアイアンまでは低重心で、センター重心設計にすることにより、ボールを上げやすく、ミスヒットにも寛容に。
一方、ウェッジは、タングステン・インナーウェイトの量を減らし、ボディ素材に高比重金属ボディを採用。スピンコントロールでターゲットを狙いやすい。
やさしく安心感のあるヘッド
PIC PRO アイアンと比べて、やや大きめのヘッド、やや厚めのトップラインとソール、そしてオフセット設計にすることで、やさしく安心感のあるヘッドになっている。
その結果、ボールをしっかりつかまえて、まっすぐ、大きな飛びをもたらす。
EPIC STARのスペック
シャフトの硬さはS・SR・Rの3種類ありますが、クラブ重量はSで360g、Rで355gとあまり大差はありません。
シャフトは先中調子となっており、アマチュアでも扱いやすいタイプです。
番手 | 長さ | ロフト角 | ライ角 |
#5 | 38.5 | 20.5 | 60.5 |
#6 | 38.0 | 23.0 | 61.25 |
#7 | 37.5 | 26.0 | 62.0 |
#8 | 37.0 | 30.0 | 62.5 |
#9 | 36.5 | 34.5 | 63.0 |
PW | 36.0 | 39.0 | 63.5 |
AW | 35.5 | 44.0 | 64.0 |
GW | 35.5 | 49.0 | 64.0 |
SW | 35.5 | 55.0 | 64.0 |
※長さはインチ表示です
トッププロも絶賛する「禁断の飛び」
EPIC STARアイアンの試打インプレッション動画が、トッププロたちのコメントとともにアップされています。
(以下は上田桃子プロの試打動画)
動画によると
- 上田桃子(7I):155⇒193.8ヤード
- 藤田光里(7I):153⇒192ヤード
- 佐伯三貴(7I):150⇒192ヤード
- 深堀圭一郎(8I):159⇒192ヤード
- ブレンダン・ジョーンズ(8I):168⇒215.3ヤード
という、まさに「禁断の飛び」の実力を発揮しています。
平均して25%強の飛距離アップとなっています。
「キャロウェイEPIC STERアイアン」を試打してみた
アイアンは飛距離よりもコントロールが大事なのは誰もが思うところですが、プラス25%の飛距離は魅力です。
番手が上がれば上がるほど打ちやすくなり、飛距離が25%も上がるのなら「2~3番手」上げても同じ距離を攻めることになるので、飛距離アップはアドバンテージとなるからです。
ということで早速試打をしてみました。以下感想とレビューです。
安心感のあるフェースとライ角
まず構えてみた感想です。
「顔」を見る限りではいかにもやさしく打てそうな印象をうけます。
あれだけの飛距離性能ですから他のクラブと一線を画しているかと思いきや非常にオーソドックスな作りで、アドレスを取った時に上から覗いたイメージでは非常に安心感があります。
試打したのは6番アイアン、フェース角23度・ライ角61.25度はややアップライトでフェースが立ち気味に感じましたが、掴まえやすそうな雰囲気です。
ネックがちょっとだけグースになっていて、ヘッドはちょっと大きめかなという感想です。
力感なく振り切れる
ボディ強度が高められているというだけあって、それによりインパクト時のエネルギーの集中が確かな手ごたえになっていることを実感できます。
とにかく驚いたのは振り抜きやすさと安定性。
もっとヘッド重量を感じるかと思っていましたが非常に軽く感じ、そのせいかフェースローテーションも安定しています。
10ヤード以上は軽く飛ぶ
実際に試打してみた感覚ですが、「間違いなく10ヤード以上はオーバーしている」のが自分の目にも分かりました。
40ヤードはややオーバーな表現かもしれませんが、確実に1〜2番手は変わってきます。
そして何より「ミスヒットしても飛んでいく」ということに驚きました。
タングステン・インナーウェイトのおかげかボール負けすることなく、多少芯を外してもほとんど距離が変わらないので非常にやさしいクラブだと感じました。
そう感じる原因は「低重心でセンター重心」だからでしょう。
ボールはムリなく上がっていきますし、ミスヒットの幅がぐっと少ないイメージを持ちました。
これなら力む必要もありません。
キャロウェイのアイアンのなかでも、もっともボール初速が高い性能だというのも納得できます。
EPIC STARアイアンのまとめ
上田桃子プロが試打レビューで「これだけ飛ぶと試合で使いづらいので困る」と言っていましたが、アイアンは距離を求めるものではなく「狙った場所に打てるか」が最も大事です。
ですが、6番アイアンでも200ヤード近くの飛距離を出せるとしたら、アマチュアの場合は話が変わってきます。
日本の平均的なパー4ホールは、概ね350ヤード前後で設計されています(レギュラーティ)。
方向性の悪いドライバーで「うまくいけば250ヤード、でも半分くらいはOBを打ってしまう」方にとっては非常に強い武器となることでしょう。
何よりパー4でティーショットがアイアンというのが心理的にも良い働きをするでしょう。
EPIC STARアイアンは発売されたばかりで、かつ大人気ということもあり、しばらくは中古でも出てこないでしょう。
それでも自分のゴルフに革命を起こしたいという方にはオススメのゴルフクラブです。