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「スロープレー禁止」は初心者ゴルファーが一番最初に覚えておくマナー!なぜダメなのかを解説

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スロープレーについて

 

ある社内コンペで、あまりにもプレーが遅い部下に上司が言いました。

「キミ~!ラインはいいから 空気読め!」

 

あまりのスロープレーで前の組に置いていかれ、困ったしまったのですね。(笑)

 

さて、そんなことで今回は『スロープレー』のお話です。

ゴルファーならだれでも知っている言葉が”スロープレー”です。
そして周囲の全員がわかっていて、本人だけが自覚していないのも”スロープレー”です。

 

スロープレーに対し、初心者の方はその意味について若干曖昧なところがあります。

  • そもそもゴルフって、プレー時間が決まっているの?
  • スロープレーとそうでないプレーの境界線はどのあたりなの?
  • 自分はスロープレーをしているのかな、いないのかな?

そこで「スロープレー」に対する最近のゴルフ界の流れも含め、スロープレーはなぜダメなのかスロープレーのQ&Aも交え、スローではなく素早くわかりやすく解説します。

 

スロープレーはゴルフをダメにするというお話

スロープレーはゴルフをダメにする

 

初心者の方でもスロープレーは良くないということは知っています。

でも、そのことはゴルフ界全体の問題であり悩みだということまでは知る由もありません。

 

実は2015年来、ゴルフの聖地「セント・アンドリュース」ではこの懸案をテーマとして、R&A、USGA、欧州ツアー、欧州女子ツアー、日本ツアーの関係者が一堂に会し、解決に向けたサミットが継続されています。

R&Aのチーフ・エグゼクティブ、マーティン・スランバー氏は、すぐに抜本的な対策を実行すると発言しました。

今やファン層拡大のためにも、世界のゴルフ界そのものが「スロープレー撲滅」にと前のめりになっています。

 

①スロープレーでは上達が遅れる

実際にスロープレーから得るものは何もありません。

ノロノロとゴルフをするより、テキパキしたプレーがゴルフ上達につながるという意見は圧倒的多数のティーチングプロが口にします。

特に初心者の方は、アドレスしてから体が動かないで頭の中だけが回転しているようです。

きっと、手首はこうとか腰はこうでテイクバックはどうしたらいいのかということを思いめぐらしているのでしょう。

 

最初は誰でも似たようなものです。でも、それは練習場だけに留めるべきです。

練習場ではいくつものチェックをしながら、1球ごとに慎重に打つ必要があります。

ただし、コースに来たら目の前のボールに集中して、「単純にボールを打つこと以外考えない」という切り替えが大事です。

 

このように、スロープレーは技術の向上にも影響が及ぶ根深い問題です。

 

②松山英樹に降りかかったスロープレーの洗礼

2013年の全英オープンに松山英樹が出場したときのことです。

3日目、一時首位に1打差と詰め寄った彼は17番でティショットを大きく曲げてしまいました。

2打目は非常に難度が高く、そこで松山英樹はかなりの時間をかけたためいきなり「スロープレー」といわれペナルティを科せられてしまいました。

 

この背景を探るといくつかの事実が浮上します。

①松山プロは、当時の日本のプレー速度に対する意識が遅れていたため、遅いという自覚がなかった。

②スロープレーに意識を強くした世界のゴルフ界は、中でも目立つ選手にスケープゴート(悪い見本)を選んで処罰するという偏りがあった。

とはいえ、実際にタイムペースが遅れたため警告後に計測に入り、2度目に持ち時間をオーバーしたので罰を課したというルール上の手順に何の問題もありませんでした。

 

確かに日本人の競技委員もついていて松山サイドには伝わっていたとはいえ、筆者も若干狙われたかなという印象を持ちました。

 

③スロープレーと白洲次郎

日本中のゴルフコースのクラブハウスには、白洲次郎さんが認(したた)めた【Play fast(早くやろうぜ!)】の色紙が掲示してあります。

今度出かけた時に探してみてください。

 

白洲次郎さんは戦後の日本を、吉田茂首相の右腕として米国を論破するほどの活躍を果たした大功労者で、NHKのドキュメンタリーにもなりました。

 

1976年のことです。

当時はメンバーが皇族・華族・財閥系の名家・外国人に限られた、今では考えられないほど閉鎖的な軽井沢ゴルフ倶楽部の常務理事になりました。

白洲は、相手がどんな地位であれプレーが遅いとコースまで足を運び、フェイストゥーフェイスで「もっと早く!」と注意していたそうです。

 

スロープレーについて誤解されている人が少なからずいらっしゃいますので、説明をすると「スロープレーは、プレーが遅いとゴルフ場の収支に関わるから」という理由ではありません。

例えば高速道路の渋滞も、走る車の中にとんでもない遅い車が走っていると確実に起こります。

法定速度の範囲で最も効率よく走ってもらわないと、たくさんの車が迷惑します。

 

