ゴルフスコア100切りというのはドライバーショットが200ヤード前後しか飛ばなくてもコースマネージメントさえできていれば可能でしたが、90切りを目指すのであれば最低でも230ヤード、できれば250ヤードは欲しいところです。
このくらいのプレーヤーになってくるとある程度のボールコントロールが出来るようになってきて、打ち方によって右や左に曲がるということをご理解されてきているのではないでしょうか?
また、フェード系よりもドロー系のボールのほうが力強く、かつランも出るので飛距離が出るということも感覚で分かってきているハズです。
今回はそんな「飛距離の出るドローボール」のさらなる上級テクニックである「ハイドローボール」についての解説記事です。
コンペのドラコンホールや距離の長いパー、そして追い風の時など「ここぞ!」というときに打てるようなれば頼もしい味方になります。
ドローボールが飛ぶ理由
ハイドローボールは高い弾道を伴ってやや右に打ち出され、頂点を迎えるころからやや緩やかに左へ曲がっていき着弾していきます。
「ハイドロー使い」で真っ先に浮かぶのは、韓国女子プロゴルファーのイ・ボミ選手でしょうか。
またプロは持ち球を変えたりするので一概には言えませんが、パトリック・リードやジェイソン・デイなどはハイドローを打つことで良く知られています。
ただどちらかというと女子プロが好んで使用する傾向にあり、スイングスピードが彼女たちと近いアマチュアゴルファーには向いている打ち方です。
一般的にフェード系よりもドロー系のほうが良く飛ぶと言われていますが、それは何故でしょうか?
両者ともバックスピン量に大差はなく、またサイドスピンも右と左の差はあるものの大きな違いは無いのであれば打球は鏡合わせなハズです。
その秘密はインパクトの違いです。
フェード系はフェースが開いたままの状態でインパクトを迎えるのに対し、ドロー系はフェースが閉じながらインパクトを迎えるという特徴があります。
この違いがいわゆる「ボールを摑まえる」動きの差として表れ、ボール初速に大きな影響を与えることが分かっています。
今回は高い弾道でフォロー(追い風)時などに最も飛距離の出るハイドローの記事ですが、一般的なドローボールは「フェースが閉じる=弾道が低い」ので、着弾時の落下角度が少なくランも期待できるボールです。
ハイドローとドローボールの違い
一般的なドローボールとハイドローの差はそのボール軌道の高さの違いになります。
ハイドローはパワーフェードとペアで考えて大丈夫です。
パワーフェードは右回転が弱いボールで、フェード特有の「方向性は良くなるが距離はドロー系より出ない」という欠点を補ったものです。
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一般的にドローボールというと真っすぐ飛び出したボールが、頂点付近で左に少し曲がるボールです。
ハイドローはもう少し高さが出てはじめからやや右に飛び出した後、頂点手前あたりで柔らかい左カーブを描きながらターゲット方向に真っすぐ落ちていきます。
ボールが飛翔していく時点では、単純にサイドスピンかバックスピンかということではなく、双方が織り交ざったライフルスピンになります。
ではハイドローの打ち方はどうすれば良いのでしょうか。
具体的に説明をしていきます。
ハイドローボールの打ち方
ドローボールを打てる方ならハイドローはとても簡単です。
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ドローボールよりもややアッパーブローを強くするだけで打ち分けることができます。
以下の手順で試してみてください。
- ボールの位置は通常よりも1~2cm左側
- ややクローズドスタンス
- いつもよりややインサイドアウト軌道
- いつもより少し高いティアップ
ポイントは「フェースローテーションを少なくすること」と「インパクトゾーンを長くすること」です。
右わきを締めることでインパクト時の余計なフェースローテーションを抑えることができ、また腰の回転を抑えることで腕がスムーズに伸びてインパクトゾーンを長くできます。
「いつものインパクトより遅い位置」でボールを捉えるイメージを持つことで、自然なアッパーブローのスイングをすることができます。
スライス病矯正にも役立つハイドロー
「ハイドローはドローボールを打てれば簡単」とご説明しましたが、スライスに悩んでいる方への特効薬にもなります。
ゴルフを始めたばかりの方は「クラブのしなり」を意識せずにスイングするので、自ずとクラブヘッドが遅れてしまいスライス回転のボールとなってしまいます。
またスイング軌道は円運動ではなく逆三角形に近いアップライトなスイングになる傾向を多く見かけます。
これらのスイングを矯正するためには「真逆」のことをするのが一番です。
シャフトのしなりによる振り遅れを矯正するには、まずボールの位置を極端な左側、たとえば左足のつま先よりも10cmくらい左にセットしてみてください。
このとき、フェースの向きをボールのすぐ後ろに合わせようとすると自ずとクローズドスタンス(右足を後方に引くスタンス)になっているハズです。
またハイドローはインサイドからのスイング軌道が絶対条件ですが、「アップライト(タテ振り)」のスイングだとボールに当たる前に地面にヘッドがぶつかってしまうのでクリーンにボールをヒットさせるには「フラット(ヨコ振り)」なスイングが必要です。
自然と正しいスイングを身につけることができます。
飛距離の出るハイドローボールのまとめ
ドライバーショットは主に以下の種類に分けられます。
- スライス
- フェード
- パワーフェード
- ストレートボール
- ハイドロー
- ドローボール
- チーピン(ヒッカケ)
数字が小さいほど右回転が多く、大きくなるほど左回転が大きくなります。
両端はミスショットですが、その理由は主に「スイング軌道とインパクト時のフェース」にあります。
特にフェースの向きは直接打ち出し方向に関わってきますので、極端な言い方をすれば「フェースの向きが合っていればミスは出ない」とも捉えることができます。
フェースの向きを安定させるには「正しいグリップの握り方」を学ぶ必要があります。
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