ゴルフコースも同じです。

各組2時間から2時間15分の範囲でホールアウトするのはマナーの基本なのです。

ハーフ2時間で回るコツについてはこちらをご覧ください。

ゴルフのプレーが遅い人と早い人の違いって?ハーフ2時間で回るコツ【スロープレー撲滅】

あなたはゴルフのハーフラウンドをどのくらいの時間で回っていますか?
早く回るコツは腕前だけでなく様々な場面での工夫が必要です。今回はハーフ2時間・ワンラウンド4時間前後で回る方法、コツを解説していきます。

 

よくあるスロープレーの例

 

ゴルフコースに訪れる人たちはみんな同じ条件で楽しみたいと考えています。

誰かが「高いお金を払っているのだから、全部自分のペースで楽しむ権利がある」といい始めると収拾はつきません。

では具体的にいうと、何がスロープレーで何がプレーファーストなのか、例題をいくつか挙げていきましょう。

 

①ティーグラウンドでのスロープレー

自分の順番なのに、まだカートのあたりでボールやティーを探している人

準備が遅い人はNGですね。

たしかに打順なのにモゾモゾしていて、一向にティーグラウンドに上がらない人がいます。

朝のスタート前には、ボール(目印を書いたもの)、ティーペグ、ボールマーカー、グリーンフォーク、グローブ、サングラス、帽子などはとっくに身につけておきましょう。

 

ボールの後ろに立ってじっとイメージし、2~3回深呼吸してから素振りを繰り返しているプレーヤー

時々いますね、プロのマネをしているのでしょうがいけません。

このタイプはむしろ初心者ではなく、キャディさんや仲間に「お急ぎください」といわれたことのない中級者に多いようです。

 

②スルーザグリーンのスロープレー

2打目地点に手ぶらで行き、その後カートに戻って使用クラブを決めて再度その地点に戻るという方

初心者にも中級者にも上級者にもいます。良くない例の典型的なスロープレーヤーですね。

できれば、初心者のころからアプローチ+パターのセットだけ入る小型のキャディバッグをカートに積んで、最初から分けておくという習慣をつけましょう。

 

前の組は先に行ってしまい、前方に人影が見えません。それでもあわてず騒がず、まったくペースアップしない組

ゴルフコースでは「パス」という非常手段があります。

どうしても間が詰められないなら数組は先に行ってもらい、その間茶店などで休憩すべきです。

まして、遅れ遅れでは後続の組のボールが飛んできて打ち込まれる危険もあります。

 

③バンカーのスロープレー

バンカーに入ったボールを打つときに、出たり入ったりしてプレーファーストを心がけない人

例えば、バンカーに入る前にレーキや、使うクラブに迷ったら2~3本を手にして入るのは最低限度の心得です。

そして、バンカー内までそれらを持ち込んで自分の後方の砂の上に置いておきましょう。ルール上の問題はありません。

打ってから遠いところにあるレーキをとりに行くなどは感心しない行為です。

 

バンカーで一人のプレーヤーが脱出に数打掛かって時間をとりました

これはプレー上仕方のないことです。

しかし、仲間は見ているだけではなく、打った後の均す作業などは別の方がやってあげて、早くボールをマークさせるなどの配慮を持つべきです。

 

④グリーン上でのスロープレー

自分の順番が来てからライン読みを始めるタイプ

非常に多いバッドなケースです。

グリーン上では自分の順番(最初に打つ人は別)が来るまでに、自分のボールの傾斜や芝目など読んでおく必要があります。

自分の打順が来たら、サッとアドレスしてリズムよくパッティングしましょう。

ただし、同伴者がアドレスしている間に、視界の中でウロチョロするとか足音を立てるのはマナー違反です。

 

ホールアウトしたばかりのグリーンでスコアを記入する

これも感心しない典型的なパターンです。

もうひとつ、もし自分が最初にホールアウトしたら置かれたピンを持つことは、キャディさんがいてもセルフでも同じことです。

 

セルフでカートを運転していて、グリーンに到着したとき全員のパターを運んであげる

大変良い行為です。

同時にすべてのメンバーが注意すべきは、アプローチで使ったクラブを置く場所です。

必ず、グリーンとカートの中間(グリーン外)に置くことで、クラブを忘れて取りに戻るという無駄な時間が無くなります。

 

スロープレーのまとめ

 

最後にプレーファーストの注意を追加します。

①レディゴルフといって、必ずしも「オナー順」を守らなくても、準備ができた人からプレーしましょう。

②紛失球は全員が協力して探す

③同伴者のボールはシッカリ見てあげる

それだけでも時間短縮になります。

 

ゴルフ場には自分たちだけでなく、数百人のプレーヤーが「この日を楽しみに」朝早くからお金を払ってやってきます。

ひとりだけスロープレーをして他のプレーヤーが嫌な気持ちにならないよう、常に「プレーファースト」を心がけてゴルフを楽しみましょう!

 

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